概要
今回はOladanceより発売のオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホン『OWS 2』をレビューしていきます。
提供:Oladance

Oladanceとは
Oladance(オーラダンス)は、耳を塞がずに音楽を楽しめるオープンイヤー型イヤホンを開発するオーディオブランドです。元BOSEのエンジニア達が創設し、現在ではあのTikTokを運営するバイトダンス社の傘下になるなど、新世代のデバイス開発において注目のブランドでもあります。
スペック・製品仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ドライバー | 16.5mm |
| Bluetooth バージョン | 5.3 |
| 対応コーデック | SBC/AAC |
| 稼働時間(イヤホン) | 1.5時間から2時間の充電で19時間再生可能 |
| バッテリー容量(イヤホン) | 160mAh |
| 充電端子 | Type-C |
| カラー | オレンジ、ブルー、ホワイト、シルバー |
| 材質(本体) | チタン合金メモリーワイヤー |
| 材質(耳掛け部分) | 医療グレードの液状シリコンゴム |
| 防水 | IPX4 |
| Bluetooth マルチポイント接続 | 2台まで可能 |
| APP 対応 | iOS & Android |
| 価格(レビュー制作時点) | 公式サイト:¥23,800 Amazon参考価格:¥13,880 前後 |
搭載ドライバーは16.5mmと大口径のダイナミックドライバー。
対応コーデックはSBC/AACに対応。
イヤホン単体の再生時間は驚異の19時間と超ロングバッテリーで、一度満充電すれば1回の使用で使い切る事はまず無いでしょう。一点だけ注意して欲しいのは、当製品の充電ケースはバッテリー非搭載となっており充電ケーブルを接続した状態でないと充電できません。Amazonや公式サイトでは『最大95時間連続再生が可能』と表記がありますが、これは別売りの充電ケースを併用した場合の合計再生時間でかなり誤解を招きやすい表記となっている為ご注意ください。
5分の充電で2時間の連続再生が可能な急速充電にも対応。
カラーは現在4色展開されていて選べるのも良いですね。
防水性能はIPX4を取得しており雨や汗程度であれば気にせずに使用できます。
2台のデバイスに同時接続可能なマルチポイントにも対応しています。
専用アプリに対応し、イコライザーやコントロールカスタマイズ等の機能を使用する事ができます。専用アプリの機能については後ほど紹介します。
価格は元々¥23,800のようですが、Amazonでは現在13,880前後とかなりお求めやすくなっています。※価格は時期により変動する場合があります。
内容物

- イヤホン本体+充電ケース
- 充電ケーブル
- アタッチメント1組
- 説明書類
外観


充電ケースは平たい楕円形で眼鏡ケースのような形状。
マット仕上げでシンプルな落ち着いた印象のケースが良いですね。
写真ではかなり見づらいですがケース前面下部にインジケーターを搭載しています。

ケース背面に充電ポートを搭載。
こちらの充電ケース、バッテリー非搭載の為充電ケーブルを接続した状態でないと充電できない点に注意が必要です。バッテリーレス充電ケース式のワイヤレスイヤホンは最近ちょこちょこ見かけますが、

蓋を開けるとこんな感じ。イヤホン本体が横並びにスッキリと収納されています。

ケース蓋は約90度開き固定されます。ケース前面部が緩やかに窪んでいるので指をかけやすく、開けやすさにも配慮された設計です。イヤホンの操作部がケースからややせり出しており、イヤーフック部分は指を入れられるスペースが十分に設けられている為取り出しやすさも十分です。


イヤホンは操作部と耳後ろ部分の表面が光沢があり、それ以外はシリコンで覆われたデザインです。イヤーフック部分は多少の柔軟性があり多様な耳型にフィットする仕様です。
操作部は平らな面がセンサー部となっていて、タップ及びスライドする事により操作が可能です。この部分だけグラデーションになっていてオシャレですね。

シリコン製のアタッチメントが付属しており、耳後ろ部分にはめて使用することで耳への接点を増やし、装着時の安定感を向上させる事ができます。アタッチメントを装着したままケースへ収納する事も可能です。
重さは実測値でイヤホン本体が約12.9g、ケース込みで約85.4gでした。
軽量化が進んできた最近の耳掛け式と比較するとやや重めですが許容範囲内かなといった印象。
イヤホン単体でかなりのロングバッテリーを実現しているので、その影響もあるのかなと思います。
専用アプリについて

専用アプリホーム画面ではバッテリー残量表示の他、コントロールカスタマイズ、聴力保護設定、イコライザー設定、設定項目が設けられています。


コントロールカスタマイズでは各操作項目に好きな操作を割り当てる事ができます。
音楽再生時の他通話時のコントロースカスタムも可能です。スライド操作には曲送り/曲戻しかボリューム増減を割り当てられ、タップ操作以上に直感的な操作が可能です。
右上のトグルスイッチをOFFにする事で全てのコントロールを無効化する事もできます。



