概要
今回はKZより発売の新作IEM『Gale』をレビューしていきます。
提供:KZ Acoustic

KZとは
KZ(Knowledge Zenith)は、驚異的なコストパフォーマンスで知られる中国のイヤホンブランドです。手頃な価格ながら高音質を実現し、ハイブリッド型など革新的な技術を積極的に採用。豊富なラインナップとカスタマイズ性で、「中華イヤホン」ブームの火付け役となりました。
製品の主な特徴
比類なき没入型サウンド
ゲーマー向けに設計された低音重視のサウンドチューニングにより、力強く迫力のある音を再生。足音や爆発音などの効果音を際立たせ、ゲームプレイにさらなる臨場感をもたらします。
高性能マイク内蔵
2基の高感度・無指向性コンデンサーマイクを搭載。激しいeスポーツの最中でも、クリアな音声をしっかり拾います。インラインコントローラーで音楽の再生・一時停止、通話の応答・終了、音声アシスタントの起動も可能です。(マイク有モデルのみ)
快適かつコンパクトなデザイン
長時間の使用でも耳が疲れにくいイヤーフック設計。驚くほどコンパクトで、ポケットやバッグにもすっきり収納できます。重くてかさばるオーバーイヤーヘッドホンに別れを告げましょう。
3.5mmジャック対応の幅広い互換性
3.5mm端子を搭載しており、ゲーム機・PC・スマートフォン・タブレットなど、さまざまなデバイスで使用可能。Nintendo Switch、iPhone、PlayStation 4、iPad、Samsung Galaxyシリーズなどにも対応しています。
着脱式2ピンケーブル採用
有線接続により遅延を抑え、PCやコンソールとの接続もスムーズ。取り外し可能な2ピンケーブル仕様で、ケーブルの交換やアップグレードが簡単に行えます。KZ製Bluetoothモジュールとの互換性もあります。
※公式資料参考
スペック・製品仕様
項目 | 内容 |
---|---|
製品名 | KZ-Gale 疾风 |
プラグタイプ | 3.5mm |
ピンタイプ | 0.75mm |
周波数応答 | 10Hz – 20,000Hz |
インピーダンス | 24Ω |
感度 | 107±3dB/mW(@1kHz) |
マイク有無 | あり/なし(※バージョンにより異なる) |
※公式資料より引用
Amazon参考価格(記事制作時点):2450円/2400円(マイク有/無)
スペック・製品仕様はこのようになっています。
内容物

- イヤホン本体
- イヤホンケーブル
- イヤーピース3サイズ(1組装着済み)
- 保証書
- USBオーディオ変換アダプタ(内容物ではありませんが付属しています)


付属のケーブルは銀メッキケーブル。線材の詳細は不明。
プラグは汎用性の高い3.5mmⅬ字プラグ。
Amazonでは50円プラスでマイク付きバージョンも展開されています。
KZではオーソドックスなサラっとしたシリコンタイプのイヤーピースが付属。

標準なのか期間限定なのか不明ですがUSBオーディオ変換アダプタも付属しています。
約1m。詳細は不明ですがナイロン被覆で造りはしっかりしています。
(販売元:KZ official shopのみ)
外観


KZといえば金属筐体や金属フェイスプレートの無機質デザインなイメージがありますが、Galeは全体が樹脂製シェルで、フェイスプレートの装飾部分にのみ金属らしきパーツがはめこまれています。シンプルですがどことなくスチームパンクな雰囲気を感じさせるデザインです。コネクタはお馴染みのQDC2PIN。

ノズル口径は約5mm、最大で約5.5mm程。
内側シェルにベントと見られる穴が確認できます。
シェルはかなり透明度が高く中の構造がはっきりと見えます。
詳細は明言されておらず不明ですが公式資料を見る限り搭載ドライバーは独自開発の『スーパーリニアダイナミックドライバー』だそうです。サイズも特に記述されていませんが、クリアシェルから見る感じだと10mm径っぽいです。
同様のドライバーを搭載した同ブランド他モデルのドライバー説明には、
『音の歪みを最小限に抑え、よりクリーンで正確なオーディオ体験を実現します』と記述があることから、この場合のリニアは恐らく原音への忠実度を示していると思われるので、忠実度がスーパーなダイナミックドライバーという認識で良いと思います。

イヤーピース未装着状態でイヤホン片側約3.8gと非常に軽量です。


最近レビューしたKZ SAGA、KZ ZA12とサイズ感比較。
KZ SAGAはコンパクトにまとまっている印象ですが、それと同じぐらいコンパクトです。
使用した感想
装着感について


耳甲介にフィットするような筐体形状ですが内側シェルは特に立体的な形状をしている訳ではなくやや丸みを帯びたシンプルなデザインなのでシェル全体で支えると言うよりかはシェル下側とイヤーピースと耳掛けの3点で支えているような装着感です。本体が非常に軽いので安定感は特に問題なく、数時間続けて着用しても特に重さで疲れる事はありませんでした。
人によって装着感は異なりますが、成人男性である私が装着した感じは特に窮屈感は感じず、長時間着けて耳が痛くなったりもしませんでした。
音質について
付属ケーブル・イヤーピースでデジタルオーディオプレーヤー(NW-ZX707)とゲームで使用した感想です。
全体的にとても解像度が高く、見通しが良いクリアなモニターサウンドといった印象を受けました。
中高音域の解像感は非常に高くクリアでシャープなくっきりとした音です。
商品説明には低音が強化されているような低音を強調した文言が見受けられますが、実際のところはタイトで明瞭感の高いモニター系の低音で、量感やアタック感が強い訳では無く、忠実な低音と言った印象を受けました。
サウンドステージは縦横ともにやや広めで、ボーカルが近めな印象を受けました。
定位感も非常に良いです。FPSゲームでも使用してみましたが、他に所持しているゲーミングイヤホンと比べても定位感が実際に人の耳で感じる距離や方向感覚に限りなく近く自然で、足音や銃声が聞こえる位置関係がとても分かりやすかったです。

同じゲーミング向け製品として発売されている以前レビューしたKZ SAGA(E-sports ver.)とサウンドを比較すると、SAGAも同じく解像感は非常に優れていますが、あちらは低音もやや強めでパワフルなドンシャリ傾向といった印象で、Galeはバランスがフラットに近く全体的にタイトめな音でモニター寄りな印象を受けます。どちらが良いかは好み次第ですが、ゲームやクリエイター作業にはGaleの方がより適しているかなという印象を受けました。
総評

KZ『Gale』は、独自開発の「スーパーリニアダイナミックドライバー」を搭載した、同ブランドの中でもモニターライクな音作りが際立つ新作IEMです。価格帯は手頃でありながら、全体的に解像度が非常に高く、中高音域においてはクリアでシャープな表現が印象的です。低音は強調感よりも正確性に重きを置いたタイトなチューニングで、音源の情報を忠実に再現することを意識した仕上がりとなっています。
軽量でコンパクトな筐体は装着感に優れ、長時間の使用でも疲労を感じにくい点も特筆すべきポイントです。外観は樹脂製ながらも、スチームパンクを想起させるデザインで、KZらしい遊び心も感じられます。さらに、定位感にも優れており、FPSなどゲーム用途においてもその実力を発揮します。
コストパフォーマンスを重視しつつも、原音忠実性や音の明瞭感を求めるユーザーにとって非常に魅力的なモデルといえるでしょう。
原音に忠実なサウンドを求める方、FPSゲーマー、クリエイター等におすすめです。
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