概要
今回はTRUEFREEより発売のワイヤレスヘッドホン『HF-10』をレビューしていきます。
提供:TRUEFREE

TRUEFREEと言えば、イヤーカフイヤホン「Clip C10」や耳掛け式オープンイヤーイヤホン「EarFit DS1」等競合のコスパブランドの中でも更にお手頃な価格帯で高機能なオープンイヤーイヤホンを中心に展開しているブランドですが、今回はおそらくブランド初となるヘッドホンという事でどんな実力を見せてくれるのか楽しみです。
製品の特徴・機能・実際に使用して良かった・気になった点等を語っていくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。
製品の主な特徴
大口径40mmドライバー搭載
PET振動板と低音強化アルゴリズム、空間音響技術により、繊細な高音から重低音まで臨場感あるサウンドを再現。映画鑑賞や音楽、ゲームに適した没入感を実現。
高性能ノイズキャンセリング
ハイブリッド式ANCとAI環境認識アルゴリズムで最大-45dBの騒音低減。周囲の環境に応じて自動的に最適化し、静かなリスニング環境を提供。
ロングバッテリー&急速充電
1000mAhバッテリーで最大125時間(ANCオフ時)、85時間(ANCオン時)の再生が可能。急速充電により10分で最大8時間使用可能。
高品質通話機能
AI通話ノイズリダクションとDNS 3.0技術により、雑音を抑えてクリアな音声を実現。風切り音対策も施され、屋外やビジネスシーンでも快適。
最新Bluetooth 6.0 & 多彩な接続
安定性と低遅延性を強化。マルチポイント接続に対応し、PC・スマホ間をシームレスに切替可能。3.5mm有線接続にも対応。
アプリ連携&携帯性
専用アプリでEQカスタマイズやイヤホン検索が可能。折りたたみ式で持ち運びやすく、収納性にも優れる。
※公式資料参考
スペック・製品仕様
項目 | 内容 |
---|---|
製品名 | HF-10(エイチエフ テン) |
タイプ | ワイヤレス・オーバーイヤー型 |
カラー | ブラック |
ドライバー | 40mm ダイナミックドライバー |
再生周波数帯域 | 20Hz – 20kHz |
対応コーデック | AAC / SBC |
Bluetooth | Ver.6.0(チップセット:JL7018F6) |
最大再生時間 | 最大125時間(AAC / 50%音量) ANC ON時:最大85時間 |
急速充電 | 10分充電で約8時間再生 |
充電端子 | USB Type-C |
充電時間 | 約2.5時間 |
重量 | 約258g |
ANCノイズキャンセリング | 最大 -45dB対応 |
通話ノイズキャンセリング(ENC) | 対応 |
マルチポイント | 対応 |
ゲームモード(低遅延モード) | 対応(70ms) |
ムービーモード | 対応 |
専用アプリ | TRUEFREE(iOS / Android) |
価格 | 5,980円 |
ドライバーは40㎜ダイナミックドライバーを搭載。
対応コーデックはSBC/AACです。
Bluetoothバージョンは最新の6.0を採用。
最大再生時間は最大125時間とかなりのロングバッテリーで、アクティブノイズキャンセリング使用でも最大85時間使用可能との事。
急速充電に対応し10分で8時間分の充電が可能との事。朝充電切れに気付いたとしても支度している間に充電しておけばその日はなんとかなりそうです。
お手頃な価格ながらアクティブノイズキャンセリング機能を搭載。更に2台のデバイスに同時接続可能なマルチポイントやゲームモード、サウンドステージを拡張し臨場感を高められるムービーモードまで搭載しています。これだけ搭載して6000円未満は凄いですね。
内容物


- ヘッドホン本体
- 充電ケーブル
- 有線接続用オーディオケーブル
- 説明書類
外観


ヘッドホンの形式は耳を完全に覆うオーバーイヤー型。



ロール軸有で約90度のロールに対応し、折り畳みにも対応しているので携帯性も十分です。

ハウジングはワントーンのマット仕上げで落ち着いた印象。
ロゴ部分と円周部分に光沢をつけてメリハリを出す事でのっぺりとせず引き締まった印象です。
ロゴデザインの主張も少なめでシンプルでかっこいいですね。
最近のTRUEFREE製品は安価ながらデザインが秀逸でかなり良いと思います。
良いデザイナーがいるのでしょうね。


