Harmonic Empire XiaoQiao 小喬 レビュー 異なるコンセプトで始動するTangzuサブブランド第一弾となる有線イヤホン 

イヤホン
スポンサーリンク
スポンサーリンク

概要

今回は出来立てホヤホヤの新ブランド『HE(Harmonic Empire)』より発売の第1作目となるIEM『XiaoQiao』をレビューしていきます。

提供:HE(Harmonic Empire)

HE(Harmonic Empire)とは

Harmonic Empireは、音質・デザイン共に定評のあるIEMブランド、「TANGZU」のサブブランドです。TANGZUでは武則天(Zetian Wu)や李世民(Shimin Li)といった唐王朝の人物に焦点を当てたモデル名を名づけ、デザインも古代中国をモチーフとした伝統的な色使いや装飾、パッケージが印象的でしたが、HEでは三国志の登場人物(今後も三国志かは知りませんが)+日本のアニメやロボットの美学を融合させたデザインがコンセプトなんだそうです。

確かにTANGZUの伝統美術を感じさせるリアルタッチな美麗イラストパッケージとはやや異なり、XiaoQiaoのパッケージにはチャイナドレスっぽい衣装を纏った現代アニメ風二次美少女がサイバーパンクな世界でサイバーパンクな武器を手にしているように見えます。チャイナーパンクとでも言っておきましょうか。

パッケージデザインからも分かるように、TANGZUとはややデザインコンセプトが異なるようです。

スペック・製品仕様

項目内容
製品名Xiao Qiao シングルダイナミック型インイヤーヘッドホン
ドライバ構成10mmグラフェンダイナミックドライバー
感度104dB(1kHz)
インピーダンス9.8Ω(1kHz、±20%)
周波数特性20Hz – 20kHz
ケーブル素材Leeds同軸構造 5N LC-OFC銀メッキケーブル
プラグ仕様3.5mm/4.4mm バランスプラグ
ケーブル長1.2m(±5%)
コネクタ仕様2ピン 0.78mm

グラフェン振動板を採用したシングルダイナミックドライバーにより、クリアで解像感のあるサウンドが期待できます。感度が高くインピーダンスも低いため、スマホ直挿しでも十分な音量が得られるのは嬉しいポイントです。

ケーブルには銀メッキを施した高純度無酸素銅を使い、同軸構造でノイズを抑制。プラグは3.5mmと4.4mmから選択可能で、3.5mmでは幅広いデバイスとの互換性を確保でき、4.4mmバランス接続ではDAPやポータブルアンプと組み合わせる事で音場の広さや分離感を存分に体感できます。2ピン0.78mm仕様でリケーブルも可能なので、将来的なカスタマイズにも対応。

内容物

  • イヤホン本体
  • イヤホンケーブル
  • イヤーピース2種計6組
  • キャリングケース
  • ステッカー
  • アクリルキーホルダー

イヤーピースは透明度・吸着力の高いタイプのものとさらっとしたタイプの2種類が各3サイズ付属。
透明な方は軸がかなり分厚くしっかりしています。

付属のケーブルはイヤホン本体と同じツートンカラーで統一感があります。
柔らかく取り回しも非常に良いです。

付属のケースはロゴブランドがデザインされている専用ケースで、きめ細かい滑らかな合皮でかなり質感が良くしっかりとした高級感のある造りです。ケース内側はスエード素材で中の物が傷付きにくい配慮された設計になっています。

外観

フェイスプレートには5軸CNC削り出しの航空グレードアルミパネルを採用。
凹凸が多い機械的デザインやフェイスプレート上のナナセグメントっぽいフォントはコンセプト要素の一つでもあるロボット感を想起させます。フェイスプレートにフィルターを採用したセミオープン設計になっており、デザインの一部として違和感無く落とし込まれている印象です。
内側シェルは精密3Ⅾプリントによる樹脂製シェルです。人間工学に基づき隆起した形状をしています。ぱっと見不透明に見えますが、光にかざすとうっすらと中が見えるぐらいの透明度です。内側シェルにもベントと見られる穴が片側に2箇所確認できます。

コネクタ接続部は筐体とフラット。
ノズル口径は最大約6mm、ノズル長は約4mmです。

100円玉とのサイズ感比較。
標準的な範疇ではあると思いますが、厚みはそこそこある印象です。

重厚感ある見た目ですが、アルミパネルと樹脂製シェルなので本体片側の重さは実測値で約4.8gと非常に軽量です。ケーブルは約21.1gです。

使用した感想

装着感について

イヤーピースを中心に内側シェルの接点+イヤーフックで支えるような装着感で、筐体の厚みはそこそこあるものの本体が非常に軽量なのでイヤーピースだけでかなり安定し脱落するような不安定さは感じません。内側シェルは人間工学に基づいた耳型に合った形状なので、人にもよりますがおそらく平均的な耳サイズの私が装着した感想としては圧迫感も無く快適です。セミオープン型で蒸れにくいですし装着感は見た目以上良いです。

音質について

DAP(SONY NW-ZX707)に付属のイヤーピースとケーブル(4.4mm)で接続し使用した感想です。

全体のバランスとしては低域から高域までがフラットに近く、シングルDDの良さが存分に出ている自然でまとまりのあるサウンドという印象です。低域はタイトでレスポンスが良く、中域は自然で生々しく、高域はクリアで正確。特に中域は自然でありながらボーカルのかすれ具合やブレス、リップノイズなど細かいディティールがかなり表現されていて生々しさが素晴らしいです。サウンドステージは縦横共に広めで、抜けが良く自然に広がるセミオープン型ならではのサウンドといった印象。定位感も良く、音が聞こえている方向がかなりはっきりと分かります。

バランスも良く重低音ガンガン、キンキンの中高域が好きという人よりは、「自然さ」「生々しさ」を重視する人におすすめしたいサウンドです。

基本的にどんなジャンル、用途でも使いやすいオールラウンダーといった印象で、軽量セミオープン設計で長時間装着しても蒸れにくく疲れにくい、バランスが良く自然で定位感の良いサウンドという特徴からながら聴きやゲーミングイヤホンとしてもかなり好相性だと思います。

総評

Harmonic Empireの第一作目となるIEM「XiaoQiao」は、グラフェンダイナミックドライバーを搭載したシングルDDモデルで、自然で生々しい中域表現とセミオープン設計による広がりのあるサウンドが特徴です。低域はタイトでレスポンスが良く、高域はクリアで正確。全体としてフラット寄りのバランスを備え、ジャンルを問わず使いやすいオールラウンダーに仕上がっています。
デザイン面ではアルミパネルと樹脂シェルを組み合わせ、軽量ながら存在感のあるルックスを実現。付属品も豊富で、ケーブルやケースの質感も高く、ブランド一作目としての気合を感じる完成度の高いパッケージといえます。

こんな人におすすめ

  • 自然で生々しいボーカル表現を重視する人
  • フラット寄りのサウンドで幅広いジャンルを楽しみたい人
  • 長時間装着しても蒸れにくい快適さを求める人
  • ながら聴きやゲーミング用途として
タイトルとURLをコピーしました