『聴力保護』ではスイッチをONにすることでリアルタイムでモニタリングし、聴力に影響のある可能性がある場合は自動調整してくれるのだそう。私の場合は試しにボリュームをかなり上げても自動調整が入らなかったので詳細は不明ですが、おそらく過度なボリュームが検知されると自動調整され、保護介入の部分でカウントされる仕組みだと思われます。
イコライザー機能はデフォルトを含む設定済みのプリセット3種類と、自分で細かく調整可能なカスタムイコライザーで音質傾向を変える事ができます。左右の音量バランスを調整する事も可能です。


個人的に珍しいなと思ったのはシングルイヤホンペアリング機能で、要するにイヤホンが左右2つバラバラに登録されている場合に1つのデバイスとして同期できる機能です。ピンと来ない方もいらっしゃるかと思いますが、ワイヤレスイヤホンには意図せず左右が分割されて認識されてしまう場合があります。最近のワイヤレスイヤホンの多くは左右で独立した信号が送られていて、それを左右で同期する事で1つのデバイスとして認識される仕組みです。この仕様により片耳使用が出来たりする訳ですが、反面この同期が上手く動作しないと左右別々で検出されてしまい、片側しか使えない・左右でペアリングできない、といった事象が発生してしまう事があります。初期化すれば治る場合もありますが、初期化してもなかなか治らないケースもしばしば。そんな時にこの意図的にペアリングできる機能があれば左右のペアリングトラブルを一瞬で解決する事が可能です。
その他、取扱説明書では各操作説明がイラスト付きで分かりやすく簡潔にまとめられています。



イヤホンの機能以外ではアプリ内にコミュニティ機能があり、お互いのidを交換して友達登録する事でアプリ内でチャットする事もできるようです。
使用した感想
装着感について


耳を塞がない形式なので耳への接触面積も少ないですしとても開放感があります。
耳の中に入れるカナル型やセミインナーイヤー型だとどうしても耳甲介や外耳道の形状やサイズによって合う合わないがはっきりと分かれてしまいますが、そういったリスクが少ないのも試聴できる機会が少ないワイヤレスイヤホンではメリットと言えます。
耳後ろのバッテリー収納部はバランサーの役割も果たしている為、安定感もあり重さが分散されているので実際の重さよりも体感軽く感じて全然気にならないレベルです。

付属のシリコンパーツをはめて装着することで、突起部分がより強力な接点となり安定感が更に増します。当方眼鏡をかけているので基本的には耳掛け式との相性が悪く、不安定な装着感になりがちですがこの突起のおかげて眼鏡と併用した状態で多少動いても脱落せず安定しています。
音質について

