概要
今回はQCYより新発売となる完全ワイヤレスイヤホン最新作『QCY MeloBuds N70』をレビューしていきます。
提供:QCY

ここ最近はイヤーカフ型や耳掛け式オープンイヤーイヤホンを連続して発売していたQCYですが、おそらくQCY MeloBuds Proぶりとなる久しぶりのカナル型スティックタイプです。
それも、公式サイトやアカウントでブランドの「集大成」と表記している事から、ブランドの技術を注力して作ったフラッグシップモデルと思われます。
製品の特徴・機能・実際に使用して良かった点・気になった点等を語ってくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。
製品の主な特徴
■高音質設計
・ハイレゾ認証取得、LDACコーデック対応
・MEMSスピーカー+10mmダイナミックドライバー
■強力なノイズキャンセリング機能
・アダプティブANC搭載
・最大-55dBのアクティブノイズキャンセリング
・6ベースのマイクによるAI通話ノイズキャンセリング
■長時間バッテリー&便利な充電機能
・ワイヤレス充電にも対応し、日常使用も快適
・イヤホン本体で最大10時間、ケース併用で最大50時間の再生が可能(AAC使用時)
■ その他の機能・仕様
・IPX5防水規格で運動や雨の日も安心
・Bluetooth 6.0対応で安定した接続を実現
・5サイズのイヤーピース付属で快適な装着感
・装着検知機能/マルチポイント接続/低遅延モード/Googleファストペア対応
※公式資料参考
スペック・製品仕様
項目 | QCY MeloBuds N70 | SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ |
---|---|---|
ドライバー方式 | MEMSドライバー+ 10mmダイナミックドライバー | MEMSドライバー+ 12mmダイナミックドライバー |
再生周波数帯域 | 20Hz—40KHz | 20Hz—40KHz |
対応コーデック | SBC、AAC、LDAC | SBC、AAC、LDAC |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 6.0 | Bluetooth5.3 |
最大持続時間(単体) | 10時間(ANC ON時7時間) | 6.5時間(ANC ON時5時間) |
最大持続時間(ケース込み) | 50時間 | 43時間 |
充電形式 | USB Type-C ワイヤレス充電 | USB Type-C |
内蔵マイク | 合計6基 | 合計6基 |
ANC | 対応(Adaptive ANC) 最大‐55dB | 対応(Adaptive ANC) 最大‐45dB |
通話ノイズキャンセリング | AI | ENC |
専用アプリ | 〇 | 〇 |
マルチポイント | 〇 | 〇 |
ゲームモード | 〇 | 〇 |
空間オーディオ | 〇 | ✖ |
防水性能 | IPX5 | IPX4 |
通常価格 | 9,980円 | 13880円 |
※公式資料より引用
本機はMEMSドライバー+ダイナミックドライバーのハイブリッド構成という事で、ドライバー構成からかなりこだわりを感じます。MEMSドライバーを搭載した完全ワイヤレスイヤホンは国内展開されている物で現在10機種も出ていないと思われます。恐らくその全てが1万円以上で、これまで最も安価だったと思われるSOUNDPEATS Capsule3 Pro+でさえ13880円なので、下限を大きく更新し史上初の1万円未満でのMEMSドライバー搭載モデルとなるのではないでしょうか。
再生時間は単体で最大10時間、ケース込みで50時間とCapsule3 Pro+を大きく上回るロングバッテリーです。
そしてワイヤレス充電にも対応しています。これも需要の高い機能ですから、人によっては大きな差別化ポイントになるのではないでしょうか。
公式が表記するノイキャン最大効力は最大‐55dBとCapsule3 Pro+を大きく上回り、1万円未満で現最強格の面々と並ぶ効力が期待されます。実際の効力については後ほど触れていきます。
そして動画コンテンツの需要と共にマスト機能になってきている空間オーディオにも対応。
IPX5防水なので雨や汗程度であれば濡れても気にせず使用できます。
正直ダイナミックドライバー単発だったとしてもトップクラスのコストパフォーマンスと言えるスペックですが、更にMEMSドライバーを搭載しているのですからスペックの時点で異常なコスパであることがわかります。
内容物

- イヤホン本体+充電ケース
- 充電ケーブル
- イヤーピース5サイズ(1組装着済み)
- 説明書
以上になります。
QCYといえば日本語で丁寧に書かれた説明書が印象的でしたが、本製品はグローバル展開を進めている段階らしく封入されている紙媒体の説明書は英語表記の簡易的なもののみです。今後公式サイトやECサイトの販売ページに各言語版の説明書PDFをアップロードするそうなので、必要な人は販売ページから日本語版説明書をダウンロードもしくは閲覧する形になりそうです。
外観