イヤーパッドとヘッドバンドのクッションカバーはプロテインレザー製なので触り心地と質感がとても良いです。クッション性も十分だと思います。

右側ハウジングにボリュームボタン、電源や接続状態を表示するインジケータ、電源ボタン、AUX端子。
左側ハウジングにANCボタン、モード状態を示すインジケータ、USB-Cポートが搭載されています。
インジケータが通常状態表示用とモード表示用で2つ付いているのも親切ですね。

付属のオーディオケーブルで有線接続も可能なので低遅延で楽しみたいゲーム用途でも使用できますし、何より充電が切れても使用可能なので便利です。3.5mmで汎用性が高いのも良いですね。
専用アプリについて


専用アプリの各機能は殆ど1ページ内からアクセスできる仕様になっていて、複数のタブを切り替える必要がなく分かりやすいです。


ノイキャンモードは4種類選択可能でシーンに応じて使い分ける事ができます。
『ゲームモード』は所謂低遅延モードです。実際の使用感については後ほど記述します。
『その他の機能』からは空間を拡張し臨場感を高めてくれる「ムービーモード」やヘッドホンからアラーム音を鳴らして見つけやすくできる「ヘッドホン探索機能」を使用可能です。その他音声ガイダンスの言語選択や通知音の音量調整も可能です。



イコライザは設定済みで1タップですぐに音質傾向を変えられるプリセット、自分で細かく調整可能なカスタマイズ、聴覚テストで自分に最適化するアダプティブの3種類から選択可能です。


その他、設定からチルタイム等に使用できるホワイトノイズ機能も使用可能です。ファームウェアアップデートはやや分かりづらいですが『製品アップデート』のバージョン部分をタップすることで最新のアプデがあれば更新する事ができます。
使用した感想
装着感について
装着してみてまず感じたのが想像よりも軽いな、という感想です。
スペック表では258gとのことでしたが、自前の計量器で測ってみたら約251gと公式表記の重さより軽かったです。
側圧はやや強めでしっかりホールドしてくれてずれにくく安定感抜群です。1時間以上着用し続けて特に耳周りが痛くなったりはしませんでしたが、少し蒸れるのでたまに外して熱を逃がしたほうが良いかもしれません。密閉型なのである程度は仕方ありませんが。
音質について
AndroidにてAAC接続で使用した感想です。
力強い低音・重低音に伸びのある中高域で空気感の高いサウンドといった印象を受けました。
低域は深さとアタック感がしっかりめに出ていて、低音・重低音が効いた曲やライブ音源等空気感が出る音源との相性がとても良いと思います。
これまでもワイヤレスヘッドホンをいくつもレビューしてきましたが、意外とどれも低域があっさり気味で中高域重視のバランスのものが多く、ドライバーサイズを活かした力強い低音を持つワイヤレスヘッドホンは少ない印象でした。低音・重低音好きの人におすすめのサウンドです。もちろんこれはデフォルトサウンドでの話で、自然なバランスや中高域重視のバランスが好きな人は専用アプリのイコライザで調整することができるのである程度はどんな好みにも対応可能です。フラットなバランスや中高域重視が好きな人はイコライザプリセットの『高音強調』がいい感じのバランスになるのでおすすめです。カスタムEQもあるので細かい調整も可能です。
通話音質について
ヘッドホンマイクから録音した音声を聞いてみたところ声はクリアで自然な印象を受けました。部屋の空調音も減衰できており声が聞き取りやすいです。
主な機能について
アクティブノイズキャンセリングについて
大きな騒音そのものをがっつり減衰してくれるという訳ではありませんが、空調の音や、空間全体にうっすらと聞こえているような環境音に関しては自然に減衰してくれる印象です。強力とは言えないものの、ノイキャン特有の適用中の違和感やホワイトノイズはほぼなく質は高い印象を受けました。適用中でもアナウンスや大きな音はうっすら聞こえるので電車の中や外出時等、周りの状況をなんとなく察せてこれはこれで有りだと思いました。
また質が高く違和感も少ないので屋内でのデスクワークや勉強の際に集中する用途としては最適だと思います。
ノイキャンの各モードを試してみましたが、室内<屋外<交通機関モードの順にノイキャン効力が強くなるように感じました。その場その場で切り替えるのが面倒という人は環境に合わせてノイキャンを自動で最適化してくれる「適応型」がおすすめです。
マルチポイントについて
android2台に同時接続して試してみました。
先発デバイス再生中に後発デバイスは割り込めないタイプで切り替えレスポンスは約3秒程。
特別秀でている訳ではありませんがあるだけありがたいです。
ゲームモードについて
テスト環境:Bluetooth5.2 AAC接続
遅延テストアプリにてゲームモードをオンにした状態で10回計測した平均値から有線接続時の10回平均値を引く方法で求めたところ約105msという結果になりました。低遅延とは言えませんが、動画視聴やカジュアルなゲームプレイであればそんなに気にならないレベルだと思います。オフの状態だと約350ms程でそれなりに遅延があるので、これでも通常時よりはかなり減少はしています。ただ、このヘッドホンは最新のBluetooth6.0に対応している為、対応端末であればまた違った結果になるかもしれません。
そもそもこのヘッドホンは有線接続に対応している為、ゲームや動画を最大限に楽しみたい場合は有線接続する事で遅延なく楽しむことができます。特にゲーム用途では素直に有線接続することをおすすめします。
最新のiPhone等のイヤホンジャックがない端末には接続できない点に注意です。
ムービーモードについて
オンにするとサウンドステージが広がり、音に余韻が出て空間がより立体的に感じられるようになります。このヘッドホン、デフォルトのサウンドバランスが低域強めのチューニングなこともあり映画との相性が非常に良く、臨場感ある大迫力のサウンドを楽しめます。ムービーモードと名前が付いていますが、もちろん音楽鑑賞時に適用しても違った印象で楽しめます。
良かった点・気になった点
良かった点
・軽量さと安定感
ワイヤレスヘッドホンは30〜40g違うだけでも体感が結構変わるので、平均的な280g前後のオーバーイヤー形ワイヤレスヘッドホンと比較して軽く感じました。側圧はやや強めですが、しっかりホールドしてくれてズレにくいので移動中も安定して良いです。
・シンプルで人を選ばないデザイン
コスパブランドはブランドロゴやカラーリング等主張の強いものが多く、機能や音質が良くてもデザインがなぁ・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか。このヘッドホンは色味もワントーンで落ち着いていますしブランドロゴの主張も少ないので人やファッションを選ばず使いやすい良さがあると思います。
・最大125時間の長ロングバッテリー
動画や音楽もサブスク、ストリーミングの時代になり長時間のコンテンツや長時間使用する場面が増えた昨今やはりバッテリーは長く持てば持つ程ありがたいですし、充電する頻度が低くて済むのは私のようなズボラな性格の人にとって嬉しいポイントです。
・約6000円で機能全部入り
ノイキャン、マルチポイント、ゲームモード、ムービーモード、イコライザ機能、有線接続対応、折り畳み可能と需要の高い機能は一通り網羅しています。それに加え最大約125時間のロングバッテリーも含め、コストパフォーマンスはかなり高いと言えます。
気になった点
・ファームウェアアップデートが分かりづらい

