概要
本記事では、iPhone17シリーズ(iPhone 17 / iPhone Air / 17 Pro / 17 Pro Max) が対応しているBluetoothコーデックについて解説します。
Bluetoothコーデックとは
Bluetoothコーデックとは、Bluetooth通信で音声データを圧縮・解凍する方式のことです。効率的なデータ伝送を実現するために設けられた規格であり、音質や遅延に直結する重要な要素です。
Bluetoothコーデックの役割
Bluetoothは有線接続と比べると通信帯域が限られているため、音声データをそのまま送信すると音切れや劣化が発生しやすくなります。コーデックはデータを圧縮して送信し、受信側で展開することで効率的な伝送を可能にします。コーデックの種類によって音質・遅延・省電力性能が異なり、リスニング体験に影響を与えます。
代表的なBluetoothコーデック
- SBC:すべてのBluetooth機器が必ず対応する標準コーデック。安定性重視。
- AAC:主にApple製品で採用。音質と遅延のバランスが良い。
- aptX / aptX HD:Qualcomm開発。高音質・低遅延を実現。
- LDAC:ソニー開発。最大990 kbpsでハイレゾ音質に対応。
- LC3:Bluetooth LE Audioで導入された新世代コーデック。高効率・低遅延。
iPhone17シリーズはどのコーデックに対応している?
iPhoneシリーズは長らく「SBC」と「AAC」のみをサポートしてきました。
Apple公式仕様によれば、iPhone17シリーズも引き続き以下のオーディオフォーマットに対応しています。
オーディオ再生
apple.com
- AAC、APAC、MP3、Apple Lossless、FLAC、ドルビーデジタル、ドルビーデジタルプラス、ドルビーアトモスなどのフォーマットに対応
- 空間オーディオ再生
- ユーザーによる設定が可能な最大音量制限
今回もLDACやaptXといった高音質コーデックには対応していません。
ワイヤレス再生におけるBluetoothコーデックは、従来通り 「SBC」「AAC」 のみです。
なお、APAC(Apple Positional Audio Codec) は、iPhone16シリーズで初めて導入された空間オーディオ向けの独自コーデックで、iPhone17シリーズでも引き続きサポートされています。
おすすめのワイヤレスイヤホン・ヘッドホンについて
iPhone17シリーズを最大限活かすなら、AAC対応イヤホン・ヘッドホン が最適です。
また、空間オーディオやデバイス連携を活用する場合は、Apple H2チップ搭載モデル の使用が推奨されます。
H2チップとは
H2チップは、Appleが独自に開発した最新のオーディオプロセッサです。AirPods Pro 3やAirPods 4に搭載され、以下の特徴を備えています。
- 高度なアクティブノイズキャンセリング(ANC)
- パーソナライズ対応の空間オーディオ
- 向上した音質と省電力性能
- ゲームや映像視聴に適した低遅延処理
H2チップ搭載モデル
AirPods Pro 3 AirPods Pro 2 AirPods 4 Beats Powerbeats Pro 2最新のiPhoneで高音質コーデックに対応させるアイテムについて
iPhone単体ではSBC/AACのみのサポートですが、外部アクセサリを利用することで高音質コーデックを活用できます。
例:Questyle QCC Dongle/Questyle QCC Dongle Pro
- MFi認証取得のBluetoothトランスミッター
- aptX/atpXHD/aptX Adaptive/aptX Lossless/LDAC(Proのみ)といった高音質コーデックに対応
- iPhoneやiPad、USB-C対応機器、PS5・Switchなどにも利用可能
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