充電ケースはよくあるコロッとした丸みのあるフォルム。
マットメタリックの外装と鏡面仕上げの金属製パーツで高級感のある仕上がりです。
最近QCY製品のデザイン性がどんどん上がっていますが、今作はQCYがフラッグシップモデルと謳っているだけあってデザインからかなり気合が入っているように感じます。
指紋も目立ちにくい点も良いですね。
ケース前面にはインジケーター搭載。


底面には充電ポートとペアリングリセットボタン。
ケース背面にはブランドロゴがあしらってあります。

蓋を開くとこんな感じ。
蓋は開いた状態で保持される為傾けても閉じません。
イヤホン本体は大きくせり出していますがかなりコンパクトに収まっているので指を入れられるスペースが限られており、中央部のイヤホンとイヤホンの間に人差し指を挿し込んで親指と人差し指で摘まむような形で取り出さないとやや取り出しづらいかもしれません。

イヤホン本体は定番のスティックタイプ。
ケース同様マットメタリックのシェルと鏡面仕上げの操作部で洗練された高級感があります。
タッチセンサー式で、ステック部分上部辺りをタップしてコントロールします。


ノズルは短め楕円型。それに伴い付属のイヤーピースも楕円型です。


イヤホン本体は片側約5.3g、ケース込みで49gと重厚感のある見た目ですが軽量設計です。
専用アプリについて



専用アプリは『ステータス』『サウンド』『設定』の3つのタブに分かれています。

イコライザーは1タップで気軽に音質を変えられるプリセットと、細かく調整可能なカスタムイコライザー、聴覚テストで最適化するパーソナライズイコライザの3種から選んで楽しむ事ができます。また、空間オーディオもイコライザタブから適用可能です。


ノイキャンや外音取込機能はシーンに合わせたモードに切り替えたり効力を調整する事ができます。
ノイキャンは写っている3種類の他「騒がしい」と「風切り音カット」があります。
外音取込機能は「ボーカル強調」というモードがあり、外音取込中でも楽曲のボーカルが多少聞き取りやすくなります。外出時に外音取込使うと曲が聞き取りづらくなってしまう場合が多いので何気に嬉しい機能です。



コントロールカスタマイズでは自分の好きなように操作を割り当てる事ができます。
1回~3回+長押しとフルカスタム可能なので主要な操作は全て割り当てる事ができます。
イヤホンを探す機能は本体からアラームを鳴らす他、最後に切断された場所をGoogleマップで表示してくれるので紛失したとしてもより見つけやすくなります。
その他電源OFFタイマー、フィット状態診断、装着検出のON/OFF、ビープ音量調整、自動電源OFF、ゲームモード、風切り音検出、スリープモード(タッチ操作無効)、LDAC、マルチポイントのON/OFFと盛沢山です。やはりこの価格帯でアプリ機能のこの充実ぶりはQCYの強みですね。
風切り音検出は何だろうとONOFFで色々聞き比べてみましたが違いや変化は感じ取れませんでした。どういった効果があるのかは不明です。
使用した感想
装着感について