AndroidにてAACで音楽を聴いた感想です。
とにかく音質にはびっくりしました。
耳元で据置スピーカーを鳴らしているようなとても広がりがあり臨場感のあるサウンドで、まさしく某ズを彷彿とさせるパワフルで深みのある低音と、自然で心地良い広がりのある中高域といった印象です。
「バーチャル・ベース・アルゴリズム」が空気振動によって失われる低音周波数帯域を
補完し、「ダイナミック EQ アルゴリズム」が装着シーンによって失われる周波数帯域を自動
的に補ってくれるのだそう。
ながら聴き需要が高く音質はそこまで気にしないという方も多いオープンイヤーイヤホンですが、音楽鑑賞用としても十分楽しめるクオリティだなと私は思います。
通話音質はイヤホンから録音した音声を聞いてみました。
所謂通話音声らしい音圧の強さや音割れ感は無くかなり自然でクリアな音声で聞きやすいなという印象を受けました。
主な機能について
マルチポイントについて
Android2台に同時接続して試してみました。先発デバイス再生中に後発デバイスを割り込めるタイプでしたが、例えばA機からB機は割り込めるがB機からA機へは割り込めないといった場合が存在した為機種や環境により挙動は異なる可能性があります。切替レスポンスは約1秒程とタイムラグも少なく優秀です。
良かった点・気になった点
良かった点
・音が良い
耳掛け式含むオープンイヤー型は結構な数を使用してきていますが中でも臨場感や音の広がり、厚みは抜群に良く臨場感のあるサウンドがとても良いと思いました。耳を塞がないのでくどすぎず、迫力あるサウンドを長時間楽しめます。
・超ロングバッテリー
イヤホン単体での再生時間は耳掛け式完全ワイヤレスだと大体5時間~8時間程度が平均的で、最大19時間は完全ワイヤレスイヤホン全体で見てもかなり長いです。充電ケースはバッテリーレスですが、単体でこれだけの連続再生が可能ならイヤホンのみを持ち運んで一日中外出する運用も可能ですし、満充電しておけば連続で長時間使用したとしても途中で充電切れになる心配がありません。
・直感的なスライド操作対応
多くのイヤホンはタップ操作かボタン押下操作のみですが、使用していてどれがどの操作だったっけ、と分からなくなった経験はありませんか?スライド操作は操作モーション自体がタップとは大きく異なる為違いを認識しやすく、日頃から音楽アプリや動画サイトで曲送り/曲戻し、スライド式ボリュームバーといったシステムで送る、戻すといったスライド動作が感覚的に刷り込まれている事もあり直感的に迷わず操作する事ができます。
・マルチポイント接続が簡単シームレス
多くの完全ワイヤレスイヤホンは1台目の接続を切ってから充電ケースにイヤホン本体を戻してペアリングリセットボタンを押してペアリングモードに移行し2台目と接続する、といった流れが一般的ですが、このイヤホンは装着したまま左右の操作部を同時に1.5秒長押しするだけでペアリングモードに移行でき、1台目の接続を切ることなく2台目を接続する事ができます。このシームレスさは日頃から多数のデバイスを扱う私にとってかなり快適に感じました。
気になった点
・音漏れはそれなりにする
音漏れを最大限抑える独自設計との事ですが、耳掛け式オープンイヤー型の中でも結構大きい方かなと感じました。その分音はとても良いのですが。静かで人と密接する環境には向かないかなと思います。
・マルチポイントとSNSの相性について
マルチポイント接続時に片方のスマホで音楽を流しながらもう片方のスマホでX(旧Twitter)を眺めていると、度々音楽が数秒間途切れる事がありました。原因は何だろうと色々試していて気付いたのですが、どうやらスクロールすると流れてくるタイプの自動動画広告に反応しているようです。
動画広告の音声がミュート設定になっていても画面上に動画広告が通りすぎると毎回音楽が止まってしまい、頻度的にも並行は不可能でした。音楽再生中の端末でSNSを使用する分には問題無く、音楽再生していない方の端末で自動動画広告が表示されるとおそらく切り替わろうと毎回反応する為に一時的に途切れてしまうものと思われます。他のSNSやデバイスではどうなのかは不明ですが、一応私の環境ではこのような事象が発生しました。
・低遅延モードは無い
このイヤホンにはゲームモードといった低遅延モードがありません。AAC接続時の遅延は遅延テストアプリを用いた簡易テストで約350msと結構な遅延があり、ゲームに使用するのはかなり厳しいでしょう。大手動画サイトや動画サブスクは遅延を自動同期してくれるものが多い為動画鑑賞に関してはそんなに気にしなくても大丈夫かと思います。
・専用アプリのUIがやや分かりづらい
これは人にもよると思いますが、専用アプリのホーム画面スクショを見て頂ければ分かる通り各モードボタンはアイコンイラストのみで文字が表記されておらず、画面最下部のタブ切替部分もアイコンのみでどれがどの機能なのかぱっと見では分かりづらいかなと個人的には感じました。


総評

Oladance OWS 2は、耳を塞がずに高音質を楽しめるオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホンとして非常に完成度の高い製品です。
16.5mmの大口径ドライバーによる臨場感のあるサウンドと、最大19時間という圧倒的なバッテリー持ちが最大の魅力です。耳をふさがない構造により長時間の使用でも疲れにくく、付属のシリコンアタッチメントを使うことで眼鏡ユーザーでも安定した装着感を得られます。
操作面ではスライド操作対応により直感的なコントロールが可能で、マルチポイント接続や専用アプリによるイコライザー調整・聴力保護機能など、機能面も充実しています。一方で、音漏れがやや大きい点や低遅延モードが非搭載なため、静かな環境やゲーム用途には不向きです。
価格は定価だと1万円未満で高性能なコスパモデルがひしめき合う現在ではコスパが良いとは言えませんが、Amazonでは約13,880円と手頃で、更に現在期間限定で4000円OFFクーポンが付与されており1万円未満で購入可能です。1万円未満でこの音質と使い勝手ならかなりアリだと思います。
こんな人におすすめ
オープンイヤー型で音質にも妥協したくない人
┗ 開放的な装着感と広がりのあるサウンドを両立。
長時間の作業・散歩・通勤中に快適に使いたい人
┗ 19時間再生で充電切れの心配が少なく、耳への負担も少ない。
複数デバイスをシームレスに使いたい人
┗ マルチポイント対応でスマホ・PC間の切り替えがスムーズ。
カナル型が苦手な人・眼鏡ユーザー
┗ 耳掛け式+柔軟なシリコン素材で安定したフィット感を実現。
総じて「ながら聴き」でも音質重視なユーザーに最適な1台です。音楽を自然に楽しみつつ、周囲の音も聞き逃したくない人には特におすすめできます。

