概要
今回はEarFunより新しく発売となる完全ワイヤレスイヤホン「EarFun Air Pro 4i」をレビューしていきます。
提供:EarFun
発売から今まで完全ワイヤレスイヤホン1万円以下コスパ最強格として君臨し続けている大人気モデル「EarFun Air Pro 4」の改良モデルにあたる製品との事で、特にノイキャン特化型であることがアピールされています。
「EarFun Air Pro 4」と比較して何が変わったのか、Anker、SONY、Apple等ノイキャン搭載人気上位モデルと比較してノイキャン強度はどうなのか、使用して良かった点・気になった点等感想を語っていくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。

主な特徴

スペック・製品仕様

ナンバリング自体は同じなのでマイナーチェンジモデルかと思いきや結構違います。
まず搭載ドライバーは11mmチタンコーティング複合ダイナミックドライバーという事で、Pro4とは搭載ドライバーが異なり、より大きく、チタンコーティングが施されているものとなりました。音質の違いについては使用した感想の方で比較していきます。
そしてノイキャン強度も強化されているようです。こちらも後ほど実際の使用感や違いについて比較していきます。
本体の防塵防水規格はIP55で、防塵認証が追加されています。
更にPro4では非搭載だった3Ⅾオーディオ機能を新しく搭載しました。
対応コーデックはSBC/AAC/LDACとなっており、aptX系を採用しない事でPro4との差別化を図っているようです。
通話ノイキャンはCVCからAI方式に変更されています。
イヤホン単体の再生時間は最大9.5時間と長時間ですが、Pro4よりはわずかに短いです。
ゲームモードやワイヤレス充電にはPro4同様対応となっていて、価格は何と7,990円と2000円も下がり更にお求めやすい価格での展開となっています。
内容物

- イヤホン本体+充電ケース
- 充電ケーブル
- イヤーピース5組(1組装着済み)
- 説明書類
外観

充電ケースは丸みを帯びた正方形に近いスクエア型。単色でマット仕上げで落ち着いた印象。
公式資料には白いバージョンも写っていたので同時か後日かはわかりませんがホワイトも発売されるものと思われます。


前面にはインジケーター、後面には充電ポート搭載。

蓋を開けるとこんな感じ。ケース内部手前側にペアリングリセットボタン搭載。
指を入れるスペースがしっかり設けられていて、イヤホン本体もせり出しているので取り出しやすいです。充電ケース蓋は約90度開いた状態で固定され傾けても閉じません。

本体を取り出す際に親指を入れるスペースがProよりも広く設けられ、横幅が狭くなっているながらも取り出しやすさは向上しています。インジケータは3点式から1点のみのタイプに変更されています。

イヤホン本体は定番のスティックタイプ。センサー部は点字のようなデザインになっています。


デザインや形状もPro4とはやや異なります。

ノズルは円形から楕円形に変更。


それに伴いイヤーピースも専用設計に。傘部と軸部で異なる硬さのシリコンを使用する事で、より低音を逃がさず、遮音性向上を図っているそう。


イヤホン片側約5.2g、ケース込みで約56.5gと重さはPro4とほぼ変わらずやや軽め~標準といった印象です。
専用アプリについて

専用アプリはタブで分かれておらず1つのページに機能がまとまっていて扱いやすいです。


ノイキャンや外音取込はそれぞれ複数モードが用意されていて、好みやシーンに合わせて切り替えて使用する事ができます。


低遅延化するゲームモードと、没入感を高めてくれるシアターモードを搭載。
イコライザーは1タップで気軽に音質傾向を変えられる設定済みのプリセット、自分で細かく調節可能なカスタムイコライザー、聴覚テストで最適化する適応イコライザの3種類から選んで使用する事ができます。


コントロールカスタマイズも可能で、自分の使いやすいように操作を割り当てる事ができます。


LDACは専用アプリからONにしないと適用されないので注意です。また、マルチポイント機能やシアターモードとの併用はできません。
マルチポイント機能は接続中のデバイスや接続履歴が可視化され、トグルスイッチで1タップで接続・解除を管理できるので使い勝手が良いです。
その他音声ガイダンスの言語選択やボリューム制限、バランス調整、コントロール無効化、イヤホンを探す機能等を使用可能です。
使用した感想
装着感について