恐らく低音の再現性や遮音性の観点から耳の中に入れるシェル部分はあえてやや大きめな造りとなっており、成人男性の私が装着して耳甲介腔全体にシェルがしっかりめにフィットする感じなので、耳の小さな方だと圧迫感を感じたり、合わない方がいらっしゃるかと思います。
本体自体は軽く、安定感も抜群で快適です。
音質について
AndroidにてLDAC接続で使用した感想です。
輪郭が鋭くシャキッとキレのある中高音域と、量感多めの低音でV字型ドンシャリ傾向といった印象です。中高域は刺さるか刺さらないかぐらいのギリギリを攻めています。低音は弾むような立体感がありドラムやベースしっかりめに粒立って聞こえます。サウンドステージは横がやや広め、縦は普通、ボーカルやや近めといった印象。ノリの良い楽曲を気持ちよく聴けるチューニングに仕上がっていると思います。
通話音質について
1m程隣で床置き型のクーラーを稼働させた状態で録音してみました。
録音音声を聞いたところ、通常であれば聞こえるはずの稼働音が綺麗にノイキャンされており、声をはっきりと聞き取る事ができました。ノイキャンが機能しているので声はやや加工感のある音質ですが、通話する分には特に支障は無いと思います。
主な機能について
ノイキャンについて
ノイキャンは価格帯でトップクラスに強力な部類で、1万円以下だと直近で登場した現時点でノイキャン効力最強と言える『EarFun Air Pro 4i』と張り合えるレベルで、多くのミドルクラスよりも強力なノイキャンです。しかもノイキャンだけで5種類も備えているので、シーンや好みによって合わせられるのも強みです。5種類の中では「アダプティブANC」が最も強力に感じました。
外音取込機能は取込レベルを最大にするとかなり鮮明に外の音が聞こえます。
聴こえ方も自然で、こちらもとても優秀だと思います。
マルチポイントについて
Android2台に同時接続して試してみました。
先発デバイス再生中に後発デバイスは割り込みできないタイプですが、停止と再生をほぼ同時に押した際の切替レスポンスは約1.5秒程とかなり優秀な部類です。
そしてなんと、LDACとの併用が可能でした。これは多くの競合と差別化できるポイントではないでしょうか。Android2台にLDACで同時接続してみましたが屋内では特に安定性に問題はありませんでした。
ゲームモードについて
遅延テストアプリを用いてまず有線イヤホンと当イヤホンのAAC接続/ゲームモードONで10回ずつ計測して平均値を出し差を求めたところ49.8msという結果になりました。(正確性を保証するものではありません)。もちろん有線の方がより低遅延ではありますが、ゲームモードONであれば音ゲーやFPS等もカジュアルに遊ぶ分には問題無く楽しめるぐらいの低遅延です。
空間オーディオについて
音楽と映画にてオンとオフを聞き比べてみました。
サウンドステージがぐっと広がり立体的になり、全体的に余韻を感じるサウンドになります。
音楽鑑賞との相性はいまいちですが、量感多めの低音も相まって映画との相性は抜群です。
全体的に余韻が増したサウンドになるのに、人が喋ってるセリフは自然かつ鮮明に聞こえるのが不思議でした。そして、こちらもなんとLDACと併用可能です。
良かった点・気になった点
良かった点
・ノイキャンが価格帯最高水準
同価格帯の中ではEarFun Air Pro 4/4i、Redmi Buds 6 Pro等が他と抜けて強力ですが、そのラインと張り合えるノイキャン効力で現状の1万円以下トップクラスといって良い強さです。QCYのワイヤレスイヤホンは総合的なコスパはトップクラスだけどノイキャン効力だけて言うともう一歩、という印象がありましたが、今作はノイキャンもトップクラスに躍り出ました。
・LDACとマルチポイント、空間オーディオが併用可能
個人的にこれはかなり大きな評価ポイントです。
LDACとマルチポイント・空間オーディオが併用できる完全ワイヤレスイヤホンは競合の中でもかなり貴重だと思います。現状殆どのLDAC対応ワイヤレスイヤホンはマルチポイントや空間オーディオと併用不可ですから、LDAC適用時にマルチポイントや空間オーディオを使いたい場合、SBCやAACに切り替える必要がある為一旦再起動してもう一度アプリと接続し直すまで待たなければいけません。再起動・再接続は1分~2分程度あれば済みますが、音楽鑑賞をしたり動画をみたり、複数のデバイスと接続したりと普段多様な使い方をする人にとってこの1、2分がとても煩わしく、LDAC対応なのに結局AACで運用している、という方もいらっしゃると思います。ⅯeloBuds N70はこの点シームレスに様々な用途へすぐに移行できる為ストレスフリーです。
・独立したボリューム調整
多くのワイヤレスイヤホンはスマホ側のボリュームと連動していますが、このイヤホンは独立したボリューム調整が可能なので、イヤホンのボリューム調整+スマホのボリューム調整で最小音量から最大音量までかなり幅広く調整する事が可能です。スマートフォンのボリューム幅は機種毎に異なる為、スマホ連動だと機種によっては「最大ボリュームが小さい/最小ボリュームが大きい」といった事が起こり得ます。独立していればそういった際に更にボリューム調整可能なので、買ったけどボリュームが合わなくて満足に使えなかった、という事が無いのは安心ですし、自分に合った細かいボリューム調整が可能なのはメリットです。
・圧倒的な機能の充実度
アプリ機能を含めた機能の種類や充実度は競合の中でも頭一つ抜けています。
かゆいところにまで手が届くハイエンドクラス級の様々な機能をエントリークラスの価格帯で使えてしまうのはQCYの特権と言っても良いでしょう。正直この価格でここまで出来てしまうと余程の革新的アイデアや性能が無い限りミドルクラスやハイエンドクラスじゃなくても良いなと思えてしまいます。
気になった点
・やや大きめな筐体設計

装着感で触れましたが耳の中に入れるシェル部分が他ブランドのスティックタイプと比較してもやや大きめです。イヤーピースは調整できてもシェル部分の大きさはどうすることもできない為、標準的だといわれているスティックタイプを装着してきつく感じたことがある人、耳が小さい自覚のある人にはおすすめしません。
総評
QCY MeloBuds N70は、1万円未満でMEMSドライバー搭載・LDAC対応・強力ANC・最大50時間再生・ワイヤレス充電対応と、価格を超えたフラッグシップ級の仕様を備えた完全ワイヤレスイヤホンです。特にLDAC+マルチポイント+空間オーディオの同時利用や豊富なアプリ機能は競合でも珍しく、コストパフォーマンスは抜群です。
こんな人におすすめ
- 高音質&多機能をできるだけ安く求めたい方
- 強力なノイズキャンセリングを重視する方
- 複数デバイスや動画視聴で快適に使いたい方
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有効期限:2025年9月5日 23:59 JSTまで
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有効期限:2025年9月5日 23:59 JSTまで