概要
今回はUltrahumanより発売のスマートリング「Ring AIR」をレビューしていきます。
動画版はこちら↓
提供:Ultrahuman

Ultrahuman(ウルトラヒューマン)とは?
Ultrahumanは、インド発のヘルステック企業で、ウェアラブルデバイスやアプリを通じて健康管理を支援するブランドです。運動、睡眠、栄養、ストレス管理といったライフスタイル全体の最適化を目指した製品やサービスを展開しています。
製品の主な特徴
世界最軽量クラスのスマートリング
- わずか2.4g〜3.6gで日常でも違和感のない装着感。
- 非常に薄く、寝ている間も快適。
✅ 高精度な睡眠分析機能
- 睡眠スコア(100点満点)を表示。
- 深い睡眠・浅い睡眠・レム・覚醒状態などを細かく分析。
- 11項目以上のデータから睡眠の質を評価。
- 過去7日間の傾向を可視化し、改善アドバイスも提供。
✅ 心拍・HRV(心拍変動)・体温の測定
- 回復指数(リカバリースコア)で体のコンディションを把握。
- HRVや安静時心拍数、皮膚温度からストレスや疲労状態を推定。
✅ アクティビティ&代謝の追跡
- 歩数、カロリー、代謝当量(MET)を測定。
- 活動指数で1日の運動量をスコア化、目標に向けたモチベーション向上に貢献。
スペック・製品仕様
項目 | 内容 |
---|---|
重量 | 最軽量2.4g(サイズにより最大3.6g)一般的なスマートウォッチの約11分の1の軽さ |
厚さ | 最薄2.4mm(サイズにより最大2.8mm) |
幅 | 8.1mm |
デザイン | 日常使いに適したスリムで目立たないデザイン |
素材(外装) | 戦闘機グレードのチタンにタングステンカーバイドカーボンコーティング日常使用での摩耗や傷に強い |
素材(内装) | 医療グレードの低アレルギー性エポキシ樹脂コーティング長時間の装着でも快適 |
通信方式 | Bluetooth Low Energy(BLE5)対応 |
互換性 | iOS 15以降のiPhone、およびAndroid 6以降のAndroid端末に対応 |
ファームウェア | Ultrahumanアプリ経由で自動アップデート |
電磁波安全性 | EMF放射対策済み(安全) |
センサー | – 赤外線PPGセンサー(心拍・酸素飽和度)- 医療グレード非接触型皮膚温センサー- 6軸モーションセンサー- 赤色LED:心拍・SpO2- 緑色LED:心拍- 赤外線LED:心拍 |
バッテリー | 充電式・交換不可 24mAh リチウムポリマー電池 |
バッテリー持続時間 | フル充電で約4~6日使用可能 |
充電時間 | 0%→100%まで約180分 |
内容物

- リング本体
- 充電ベース
- 充電ケーブル
- 説明書類
- ロゴステッカー
以上になります。

付属の充電ケーブルはナイロン被覆で太さのある頑丈な造りです。


付属の充電ベースに充電ケーブルを接続し、リングをセットしてワイヤレス充電します。
外観

これは展開されている5色(チタン、アスターブラック、マットグレー、バイオニックゴールドスペースシルバー)の内のマットグレーです。カラー展開が多く選べるのも良いですね。


