概要
今回はFUNLOGYから発売された完全ワイヤレスイヤホン『FUNLOGY Earbuds』と有線イヤホン『FUNLOGY Wired Earbuds』をレビューしていきます。
FUNLOGY(ファンロジー)とは?
FUNLOGY(ファンロジー)は、「毎日をちょっと楽しくする」ことをテーマに、スピーカーやプロジェクターなどのエンタメ家電を展開している日本発のガジェットブランドです。千葉県に拠点を置き、企画・開発・販売・サポートまでを日本国内で一貫して行っているのが大きな特徴。2015年に設立されて以降、VGP受賞やグッドデザイン賞受賞など、品質面でも高い評価を受けています。

『FUNLOGY Earbuds』が6990円、『FUNLOGY Wired Earbuds』が990円とどちらもエントリー帯のお手頃な価格で展開されており、先日発表された国内最大級のオーディオビジュアルアワード『VGP2025 SUMMER』では『FUNLOGY Earbuds』が受賞、『FUNLOGY Wired Earbuds』がコスパ大賞を受賞している注目の製品です。国内ブランドという事もあり興味をそそられて購入してみました。
それぞれの製品について特徴・機能・使用した感想等について語っていくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。
動画版はこちら↓
FUNLOGY Earbuds

主な特徴
【フルカスタム】
10 mmチタン+ポリウレタン複合ドライバー/FF+FBハイブリッドExtra ANC搭載/イヤホン&ケース双方のアンテナ配置まで3Dシミュレーションと試作を反復。クリア、低音、静寂を追求した完全ワイヤレスイヤホン。
【Extra ANC:最大‐49 dBクラスの静寂】
2マイク×フィードフォワード+フィードバック制御で環境ノイズを高精度に打ち消し。外音取り込み(アンビエント)も側面ボタンで切替可能。
【FUNLOGY Pure Sound Engine】
10 mm複合膜ドライバーはPUの柔軟性+Ti合金の高剛性を融合。キレのある高域・厚みのある中低域・締まった重低音をバランス良く再現し、ライブ音源もゲーム効果音もクリアでパワフル。
【3D Fit Soundチューニング】
人間の耳に合わせた装着性及び指向性の追求と、頭部伝達関数を応用した独自チュ^ニングにより、映画・360°オーディオ・VRコンテンツでまるで眼前にスピーカーの没入サウンド。
【Unison Fitエルゴノミクス】
数百人の耳型データを解析し、ANC性能と装着快適性の両立点を実現。長時間でも圧迫感を感じにくく、ジョギングしてもズレないフィット感。
【ビームフォーミング+ENC通話】
左右計4マイクで音声を前方指向に集音。ANC同時使用でも声だけクリアに届け、オンライン会議・ゲームVCでも「聞こえにくい」を即解決。
【60 時間再生&ワイヤレス充電】
本体だけで連続10 時間/ケース込み最大60時間再生。USB-C端子で約1時間でフルチャージ、ワイヤレス充電も対応。
※製品ページより引用
スペック・製品仕様
項目 | 内容 |
---|---|
製品名 | FUNLOGY Earbuds |
モデル | FLU13 |
製品サイズ | 60 L × 44 D × 28.5 H [mm] |
製品重量 | 約56g |
主な機能 | FF+FBハイブリッド Extra ANC、外音取込み、ENC |
操作 | 側面タッチ式 |
ドライバー | Φ10mm、Ti合金+ポリウレタン複合ドライバー |
Bluetooth | バージョン: Ver.5.3コーデック: SBC、AAC |
防水防塵性能 | IPX5 |
充電端子 | USB Type-C |
充電時間 | 1時間 |
稼働時間 | ANCオフ – 音量20%: 10時間(ケース込で60時間)ANCオン – 音量20%: 8時間(ケース込で40時間) |
付属品 | 充電ケーブル(0.3m)、イヤーピース(XS, S, M, L, XL)、説明書 |
内容物

- 充電ケース+イヤホン本体
- 充電ケーブル
- イヤーピース5組(1組装着済み)
- 説明書類
イヤーピースは5サイズも付属しているのでイヤーピースのサイズに関しては安心です。
説明書も全て日本語でわかりやすいです。
外観


