概要
今回はOladanceより発売のオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホン『OWS Pro』をレビューしていきます。
提供:Oladance

Oladanceとは
Oladance(オーラダンス)は、耳を塞がずに音楽を楽しめるオープンイヤー型イヤホンを開発するオーディオブランドです。元BOSEのエンジニア達が創設し、現在ではあのTikTokを運営するバイトダンス社の傘下になるなど、新世代のデバイス開発において注目のブランドでもあります。
そんなオーラダンスが展開するオープンイヤーイヤホンのフラッグシップモデル製品という事で、どんな性能・機能・実力なのか楽しみです。
製品の機能や実際に使用して良かった点・気になった点等を語っていくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。
スペック・製品仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | オープンイヤー型ワイヤレスイヤホン |
| カラーバリエーション | ブラック/ホワイト/グリーン/ピンク/シルバー |
| ドライバー | 23×10mmダイナミックドライバー |
| Bluetooth | バージョン 5.3 |
| 対応コーデック | SBC/AAC |
| バッテリー持続時間 | イヤホン本体のみ:最大16時間 充電ケース併用:最大58時間 |
| 防水性能 | IPX4 |
| 充電時間 | イヤホン:約2時間 ケース:約3時間 |
| 急速充電 | 5分の充電で約2時間再生可能 |
| 充電端子 | USB Type-C |
| 接続機能 | マルチポイント接続(2台同時に接続可能) |
| APP 対応 | iOS & Android |
| 価格(レビュー制作時点)※税込 | 公式サイト:¥34,800 Amazon参考価格:¥23,800 |
カラーバリエーションは現在5色展開となっています。ホワイト/グリーン/ピンクはセラミックスキンコーティングが施され、ブラックはマット仕上げ、シルバーはメッキ仕上げとカラーにより質感も異なります。
搭載ドライバーは23×10mmと、円形ではなく楕円形の大型ドライバーが搭載されています。
更に片耳ごとにメインチップとアンプチップを搭載したデュアルチップ構成で音響処理とアンプ駆動を分離して行う事により音質的なメリットが期待できます。
コーデックはSBC/AACに対応。
イヤホン単体で最大16時間、充電ケース併用で最大58時間とながら聴きには嬉しいかなりのロングバッテリー仕様です。
防水性能はIPX4認証を取得しており雨や汗程度は気にせず使用可能です。
5分の充電で2時間再生が可能な急速充電に対応。
その他、2台のデバイスに同時接続可能なマルチポイント機能や専用アプリ機能に対応しています。専用アプリについては後ほどご紹介します。
発売当初は3万円を超えていましたが、現在ではAmazonで2万円台前半とお求めやすくなっています。※価格は時期により変動する場合があります。
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内容物

- イヤホン+充電ケース
- 充電ケーブル
- 説明書類
以上になります。
外観

充電ケースは平たいスクエア型。ブラックはマット仕上げで落ち着いた印象ですがカラーリングによって充電ケースとイヤホン本体の質感は異なります。


ケース前面には充電残量等を表示するインジケーター搭載。
ケース背面には充電ポートを搭載。
同ブランドから発売されているエントリー~ミドルモデルのOWS2はバッテリーレスの充電ケースでしたが(別売りでバッテリー搭載充電ケース有)、本機は初めからバッテリー搭載ケースなので充電ケーブルで接続していない間も収納時に充電可能で一度の充電でより長く使用する事ができます。

ケース蓋を開くとこんな感じ。蓋は約90度開くと固定されます。
本体は傾斜をつけて収納されるデザインなので本体がせり出していて取り出しやすいです。
写真では伝わりづらいですがケース外装前面は緩やかに窪んでいて指をかけやすくなっており、蓋の開閉のしさすさにも配慮されています。

イヤホン本体はスリムでスタイリッシュな耳掛け式デザイン。
シリコン素材で覆われた部分以外の外装部はカラーリングにより質感が異なります。
ブラックはマットメタリックな質感で高級感があります。
イヤーフック部分は硬めではありますが僅かに柔軟性があります。


本機の操作は物理ボタンと感圧センサーのハイブリッド式で、基本はカチッというクリック式で確実な操作を、ボリューム調整や曲送り等はボタン部分をスライドさせる事で直感的な操作が可能です。