厚みは2.4mm~2.8mm(サイズにより異なる)と薄く、重さも2.4g〜3.6gと他ブランドのスマートリングと比較しても軽いです。手持ちのスマートリングと比較してみました。
同サイズ比 | Ultrahuman Ring AIR (9号) | Amazfit Helio Ring (10号) | FOSMET RINGX(RX10) (11号) |
重さ | 3.0g | 3.9g | 3.5g |
厚み | 約2.4mm | 約2.45mm | 約2.5mm |
項目 | Ultrahuman Ring AIR | Amazfit Helio Ring | FOSMET RINGX (RX10) |
価格(税込) ※記事作成時点 | $349(約5万)(公式ストア) 59,800円(正規代理店) | 35,800円 | 29,890円 |
カラーバリエーション | 5色(チタン、アスターブラック、マットグレー、バイオニックゴールドスペースシルバー) | 1色(チタン) | 2色(シルバー、ブラック) |
サイズ展開(US表記) | 5号~14号 サイジングキット有(無料:公式ストアのみ) | 8, 10, 12号 | 6号~13号 サイジングキット有(有料) |
重さ | 2.4g~3.6g | 3.65g~3.82g | 約2.8g~(サイズによる) |
主な機能 | 睡眠、活動量、心拍数、心拍変動(HRV)、皮膚温度、体温、血中酸素、運動スコア、回復度、ストレス、MVI (Movement Velocity Index) | 睡眠、活動量、心拍数、血中酸素、皮膚温度、ストレス、運動量、回復度、メンタルヘルス | 睡眠、心拍数、血中酸素、心拍変動(HRV)、皮膚温度、活動量、ストレス |
バッテリー持続時間 | 最長 6日間 | 最長 4〜5日間 | 最長 7日間 |
素材 | チタン合金 (内部樹脂) | チタン合金 (内部樹脂) | チタン合金 (内部樹脂) |
防水性能 | 10気圧 | 10気圧 | 5気圧 |
主要センサー | PPG (赤外線、赤、緑LED)、NTC温度センサー、3D加速度計 | PPG (緑、赤LED)、環境光センサー、電気インピーダンスセンサー、加速度計、ジャイロスコープ | PPG、温度センサー、加速度計、ジャイロスコープ |
連携アプリ | Ultrahuman App | Zeppアプリ | FOSMET Ring App |
サブスクリプション | なし | Zepp Aura(本来有料だがリング購入で永久無料になるので実質なし) | なし |
何れも私の左手の人差し指用サイズで、号数は違えど同スケールの重さと厚みになりますが、この中だとUltrahuman Ring AIRがもっとも軽く薄いです。Amazfit Helio Ringとの重さの違いは0.9gですが、持ってみたり装着してみて比べると重さの違いを感じます。

実際にはめてみるとこんな感じ。

内側の素材は基本的にどれも樹脂製で同じですがセンサー部周辺の形状の違いをお分かり頂けるでしょうか。
他の2種が突起なのに対してUltrahuman Ring AIRは平らで、装着した時に最も違和感がなく普通のファッションリングを装着しているのと何ら変わらない自然さです。
リングのサイズ選びについて

公式ストア(ultrahuman.com)で注文すると、まず最初にサイジングキット(サイズテスト用模型セット)が届き、実際に指にはめて合うサイズを試してからリングサイズを注文する形式なので、サイズ選択を失敗する心配がないので安心です。届いて合わなかったらショックが大きいですからね。なのでリングを注文してから実際にリングが届くまでは約2週間程度かかります。また、このサイジングキットは返送不要で無料です。(公式代理店の場合は有料で販売されているようです。)
専用アプリについて



・「リング」タブでは、活動量、心拍、睡眠、ストレス等の測定した健康データの詳細をそれぞれ確認する事ができます。
・「代謝」タブは同ブランドが展開する血糖モニタリングデバイス「Ultrahuman M1(別売り)」による血糖値のモニタリングが可能です。海外では既に発売済みのようですが、日本では未発売で発売予定となっています。その為リング単体では特にこの項目は使用しません。
・「ゾーン」タブではリングユーザーでグループを作成してグループ内で「活動量」「睡眠」「回復度」データを共有する事ができます。


・「見つける」タブではヨガやワークアウト等の動画付きプログラムを活用する事ができたり、様々なヒーリングミュージック等を再生する事ができます。ただし、何故かこのタブのみ殆ど翻訳されておらずほぼ英語です。
・「プロフィール」タブでは測定したデータの週間レポートが確認できたり、ワークアウト設定や通知設定を行う事ができます。