イヤーピースが楕円形なので、サイズが合わないと窮屈感を感じやすかったり、音の聞こえ方に差が出やすいので必ず付属のイヤーピースからサイズを合う物を選択して装着しましょう。最初はⅬサイズが装着されていて、私の耳では窮屈だったのでⅯサイズに変更しました。耳道に沿った形状なのでサイズさえ合えば窮屈感無く高いフィット感が得られ安定します。本体も軽く装着感は良好です。
Pro4は装着検出機能有でしたが、今作では非搭載となっています。
音質について
AndroidにてLDAC接続で使用した感想です。
音質の傾向(LDAC接続、デフォルト時) | |
EarFun Air Pro 4 | シャキッとした寒色系サウンド。 中高域は輪郭がはっきりしていて解像感が高い。 低域は弾むような張りのある低音。 低域から高域までバランスは良いが低域と高域がわずかに出たフラット寄りの極緩やかなV字型といった印象。 サウンドステージは縦横やや広め、ボーカルやや近め |
EarFun Air Pro 4i | シャキッとした寒色系サウンド。 中高域は輪郭がはっきりしていて解像感が高い。 低域は弾むような張りのある低音。 低域から高域までバランスが良くフラットに近い印象。 サウンドステージは縦横やや広め、ボーカルやや近め |
基本的にチューニングの方向性自体は近く、どちらもシャキッとした中高域と弾むような張りのある低域で小気味良いサウンドに仕上がっていますが、 Pro4と聞き比べて感じた違いとしては、わずかな差ですがPro4iの方が細かいディティールがより鮮明に感じられる事と、音のバランスがよりフラットに近づきより自然なバランスになった印象を受けました。どちらも解像度の高い良い音で本当に細かな違いなのでサウンドバランスの好み次第だと思います。
通話音質について
近くで設置型のうるさいクーラーを稼働させた状態でイヤホンから録音した音声を4と4iで聞き比べてみました。どちらも声はとてもクリアで鮮明に録音できており聞き取りやすいですが、音声のボリュームを上げて聞き比べたところ4ではうっすらと聞こえるクーラーの音が4iではほぼ分からないレベルにノイキャンされていました。どちらも非常に優れた通話音質ですが、4iの方が環境音のノイキャン力が高いように感じました。AI方式のノイキャンは環境の変化に強い為、外での通話は特に4iの方が強いものと思われます。
主な機能について
アクティブノイズキャンセリング機能について

ノイキャン効力に定評があり、かつユーザーも多いAirPods Pro 2やWF-1000XM5も含めて比べてみました。
それぞれノイキャン効力を聞き比べてみた結果、こんな具合です。
(※個人の見解です)
ノイキャン 効力評価 | EarFun Air Pro 4 | EarFun Air Pro 4i | Liberty 5 | AirPods Pro 2 | WF-1000XM5 |
---|---|---|---|---|---|
個人的点数 5点満点 | 4.4 | 4.5 | 4.5 | 4.7 | 4.8 |
備考 | 外で使用するのにも十分な減衰力。うっすらと中周波は聞こえるがほぼ気にならない。 | 外で使用するのにも十分な減衰力。Pro 4で感じた中周波をより減衰できており明確に効力は上がっている。極僅かにホワイトノイズあり | 外で使用するのにも十分な減衰力。うっすらと中周波は聞こえるがほぼ気にならない。ノイキャン適用時の自然さが高い | 効力・自然さ共にとても優れていて静寂に近い | 効力・自然さ共にとても優れていて、物理遮音性が高いイヤーピースの為より静寂に近いが装着感はやや圧迫感がある。 |
Pro 4でも価格帯を考えると十二分に強力でしたが、Pro 4でうっすらと聞こえていた中周波がほぼ聞こえないレベルまで減衰され効力は確実に向上しているように感じます。効力だけでいうならLiberty 5を超えているように感じますが、適用中は極うっすらと「サーッ」というホワイトノイズを感じます。もちろんコンテンツ再生中は全く気になりませんが、ノイキャン適用時の自然さも込みでLiberty5と同点としました。といっても、価格はLiberty5のほぼ半分、ハイエンドモデル2機種の1/4程ですからこれはかなり凄い事だと思います。
外音取り込み機能も取り込み量が多くかつ自然で優秀です。
ゲームモードについて
遅延テストアプリを用いてまず有線イヤホンと当イヤホンのAAC接続/ゲームモードONで10回ずつ計測して平均値を出し差を求めたところ44.2msという結果になりました。(正確性を保証するものではありません)。公式資料の表記では「50ms以下の低遅延」とありましたので、表記通りです。
もちろん有線の方がより低遅延ではありますが、ゲームモードONであれば音ゲーやFPS等もカジュアルに遊ぶ分には問題無く楽しめるぐらいの低遅延です。
シアターモードについて
サウンドステージが広がり、自分がサウンドの中心にいるような定位になります。
音に余韻が出て、より立体感を感じやすく映画やライブ映像との相性は抜群です。
良かった点・気になった点
良かった点
・音質、ノイキャン共に価格破壊級のクオリティ
改めて言いたいのが、このイヤホン、通常価格で7,990円です。
Pro4の時点で圧倒的コスパでしたが、機能性をほぼ落とさずに追加要素や改良も施して更にお手頃な価格で展開するのは怖いぐらいのコスパです。AnkerのLiberty5も衝撃的なコスパですが、ほぼ同等のスペックでありながら価格は約1/2です。しかも、先行販売や発売直後は特別価格で展開される事が多い為、更にお得に購入できます。これは競合も真っ青なのでは…
・シアターモードを本体操作に割り当て可能