イヤホン本体片側は実測値で約13.3g、ケース込みで約100.4gでした。

100円玉とのサイズ感比較
専用アプリについて

専用アプリホーム画面ではバッテリー残量表示の他、コントロールカスタマイズ、集中モード、イコライザー設定、設定項目が設けられています。
集中モードはアクティブノイズキャンセリングに近い機能で細かな環境音を減衰させ集中力を高めてくれる、という機能のようです。


コントロールカスタマイズでは各操作項目に好きな操作を割り当てる事ができます。
音楽再生時の他通話時のコントロースカスタムも可能です。スライド操作には曲送り/曲戻しかボリューム増減を割り当てられ、タップ操作以上に直感的な操作が可能です。
右上のトグルスイッチをOFFにする事で全てのコントロールを無効化する事もできます。



『聴力保護』ではスイッチをONにすることでリアルタイムでモニタリングし、聴力に影響のある可能性がある場合は自動調整してくれるのだそう。私の場合は試しにボリュームをかなり上げても自動調整が入らなかったので詳細は不明ですが、おそらく過度なボリュームが検知されると自動調整され、保護介入の部分でカウントされる仕組みだと思われます。
イコライザー機能はデフォルトを含む設定済みのプリセット3種類と、自分で細かく調整可能なカスタムイコライザーで音質傾向を変える事ができます。左右の音量バランスを調整する事も可能です。


シングルペアリング機能では左右別々に認識されている状態のイヤホンを1つのデバイスとして同期する事ができます。不具合で片側ずつしか認識されない場合や片耳使用後に元の左右同期状態に戻せる便利機能です。
取扱説明書ではイラスト付きで分かりやすい基本操作解説が閲覧できます。



イヤホンの機能以外ではアプリ内にコミュニティ機能があり、お互いのidを交換して友達登録する事でアプリ内でチャットする事もできるようです。
使用した感想
装着感について


操作部、イヤーフック、バッテリー収納部の3点で挟み込むような形式なので安定感は抜群で、重さも分散しているので全く気になりません。私は眼鏡ユーザーなので基本的に耳掛け式との相性は良くないのですが、本機はイヤーフック部分が細く薄くなっているので眼鏡と併用時も高い安定感が得られ、頭を傾けたり軽い運動をしても脱落しませんでした。個人的に装着感はかなり良いと思いました。
音質について
AndroidにてAAC接続で使用した感想です。
広大で抜けの良いサウンドステージと、低域から高域まで細部まで再現する緻密さが印象的でした。カナル型のように頭の中心に響く感じでは無く、頭の内側から外側にかけて広範囲に広がるサウンドは耳当たりが良く心地良いです。構造上低域が苦手なオープンイヤー型ですが低音は細かい輪郭が見える高い解像度としっかりとしたアタック感があり、あっさりしすぎないメリハリのあるサウンドに仕上がっています。
楽しいのに聞き疲れしない絶妙なチューニングで、何かをしながら音楽を聴く、所謂『ながら聴き』にかなり適したサウンドだと思います。おかげで4~5時間通しで行った編集作業も集中できてかなり捗りました。ランニングやワークアウト等運動用途以外にもデスクワークや家事等長時間作業のお供におすすめです。
主な機能について
・マルチポイント機能について
Android2台に同時接続して試してみました。
先発デバイス再生中に後発デバイスを割り込めるタイプで、切替レスポンスも1秒かからない程度と優秀です。

使用して良かった点・気になった点
良かった点
・『ながら聴き』にベストマッチする音質
音質についてでも触れましたが、メリハリのある楽しいサウンドなのに緻密で抜けが良いのでオープンイヤー型の中でもとりわけ聞き疲れしにくく、作業の邪魔になりません。
オープンイヤー型であるメリットを最大限に発揮しつつ音質もおざなりにしていない素晴らしい完成度だと思います。
・超ロングバッテリー
イヤホン単体での再生時間は耳掛け式完全ワイヤレスだと大体5時間~8時間程度が平均的で、最大16時間は完全ワイヤレスイヤホン全体で見てもかなり長いです。充電ケースと合わせて満充電しておけばしばらくの間充電切れを気にすることなく快適に使用する事ができます。
・確実な物理ボタンと直感的なスライド操作

