SOUNDPEATS Clip1 レビュー 待望の新作イヤーカフ型ワイヤレスイヤホンの実力は? CC/UUイヤーカフや競合との違いを比較

イヤホン
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概要

今回はSOUNDPEATSより発売のイヤーカフ型ワイヤレスイヤホン『SOUNDPEATS Clip1』(サウンドピーツ クリップワン)をレビューしていきます。

提供:SOUNDPEATS

(本機は発売前にご提供頂いた試作機の為、発売後の製品とは一部仕様や機能が異なる場合があります。予めご了承ください。)

Clip1は大ヒットした『CCイヤーカフ』『UUイヤーカフ』に続くブランド3作目となるイヤーカフイヤホンです。7月に発売予定でしたが延期となり、待望の発売となります。

CCイヤーカフやUUイヤーカフ、競合のEarFunやQCYのイヤーカフイヤホンとの特徴や機能の比較、実際に使用して良かった点・気になった点等を語っていくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。

製品の主な特徴

オーディオ関連

  • ハイレゾワイヤレス & LDAC対応: Hi-Res AUDIO WIRELESS認証とLDAC対応により、豊かな音と繊細な音楽体験を実現します。
  • Dolby Audioモード: SOUNDPEATS製品として初めてDolby Audioモードを搭載。専用アプリからONにすることで、ライブコンサートのような臨場感を味わえます。
  • 約12mm 高感度デュアルマグネットダイナミックドライバー: シングルマグネットと比べて歪みを大幅に低減し、パワフルかつ繊細なサウンドと広大なサウンドステージを実現します。

デザインと装着感

  • 革新的なフィット感、究極の快適さ: 肌に優しい液体シリコンと0.6mmの超薄型ニッケルチタン合金を採用したイヤーフックは、復元性に優れており、耳の輪郭に優しくフィットします。
  • N-Flex Arch™テクノロジー: 耐久試験20,000回を突破したニッケルチタン形状記憶合金を使用しています。
  • 流麗で美しいデザイン: 高精度NCL成形技術とレーザー彫刻により、「S」ロゴが宝石のように輝きます。イヤーフックの先端はミラー仕上げで、調和のとれた上質な質感を演出します。

機能と利便性

  • 長時間再生: 1回のフル充電で最大8時間、充電ケースを併用すると最大40時間の音楽再生が可能です。
  • 左右自動認識: 左右どちらの耳に装着しても、デバイスが自動的に左右を識別し、ステレオチャンネルを割り当てます。片耳だけの使用でも左右識別が可能です。

※公式資料参考

スペック・製品仕様

項目SOUNDPEATS Clip1 SOUNDPEATS
UUイヤーカフイヤホン 
SOUNDPEATS
CCイヤーカフイヤホン
EarFun Clip
QCY Crossky C50
ドライバー12mm デュアルマグネットダイナミックドライバー(チタンPVDコーティング)10.8mm デュアルマグネットダイナミックドライバー12mm デュアルマグネットダイナミックドライバー10.8mm カーボンファイバー複合ダイナミックドライバー10.8mmデュアルマグネットドライバー
対応コーデックSBC/AAC/LDACSBC/AACSBC/AAC/LDACSBC/AAC/LDACSBC/AAC
Bluetoothバージョン5.45.45.46.06.0
連続再生時間(単体)約8時間約8時間約6時間約10時間約7.5時間
連続再生時間(ケース込み)約40時間約30時間約24時間約40時間約35時間
充電方式USB Type-CUSB Type-CUSB Type-CUSB Type-CUSB Type-C
防塵防水性能(イヤホン本体)IPX5IPX5IPX5IP55IPX5
操作方式タッチセンサー物理ボタンタッチセンサー物理ボタンタッチセンサー
マルチポイント
空間オーディオ風機能
(疑似的な音場拡張)

(ドルビーオーディオ)

(ムービーモード)

(ムービーモード)

(シアターモード)

(項目名は空間オーディオだが厳密には異なる)
低遅延モード
左右自動切替
急速充電
ワイヤレス充電
装着検出
落下検出〇(対応予定)
マナーモード
アダプティブボリューム
重量(イヤホン片側)
※実測値
約5.4g約4.8g約6.3g約5.8g約5.5g
重量(ケース込み)
※実測値
約55.7g約46.7g約47.3g約49.4g約47.4g
価格(記事制作時点)9,980円6,180円7,580円7,990円6,580円

搭載ドライバーは12mmのデュアルマグネットダイナミックドライバーと他ブランドと比較しても大口径で、チタンPVDコーティング振動板の採用により、より明瞭感や解像感の高いサウンドが期待できます。