充電ケースはスクエア型に近いボックスタイプ。
マットな質感でブランドロゴもシンプルなので落ち着いていて上品な印象があります。
充電ケース背面に充電ポートを搭載。

そしてなんとこの価格帯でワイヤレス充電にも対応しています。

手のひらに乗せてもこのサイズ感で、ワイヤレス充電対応の充電ケースにしてはかなりコンパクトな印象を受けます。

蓋を開けるとこんな感じ。
コンパクトな充電ケースながら、イヤホン本体の周りには指を入れる溝がしっかりと設けられており、本体スティック部分も多少せり出しているのでとても取り出しやすいです。
充電ケース内中央部にはペアリングリセットボタンを搭載。他社のワイヤレスイヤホンに比べボタンが大きく押しやすくなっています。
また、ペアリングリセットボタンの下にはインジケーターを搭載。ケース上蓋はインジケーター部分がクリア素材になっており、蓋を閉めた状態でインジケーターが確認できるデザインになっています。
充電ケースのデザインに関しては使いやすさに配慮された設計が随所に見受けられ、ユーザーの事をしっかり考えているなという印象を受けます。

イヤホン本体は定番のスティックタイプ。スティック上部のブランドロゴが書かれた部分の上の空間辺りがセンサー部になっています。

ノズルは丸形、短めの一般的なTWSタイプなので他社製のワイヤレスイヤホン向けイヤーピースとの互換性があり、好みにカスタムする事も可能です。


イヤホン片側は実測値で約4.2gと軽量なスティックタイプの中でもかなりの軽量です。
ケース込みで約52.1g
使用した感想
装着感について


耳の中に入れる筐体部はやや大きめに造られており、耳甲介腔にすっぽりとフィットするような装着感です。その為物理遮音性もそこそこあります。かなり軽くフィットするする為安定感も抜群です。
成人男性の私が装着して耳甲介腔にしっかりめに密着する感じなので、耳の小さな方だとやや圧迫感を感じる可能性があります。
音質について
AndroidにてAAC接続で使用した感想です。
音質傾向はドンシャリタイプで、キレの良いクリアな中高域とズンと響くアタック感の強い低音で気持ちの良いサウンドです。サウンドステージは縦がやや広め、横は平均的といった印象です。360°オーディオやVRにも最適なチューニングとの事で定位感がかなり良く、音の位置関係も立体的に感じられます。
エントリークラスとは思えないぐらいクオリティが高いです。
通話音質について
イヤホンから録音して聞いてみましたがノイズが少なく、声が明瞭で聞き取りやすいです。
こちらも音質は良い方だと思いました。
主な機能について
ANCについて
こちらもびっくりするぐらい性能が良いです。ONにして違いをはっきりと実感できる効力で、ANCの苦手な高周波に関してもかなり減衰してくれて静寂に近づきます。ONにしたときに、この感覚どれかの機種に近いなぁと既視感的な感覚を覚えたのですが、その正体は『Apple AirPods Pro 2』でした。

『Apple AirPods Pro 2』の静寂に包まれる感じ、アレに近い印象を受けました。
『Apple AirPods Pro 2』のノイキャン効力が星5MAXで4.8だとすると、『FUNLOGY Earbuds』は4.6~4.7ぐらいはあるように感じます。
現状1万円未満最強クラスのノイキャン効力だと思っている『EarFun Air Pro 4』や『Redmi Buds 6 Pro』等と型を並べるか、それ以上の効力だと思います。
ただし、このイヤホンは物理遮音性が担っている部分も大きく、しっかり装着しないとノイキャン効力下がってしまうので装着する際はねじ込むように深めに装着すると良いです。
外音取込機能もかなり優秀で、違和感がほぼ無く、まるで着けていない状態かのような自然かつ広範囲に外音を取り込んでくれます。ノイキャンだけじゃなく、外音取込まで非常に優秀です。
マルチポイント機能について
Android2台に同時接続して試してみました。
先発デバイス再生中に後発デバイスは割り込みできないタイプで、切替レスポンスは2秒後半から3秒程とやや遅めだが許容範囲内といった印象。切替の安定性に関しては特に問題ありませんでした。
割り込みはできませんが、先発デバイス再生中に後発デバイスを再生すると、先発デバイスの再生が終わったタイミングで後発デバイスに自動で切り替わる挙動が確認できました。
低遅延モードについて
遅延テストアプリを用いてOFFとONの状態で比べてみました。
(正確さを保証するものではありません)
OFFの状態だと約+120ms前後で、動画鑑賞ではそれほど気にならないがゲームだと気になるぐらい、ONの状態だと約+80ms前後で、動画は快適に鑑賞できゲームもカジュアルに遊ぶ程度なら気にならないぐらいでした。
気になった点
・専用アプリには非対応
専用アプリは現状存在しないので、最近ではマストである専用アプリのイコライザー機能やコントロールカスタマイズ等はありません。また、デフォルトのコントロール割り当てにボリューム調整が無いので、イヤホンからはボリューム調整が行えません。ここは明確に好みが分かれる部分かなと思います。
ただ、逆にアプリを使用せずともほぼ全ての機能や操作をイヤホン単体で行えるという事でもあるので、専用アプリを使わない、使いこなすのが面倒という人にとってはイヤホンだけで気軽に使えてむしろ使いやすいのではないでしょうか。
FUNLOGY Wired Earbuds