タッチセンサー式だと軽い操作感でコントロールできる反面取出し収納時や運動時に意図せず触れてしまい誤操作が起こる可能性がありますが、本機は基本クリック式の物理ボタンなので誤操作はほぼ起こりません。また、ボリュームや曲送り等はスライド操作に対応していてより直感的な操作が可能です。しかも素早く連続でスライド操作してもほぼ正確に認識してくれて感度やレスポンスも良好です。
・マルチポイント接続が簡単シームレス
多くの完全ワイヤレスイヤホンは1台目の接続を切ってから充電ケースにイヤホン本体を戻してペアリングリセットボタンを押してペアリングモードに移行し2台目と接続する、といった流れが一般的ですが、このイヤホンは装着したまま左右の操作部を同時に1.5秒長押しするだけでペアリングモードに移行でき、1台目の接続を切ることなく2台目を接続する事ができます。5秒長押しでペアリングリセットも可能です。このシームレスさは日頃から多数のデバイスを扱う私にとってかなり快適に感じました。


・イヤホン本体だけで手動電源オフ可能

公式資料にも説明書にも記載されていませんが、イヤホン本体を観察していたら内側に不自然な電源マークを発見しました。もしや、と思い電源マークを押してみるとイヤホン本体の電源を手動で切る事ができました。手動電源OFFが可能だとイヤホン本体のみを携帯して運用しやすくなにかと便利です。最近はイヤホン単体で手動電源OFFできないモデルが増えているので差別化できるポイントだと思うのですが公式が何故アピールしていないのかは謎です。
気になった点
・音漏れはそれなりにする
音漏れを最大限抑える独自設計との事ですが、耳掛け式オープンイヤー型の中でも結構大きい方かなと感じました。その分音はとても良いのですが。静かで人と密接する環境には向かないかなと思います。
・マルチポイントと自動動画広告の相性について
以前レビューした同ブランドのOWS2でも同様の症状が確認できたのですが、2台同時接続時に音声使用中じゃない方の端末で自動動画広告に遭遇するとその度に再生中の音楽が無効になってしてしまいます。Youtubu広告のような音声が伴う動画広告で切り替わってしまうのは普通の事ですが、X(旧Twitter)等の音声を伴わない自動動画広告(ミュート状態)が画面に流れてくるだけで毎回反応して音楽再生が無効になってしまいます。同時接続中でも音楽再生中の端末で自動動画広告に遭遇する分には問題無いので切替動作が影響しているものと思われます。そこが少し煩わしいなと思いました。
・低遅延モードは無い
このイヤホンにはゲームモードといった低遅延モードがありません。AAC接続時の遅延は遅延テストアプリを用いた簡易テストで約360msと結構な遅延があり、ゲームに使用するのはかなり厳しいでしょう。大手動画サイトや動画サブスクは遅延を自動同期してくれるものが多い為動画鑑賞に関してはそんなに気にしなくても大丈夫かと思います。
・専用アプリのUIがやや分かりづらい
これは人にもよると思いますが、専用アプリのホーム画面スクショを見て頂ければ分かる通り各モードボタンはアイコンイラストのみで文字が表記されておらず、画面最下部のタブ切替部分もアイコンのみでどれがどの機能なのかぱっと見では分かりづらいかなと個人的には感じました。


総評

Oladance OWS Pro は、耳を塞がず自然な開放感で音楽を楽しめるオープンイヤー型のフラッグシップモデルです。
23×10mmの大型ドライバーとデュアルチップ構成による高い音響性能を備え、低域から高域までバランスの取れた広がりのある高解像サウンドを実現しています。ながら聴きに最適な自然な聴き心地ながら、音の輪郭や立体感もしっかり感じられ、作業中でも快適に音楽を楽しめる完成度の高いモデルといえます。
また、最大16時間の長時間再生や、物理+スライド操作のハイブリッド操作系、シームレスなマルチポイント接続など、実用性の高さも際立ちます。一方で、音漏れの多さや低遅延モードの非搭載、アプリUIの分かりにくさといった弱点も見られます。
総合的には、音質・操作性・装着感のバランスが非常に優れており、日常的な「ながら聴き」に最適化された完成度の高いオープンイヤーイヤホンです。
こんな人におすすめ
- 長時間快適に装着できるイヤホンを探している人
- デスクワークや家事など「ながら聴き」で音楽を楽しみたい人
- 音質にも妥協したくないオープンイヤー型ユーザー
- 複数デバイスを同時に扱う(スマホ+PCなど)環境で使いたい人
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