動画コンテンツ等で没入感を高めてくれるシアターモードですが、コントロールカスタマイズで長押しや3回クリックに割り当てる事が出来、アプリをいちいち開かなくてもイヤホン単体で切り替え可能。
ゲームモードを割り当て可能な機種は沢山ありますが、イヤホン操作にシアターモードやそれに類するモードを割り当てできる機種はかなり貴重です。映画・ドラマ・アニメ等をよく見る習慣のある人にとってこれは大きなポイントだと思います。
気になった点
・シアターモード適用/解除がわかりづらい
今作Pro4との差別化ポイントとして注目のシアターモードは本体操作へ割り当ても出来て優秀ですが、モード適用時、解除時に効果音やボイスガイダンスが何もありません。無音です。その為、何も音を鳴らしていない状態で本体操作で適用/解除すると変わったのか変わってないのか判断するのはほぼ不可能です。音楽や動画のサウンド変化で判断するか、結局アプリを見て確認する事になってしまいます。
せっかく本体操作に割り当て可能にしたのにここはかなり勿体ないポイントだなと思いました。
ファームウェアアップデートで何かしらの効果音を後付けできないものでしょうか。
総評

Pro4とPro4iの主な違いまとめ
項目 | EarFun Air Pro 4 | EarFun Air Pro 4i |
---|---|---|
ドライバー | 10mm複合ダイナミック | 11mmチタンコーティング複合ダイナミック |
ノイキャン強度 | 強力(同価格帯トップクラス) | 中周波減衰性能が向上し、さらに強力 |
防塵防水 | IPX5 | IP55(防塵性能追加) |
3Dオーディオ | 非搭載 | 搭載(シアターモード対応) |
コーデック | SBC / AAC / LDAC / aptX Adaptive/aptX Lossless | SBC / AAC / LDAC(aptX系非対応) |
通話ノイキャン | CVC方式 | AI方式 |
装着検出 | 搭載 | 非搭載 |
価格 | 9,990円 | 7,990円 |
EarFun Air Pro 4iは、従来の「EarFun Air Pro 4」をベースに、アクティブノイズキャンセリングの効力向上と新機能の追加、改良を図ったモデルです。
11mmチタンコーティング複合ドライバーによる解像度の高いクリアな音質は健在で、Pro4よりもややフラット寄りで自然なバランスに調整されています。ノイズキャンセリングは中周波の減衰性能が向上し、同価格帯ではトップクラスの静粛性を実現。外音取り込み機能も自然で使いやすく、7,990円という価格を考えればコストパフォーマンスは圧倒的です。
さらに、新搭載のシアターモードは映像コンテンツの没入感を高め、ゲームモードの低遅延性能も優秀。ただし、シアターモードのオン/オフに音やガイダンスがないため、切り替え状態が分かりづらい点は改善の余地があります。
こんな人におすすめ
- 高性能ノイズキャンセリングを低予算で手に入れたい人
→ AirPods ProやWF-1000XM5に迫る減衰力を1万円以下で実現。 - 動画や映画をよく見る人
→ シアターモードにより音場が広がり、立体感が増す。 - ゲームをカジュアルに楽しむ人
→ ゲームモードで低遅延化し、音ズレが気になりにくい。 - 装着検出機能を必要としない人
→ 音楽自動停止・再開が不要なユーザーならPro4iの方が低価格でお得。 - AACやLDACを使用する人
→ aptX系が不要なユーザーならPro4iの方が低価格でお得。
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