主な特徴
【開発者渾身のカスタム設計】
有線イヤホン専門エンジニアが3Dモデリングと自社試作を十数回繰り返し、φ6 mmダイナミックドライバー/音導管/筐体内部容積を最適化。コスト内での高音質・高精度を実現し、オーディオマニアも納得のカナル型イヤホンへ昇華。
【新開発φ6 mmドライバー搭載】
肉声の厚みを感じる中低域と、細やかな余韻まではらむ高域を両立。ASMR・BGM・ゲーミングまで幅広く対応し、リアルな空気感を再現。
【4-9 kHzディップ補正で煌めく高域】
外耳道特性の落ち込みを補正する専用ドライバーにより、透き通る高音と鮮明な定位感を実現。360°オーディオやVRコンテンツでもクリスタルサウンドを体感。
【ASMR特化・LR分離度チューニング】
左右チャネルのクロストークを徹底低減。囁き声の位置や空気感をリアルに再現し、ASMRファン必携の没入体験を提供。「音に、没入する。」キャッチコピーを体現。
【包み込む優しい音色&万能用途】
艶やかなボーカルと程よい低音バランスでMusic / ASMR / Travel / Reading / Sleepをすべてカバー。リラックス用BGMからゲーム実況まで、1本で幅広いシーンをサポート。
【76°最適筐体角&細軸カナル形状】
耳道に沿ったユニゾンフィット計で長時間リスニングでも痛くなりにくい。通勤・通学・テレワークでも外音遮断と音漏れ防止を両立し集中力をキープ。
【タッチノイズ徹底カットケーブル】
しなやか外装チューブで摩擦音を大幅低減。歩行・タイピング中でもケーブルノイズゼロ級の静寂を実現し、録音チェック用イヤーモニターとしても最適。
【2層構造イヤーピース3サイズ】
内側を硬め、外側を柔らかくしたハイブリッドシリコンで密閉性を強化。低域量感+快適装着を両立し、耳穴にぴったりフィット。交換用S/M/L付属で誰でもベストフィット。
※製品ページより引用
スペック・製品仕様
項目 | 値 |
---|---|
ドライバーサイズ | Φ6 mm |
感度 | 98 dB/mW |
音声入力 | 3.5 mm オーディオジャック |
マイク | なし |
ケーブル長 | 1.2 m |
付属品 | イヤーピース(S/M/L) |
内容物


- イヤホン本体
- イヤーピース3組(1組装着済み)
付属のイヤーピースは内側と外側で違う硬度の物を合わせたハイブリッド製らしく、音質や装着感へのこだわりを感じます。
外観

イヤホンの筐体はスリムな円筒型で装着した際耳道に沿う76°のⅬ字型に調整されているようです。
マットな質感で落ち着いた印象を受けます。

ケーブルスライダー付きで装着時に調整したり収納時に両筐体がばらけないようにまとめたりできます。
ケーブルはしなやかで扱いやすく摩擦が少ないので絡みにくいです。

ケーブル長は最もオーソドックスな1.2mで扱いやすい長さです。
プラグは断線にも強い3.5mmⅬ字型です。

ノズルは完全ワイヤレスに多い丸形短めタイプなのでイヤーピースをカスタムする場合は完全ワイヤレス向けの物が合いそうです。(有線向けの物も装着できそうです)