これは実際の睡眠測定データの一部ですが、かなり詳細かつわかりやすくデータを表示してくれて、要注意項目等も色分けされてわかりやすくなっています。

更にそれぞれの項目等をタップすると改善するためのヒント等も提案してくれるので結果に基づいて「何をしたら良いか」がわかります。

面白いなと思った機能は、「カフェイン許容ウィンドウ」です。
これは「リングタブ」の活動量や睡眠項目の並びにという項目があるのですが、
カフェインの適切な接種時間や摂取量をパーソナライズしてくれます。
カフェインを計画性をもって接種する事なんて殆ど無かったので参考になりました。
使用した感想
実際に1か月以上着用した感想です。
使用感比較まとめ (※個人の見解です) | Ultrahuman Ring AIR | Amazfit Helio Ring | FOSMET RINGX(RX10) |
---|---|---|---|
装着感 | ◎ | 〇 | 〇 |
機能 | ◎ | ◎ | 〇 |
測定精度 | ◎ | ◎ | 〇 |
専用アプリの使いやすさ | 〇 | ◎ | 〇 |
バッテリーの持ち | 〇(実測値約5日) | △(実測値約3~4日) | ◎(実測値約10日) |
良かった所 | ・サイズ失敗の不安無し ・軽い&薄い ・各測定値の精度は高め | ・各測定値の精度は高め ・Amazfitウォッチとの連携機能 | ・比較的お手頃な価格 ・充電の持ちが良い |
気になった所 | ・専用アプリ内の文言が一部翻訳されない部分がある ・歩数計の精度に疑問 | ・充電の持ちが短い(実測値約3~4日程度) | ・専用アプリのUIが一部改善の必要有 ・歩数計の精度に疑問 |
まず使っていて感じるのは装着感の良さで、軽くて薄いので日常の動作からタイピングなど指を細かく動かす作業まで着けたまま違和感無く行う事ができます。装着感は今回比較している3種の中で最も良いと思いました。
装着したまま洗い物をしたり、日常生活の中で色々な場所に擦ったりしてしまっていますが今のところ傷らしい傷や塗装落ち等も無く綺麗な状態を保っており、耐久性も十分だと思います。
機能も基本的な健康測定に加え測定結果に基づいたアドバイスや専用アプリに多数設けられている動画や音楽を活用したサポートまで幅広く、リングのみでも確認できる内容や啓発効果は高いと思いました。各測定結果の精度も高く、睡眠やストレス、心拍、体温の上下等は基本的にほぼ合っているかなという印象を受けました。歩数のみやや多く計上される傾向にありました。ただこれはUltrahuman Ring AIRに限った話では無く、スマートリング自体がスマートウォッチに比べ小型で内蔵できるセンサーに限界がある事や、装着部位の関係上細かい指の動作で誤検出される場合も多く、そもそも歩数計測には弱いのです。なので活動量におけるある程度の誤差は仕方がないのかなとも思います。
専用アプリに関しては一部英語から翻訳されない箇所があるのと、測定できる項目が多いのはありがたいのですがアドバイスが各項目毎に細かく分かれすぎていて総括したアドバイスが欲しいなと思いました。Amazfit Helio RingやFOSMET RINGXは全ての健康項目から総括してまとめた文章にしてアドバイスしてくれるのでそこは他2種の方がわかりやすいかなと感じました。
それとこれは使用した感想というか購入における感想ですが、やはり購入前にサイズを試着してから選べるのは凄くありがたいなと思いました。測って注文したけど実際着けてみたらきついとか、緩いとかはスマートリングに限らずファッションリングでもありがちな事です。スマートリングは高価なアイテムですから、購入して合わなかったらショックが大きいですし、返品できたとしても面倒ですからね。注文後も配送状況のトラッキング等細かく来て安心でした。その辺のサポート体制はそれなりに高価なだけあってしっかりしているなという印象です。
総評
装着感・機能・バッテリー性能とバランス良く総合的に高水準で、”穴の無い”スマートリングだと思いました。サービスから機能まで高価なだけあってしっかりしているなという印象です。今回比較した3種の中だと最も高価ですが、老舗ブランドのOura Ring等が5万~8万+サブスク料もかかる事を考えると、サブスク無しの買い切りで5万~6万は”高価格帯のスマートリングとしては”コストパフォーマンスは良いと思います。数年以上使う想定で買うならアリだと思います。
Ultrahuman Ring AIR: 健康データに加え、カフェイン摂取の最適化・回復分析など、日々のパフォーマンス向上に特化した機能が得意です。業界の中でも薄さと軽さは準最強クラスで、装着感から機能まで穴の無い総合力が魅力です。日々の使いやすさ・快適さを方を重視したい方におすすめです。
Amazfit Helio Ring: Amazfitスマートウォッチとの連携に強みがあり、高度な回復分析機能等スポーツ選手や活動量の多いユーザーに最適化された分析が得意です。Amazfitスマートウォッチをご利用の方やアクティブな運動習慣のある方、アスリート等におすすめです。
FOSMET RINGX(RX10): 比較的低価格でありながら、主要な健康モニタリング機能が充実しています。高度な機能はありませんがその分バッテリー持続時間も長くシンプルで扱いやすく、手軽にスマートリングを試してみたい方におすすめです。