対応コーデックはSBC、AACの他高音質コーデックLDACにも対応。CCイヤーカフのLDAC対応リニューアルモデルが発売されたのでこの点の特別感はあまり無くなってしまいましたが、単体再生時間、ケース込みの再生時間共にCCイヤーカフより大幅に強化されており、現状同ブランドで最もロングバッテリーのイヤーカフイヤホンになります。ながら聴き使用が前提のイヤーカフ型は単体再生時間が長ければ長いだけ快適です。

IPX5防水に対応しているので雨の日や運動中の汗も気にせず使用できます。

UUイヤーカフは物理ボタン式でしたが今作はタッチセンサー式に戻りました。
ここは好みが分かれそうです。

空間オーディオ風の高い没入感が得られるモードとしてはドルビーオーディオに対応。
厳密には立体音響ではありませんが高い没入感を期待できます。

CC、UUに引き続き左右自動認識機能を採用しているので左右を気にせず充電ケースに収納できます。

そしてエントリー帯では貴重な装着検出機能を搭載。イヤホンを外すと自動で音楽を停止、着けると停止箇所から自動再生してくれます。これは競合とも差別化できるポイントでは無いでしょうか。

更に今回新たな試みとして、片側が脱落した際にもう片側のアラームで落下を知らせてくれる「落下検出」を搭載となっていますが、レビュー制作時点では実装されておらず、「対応予定」となっている機能です。実装されたら運動中の脱落による紛失等を防げそうですね。

通常価格は9,980円と同ブランド製品の中では高価な部類ですが、それでも一万円未満に収まっています。また、発売からしばらくは記念クーポン等で通常価格よりもお得に購入可能です。

内容物

  • イヤホン本体+充電ケース
  • 充電ケーブル
  • 説明書類

以上になります。

外観

充電ケースは丸みを帯びた楕円形のフォルム。
やや光沢感のあるメタリックシルバーのシェルにゴールドのロゴマークがあしらわれています。
サウンドピーツイヤホンの充電ケースは黒がベースカラーの場合が殆どなので特別感があります。

ケース前面にはインジケーターを搭載。背面には充電ポートとペアリングリセットボタンを搭載。

CCイヤーカフ、UUイヤーカフの充電ケースと比較すると一番ボリューム感があります。

蓋を開くとこんな感じ。ケース蓋は約90度で固定されるので傾けても閉じて来ません。
ブリッジ部分が上向きにせり出していて、ケース手前側に収納されているので指を入れるスペースにも余裕がありかなり取り出しやすいです。シリーズに引き続き左右自動認識機能を採用しているので左右を気にせずによりストレスフリーに収納できます。

イヤホン本体はイメージ画像だとブラックに見えましたが実物はどちらかというとグレーに近い色味です。イエローゴールドの装飾が高級感を演出しています。形状はUUイヤーカフに近いですが、ブリッジ部分はへの字に近い形状で、コントロールはタッチセンサー式です。
そしてなんと、今作はビーンズ状の操作部の他、ブリッジ部分中央と出音部側ゴールド装飾部分の片側合計3箇所によるタッチ操作に対応しています。これは完全にHUAWEIのイヤーカフイヤホンハイエンドモデルFreeClipを意識したものと思われます。
極細ニッケルチタン合金を液状シリコンで包んだブリッジ部分は柔軟性があり、幅広いサイズや形状の耳にフィットする仕様です。

これはサウンドピーツ製品を沢山レビューしてきた経験上分かるのですが、このイエローゴールドはブランドの中で上位機種や特別なモデルに採用される傾向があり、価格も同ブランドのイヤーカフ型の中では最も高価な事からイヤーカフ型上位モデル的立ち位置の製品と言えるでしょう。

イヤホン本体は実測値で片側約5.4g、ケース込みで約55.7gでした。

専用アプリについて

専用アプリは大きく分けて『ホーム』『イコライザー』『個人』の3つのタブに分かれています。

『ホーム』タブでは主な機能のスイッチやコントロールカスタマイズが可能です。

ドルビーオーディオは音楽モードとムービーモードの2種用意されているのでコンテンツや好みに合わせて最適なものを使用可能です。

コントロールカスタマイズでは自分の好みに操作項目を割り当てる事ができます。が、
シングルタップは誤操作の観点から一時的に制限されているそうです。(レビュー制作時点)
将来的に改善出来れば解禁されるそうですが、改善できなければシングルタップ無しとなるようです。
そもそも長押し項目もありませんから、シングルタップ無しの場合コントロール割り当て枠は4項目のみとなってしまい、なにかしらの基本操作を取捨選択しなければなりません。もしそうなった場合はコントロールはかなり致命的です。この件に関しては公式より案内があるそうなので気になる方は購入時に必ず確認しましょう。