実測値で約13.3gと軽量です。
使用した感想
装着感について


スリムな円筒型なので圧迫感が全くなく、2重構造のイヤーピースが絶妙なフィット感でまるで着けていないかのような装着感です。
本体が非常に軽いので長時間装着していても全く疲れる事が無く、長時間の作業やゲームでの使用にも向いていると思います。装着感はかなり良いです。
音質について
Androidに直差しして使用した感想です。
まず一聴してびっくりする音の良さです。
余韻や広がりを感じるような抜けの良い高域に、ボーカルの厚みを感じる中域、量感があり立体的な低域と、このスリムボディからは想像もしないような臨場感のある音を楽しめます。サウンドステージは縦横共に広めで、ボーカルは近いです。
商品説明でASMRにも合うとあるように定位感も非常に良く、音の位置関係や空間表現がとてもよくわかります。囁き系ASMRを聴いてみましたが定位感がかなりリアルで生々しかったです。また、空間表現に優れているのでFPS等の一人称視点のゲームとの相性も良く、ゲーミングイヤホンとしても問題無く使えると思います。映画やドラマ鑑賞での使用もおすすめです。
ASMRやゲームとの相性が抜群なのに、音楽鑑賞でも違和感の無いなんとも絶妙で見事なチューニングだと思いました。
気になった点
ⅬR表記が見にくくややわかりづらい


Ⅼ字部分の内側に左右の表記は一応されているのですが、文字の突起が低く小型筐体な事もあり肉眼だとかなり見えづらいです。一応、恐らく配慮として右側筐体の背面にだけ突起が付いていて、ここでも見分けがつくようにデザインされているのですが、この突起も小さすぎて肉眼だとぱっと見気付かないレベルです。些細な事ではあるのですが、装着する際に一瞬どっちがどっちだ…と注目する時間が生まれます。
タッチノイズ徹底カットケーブル?
当イヤホンのケーブルはしなやかな素材でタッチノイズを軽減する設計となっているようですが、指や服が触れればタッチノイズ自体はそれなりに感じます。恐らくですが、摩擦のあるケーブル素材に比べれば摩擦が少ないので服などに引っかかりにくく、ノイズ自体が発生する頻度が低いよ、という意味かなと解釈しました。ただ『徹底カット』はやや誇張表現気味な印象を受けます。
総評

FUNLOGY Earbuds
- 驚異的なノイキャン性能と自然な外音取り込み機能を備えた、コスパ最強クラスの完全ワイヤレスイヤホン。
- キレのあるドンシャリ傾向のサウンドに加え、立体的な定位感が映像コンテンツやゲームにもマッチ。
- ワイヤレス充電・マルチポイント・低遅延モードなど、1万円以下では珍しい多機能ぶり。
- アプリ非対応や音量調整不可などの制限はあるが、それを差し引いても総合力が非常に高い製品。
おすすめの人
→「高機能&高音質な完全ワイヤレスを低価格で探している人」「ノイキャン性能重視の人」「国内ブランドを重視したい人」
FUNLOGY Wired Earbuds
- 1,000円以下とは思えない高音質で、自然な装着感と長時間リスニングにも最適な快適さを実現。
- 定位感・空間表現に優れ、ASMR・映画鑑賞・FPS系ゲームに特に相性が良い。
- 空間表現に特化した設計やハイブリッドイヤーピースなど、価格帯以上のこだわりが随所に光る。
- L/R表記の視認性等些細な気になる点はあるが、全体として圧倒的なコストパフォーマンスを誇る。
おすすめの人
→「とにかく安く、でも高音質な有線イヤホンが欲しい人」「ASMR・ゲーム・映画鑑賞などを楽しみたい人」「装着感の良さを重視する人」
どちらの製品も、価格以上の完成度を持った国内ブランドならではのこだわりを感じられるモデルです。用途やライフスタイルに応じて選べば、どちらも“買って損なし”の一台と言えるでしょう。