ヘッドホン本体というよりアプリUIの問題ですが、更新データがあっても特別ポップアップ表示される訳でもなければ項目横に目印が付くわけでもなく、矢印すら表示されていないバージョン表示部分をタップしないとアップデートがあるかどうかわからないという隠しコマンドのような仕様は改善の余地ありだと思います。
・ヘッドホン探索機能の表記について

スクリーンショットは適用していない状態ですが、おそらく翻訳の関係で「呼び出し中」と表記されており機能が適用されていると誤解しやすいです。この状態で待っていても何も起こりません。呼び出し中ボタンをタップしてボタンがオレンジ色になると音が鳴り始め適用状態になります。個人的にはヘッドホンで探索機能を使う機会は無さそうなので正直気になりませんが一応気付いたので触れておきました。
細かいですがこんなところで、ヘッドホン自体に特別気になるところはありませんでした。
総評

TRUEFREE HF-10は、約6,000円未満という価格帯ながら、機能全部入り、ロングバッテリーを実現している高コストパフォーマンスのワイヤレスヘッドホンです。デザインはシンプルで落ち着きがあり、重量も軽く、装着感と安定性も良好。音質は低域をしっかり強調した力強いサウンドが特徴で、映画やライブ音源との相性が特に良い印象です。ANCは強力ではないものの違和感が少なく自然で、作業時の集中用途には適しています。アプリのUIや一部翻訳表記には改善の余地がありますが、ヘッドホン自体に大きな欠点は見当たりません。
こんな人におすすめ
- 低音や重低音をしっかり感じたい人
- 映画やライブ音源を迫力ある音で楽しみたい人
- 充電頻度を減らしたい人
- コスパ重視で多機能なヘッドホンを探している人
- デザイン性にも配慮したシンプルな製品を好む人
価格を抑えつつも機能全部入りで長時間使えるヘッドホンを求める方に最適なモデルです。