また、ホームタブの右上から『その他の機能』を展開できます。
ファームウェアアップデートや排水機能、イヤホンを探す機能、音声ガイダンスの言語切り換え、通知音のボリューム調整等が可能です。

使用した感想

装着感について

人によって多少異なるとは思いますが、圧迫感も無く緩すぎない絶妙なホールド感で装着感はかなり良いです。挟み込む形式で5g程度なので重さも全く気にならず数時間着用し続けても痛くなったり疲れたりしにくいです。

操作感について

今回片側3箇所ある操作部の感度についてですが、ブリッジ中央部分が最も感度が良く、ビーンズ状の耳後ろに来る操作部はやや鈍く、出音部側のブリッジ先端部分はかなり鈍いように感じました。ブリッジ中央部分は真横な事もあってタッチしやすいですし、ここの感度が普通だった事が救いです。HUAWEI FreeClipの3分の1の価格で同様の機能を搭載したのは凄いと思いますが、他2箇所の感度を良くできればより良かったかなと思います。

それと、「タタタ」というような高速での連続タップは認識しづらく、「タッタッタッ」のようにわずかに間隔をあけてタップする必要があります。これも人によっては気になるポイントかなと思います。

音質について

AndroidにてAAC/ダイナミックEQ ONで使用した感想です。

CCイヤーカフ中高域の高い解像感としっかりとした低域のアタック感を併せ持つ弱ドンシャリ傾向。高域から低域までオープンイヤーとは思えない音圧が出るので臨場感あるサウンドを楽しめる。サウンドステージは縦がやや広め、横は普通。
UUイヤーカフ中高域は明瞭感はありながらも音の輪郭が丸く聴き疲れしにくい。低音は他2種と比べるとやや控えめな印象。
バランスが良く耳当たりの良いサウンド。サウンドステージは縦が普通、横はやや広め。
Clip1高域から低域まで音の輪郭がよりはっきりとしていて解像感が高い。中高域は解像感はありながらも音の粒子が緻密で、低域はしっかりとしたアタック感がありながらもタイトめな低音。他2種よりもより全体的に解像度が高く繊細で忠実な印象。サウンドステージは縦横共に広め。

どれが一番良いか、というと好みもあるので人により変わると思いますが、最も解像度が高く繊細で忠実なサウンドなのはClip1だと思います。個人的に最も良く感じたのはClip1でした。

音漏れについて

音楽鑑賞時のボリュームで耳型に装着して曲が聞き取れる距離を測ってみたところ大体50cm程度でした。1mぐらい離れていればほぼわかりませんが、音漏れは多少あります。ただ、過去2作よりも改善されているように感じました。

通話音質について

床置き型のうるさめなクーラーの横で録音した音声を聞いてみました。
環境音自体は綺麗にノイキャンできていますが、声にややノイキャンの加工感を感じます。
個人的にクリアとまでは感じませんでしたが、聞き取り自体は問題無いと思います。

主な機能について

マルチポイント機能について

Android2台に同時接続して試してみました。
先発デバイス再生中に後発デバイスを割り込みできないタイプで、切替レスポンスは2.5秒程でした。
安定性は特に問題無く使用する事ができました。

ゲームモードについて

AAC接続で遅延テストアプリを用いてゲームモードON時の遅延を10回テストした平均値から有線接続時10回の平均値を引いた数値は280msとゲームモードONでも結構な遅延があります。メジャーな動画サイトや動画サブスクであればアプリ側で遅延を自動同期してれるので動画視聴であればほぼ気になりませんが、ゲームにはおすすめできません。さすがにオープンイヤーイヤホンでやろうとする人は居ないと思いますが、FPSや音ゲー等の低遅延が命のゲームでは特に厳しいでしょう。

ドルビーオーディオについて

音楽モードはボーカルの定位がより頭の中心に近づき没入感を高めてくれます。
ムービーモードは音の余韻が増し、サウンドステージがかなり広がり空間に立体感が出ます。名前の通り映画との相性はとても良いですが、声にややエフェクト感があるのでその点が気になる人はいるかもしれません。

ダイナミックEQについて

本来ダイナミックEQは音量や大きさに合わせて動的に調整される所謂「動くイコライザー」のようなものを指しますがサウンドピーツのダイナミックEQは基本的に低音を一定に増強してくれるモードのように感じます。ダイナミックEQ無しだとアタック感はほぼ感じられないぐらい控えめな低音ですが、ONにすることでしっかりとしたアタック感を感じられるぐらいに増強してくれます。

良かった点・気になった点

良かった点

・装着感

耳との接触面積が少なく着けている感はほぼありませんが、勝手に傾いたりせず安定していて絶妙なホールド感です。装着感はかなり良いです。

・音質

個人的にCCイヤーカフの音質はイヤーカフ型全体の中でかなり評価していましたが、CCイヤーカフよりも解像度や緻密さ、繊細さが向上しているように感じます。イヤーカフ型の中でもかなりクオリティが高いと思います。

・バッテリー性能

CCイヤーカフは長時間作業のながら聴き用として使用していると途中で本体の充電が切れてしまう事がしばしばありましたが、Clip1は使用期間中、1回の作業途中に切れてしまう事はありませんでした。ながら聴きイヤホンでこの2時間の差はかなり大きいです。イヤーカフ型はロングバッテリーが正義ですね。

気になった点

自動電源ONのタイムラグ

個体差の可能性が高いですが、充電ケース蓋を開けてから自動で電源ONになるまで時間がかかる場合があります。それも左右で同時にONにならず、片側はすぐにONになっても、もう片側は10秒~20秒程度かかる時もありやや不安定でした。

イヤホンを探す機能について

イヤホンから音を出すだけでなく、最後に切断した場所を地図で位置表示する機能にも対応しているのですが、私の場合は実際の位置とは数百mから1km程ずれており、ピンポイントで場所を特定できる程の精度ではありません。「あぁ、この辺か」と思い出すきっかけとしては十分です。また地図上に表記される文字は日本語と中国語が入り混じっており読みづらい場所が多々あります。機能としてあるだけありがたいですが改善の余地はありそうです。

LDACと他モードの互換性について

せっかくのLDAC対応ですが、マルチポイント、ゲームモード、ドルビーオーディオ、ダイナミックEQと全て併用不可なので正直あまり恩恵が感じられません。マルチポイントやゲームモードは接続の安定性の観点からまぁわかるのですが、今作の売りの1つでもあるドルビーオーディオや、低域を強化してくれるダイナミックEQとは併用可能にして欲しかったなと個人的に思いました。

・操作項目と操作感度について

まだ確定ではありませんが、シングルタップがお蔵入りになった場合操作割り当て項目が4つだけとかなり少なく、シングルタップが解禁されたとしても6項目ですから例えば再生/停止で1枠、ボリューム上下で2枠、曲送り曲戻しで2枠を割り当てると残り1枠となってしまい、ゲームモードか音声アシスタントのどちらかは採用できません。また、タッチ感度もブリッジ中央部以外の2箇所は鈍く、出音部側ブリッジ先端部に関してはそもそも押しづらいです。ハイエンドモデルの機能をエントリー帯で実現する企業努力は素晴らしいですがそこは参考にしなくて良い部分だし、素直に物理ボタン式にしていれば操作項目も感度も問題無かったのではと思います。とりあえずシングルタップが解禁される事を願いましょう。

総評

SOUNDPEATS Clip1は、従来のCCイヤーカフやUUイヤーカフから進化したブランド上位モデル的な位置付けのイヤーカフ型ワイヤレスイヤホンです。12mmデュアルマグネットドライバーやLDAC対応による高解像度サウンドに加え、シリーズ最長のバッテリー性能、装着検出機能や左右自動認識といった利便性を兼ね備えています。また、ドルビーオーディオ搭載により、音楽や映画視聴での没入感を強化している点も大きな特徴です。音質の完成度やハイエンドモデル並みの搭載機能はコストパフォーマンスは高いと評価できます。

一方で、操作感度や操作項目の少なさ、LDACと他モードの併用不可、位置情報の精度など、細部の完成度には改善の余地が残されています。

こんな人におすすめ

  • イヤーカフ型で高音質を求める人(解像度の高い繊細なサウンドを重視する方)
  • 長時間のながら聴きを快適に楽しみたい人(最大8時間+ケース込み40時間のロングバッテリー)
  • 映画や動画をよく視聴する人(ドルビーオーディオで没入感を強化可能)
  • 装着検出や落下検出などの便利機能に魅力を感じる人

また、改めて言いますが落下検出やシングルタップなどレビュー制作時点ではまだ未完成と言える部分がいくつかあり、今後アップデートされていくと思われるので該当機能について気になる方は購入時に公式サイトや公式Xアカウント等を確認した方が良いでしょう。

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