QCY MeloBuds N60 レビュー 新作完全ワイヤレスイヤホンの完成度が凄い N70や競合との違いを比較

イヤホン
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概要

今回はQCYより発売の完全ワイヤレスイヤホン最新作『QCY MeloBuds N60』をレビューしていきます。

提供:QCY

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QCY曰く以前発売された人気モデル『MeloBuds Pro』の上位モデルにあたる製品で、少々ややこしいですが先日発売されたフラッグシップモデル『N70』よりも数字は小さいですがN70の下位モデルではないとの事。つまり、N70とは姉妹モデルのような関係性といったところでしょうか。

N70や競合ブランド最新モデルと機能や音質にどんな違いがあるのか、使用してみて良かった点。気になった点等を語っていくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。

スペック・製品仕様

項目QCY MeloBuds ProQCY MeloBuds N60QCY MeloBuds N70SOUNDPEATS Air5 Pro+EarFun Air Pro 4+
ドライバー方式12mm ダイナミック11mm+6mm デュアルダイナミック10mm ダイナミック+MEMS10mm ダイナミック+MEMS10mm ダイナミック+BA
対応コーデックSBC、AAC、LDACSBC、AAC、LDACSBC、AAC、LDACSBC、AAC、LC3、LDAC、aptX、aptX Adaptive、aptX LosslessSBC、AAC、LC3、LDAC、aptX、aptX Adaptive、aptX Lossless
BluetoothバージョンBluetooth 5.3Bluetooth 6.0Bluetooth 6.0Bluetooth 5.4Bluetooth 6.0
最大持続時間(単体)8.5時間(ANC ON時7.5時間)9時間(ANC ON時6時間)10時間(ANC ON時7時間)6時間(ANC ON時記載無し)12時間(ANC ON時8時間)
最大持続時間(ケース込み)34時間45時間50時間30時間54時間
充電形式USB Type-CUSB Type-CUSB Type-C/ワイヤレス充電USB Type-CUSB Type-C/ワイヤレス充電
急速充電対応(10分で約2時間)対応(10分で約2時間)対応(10分で約2時間)対応(10分で約2時間)対応(10分で約3時間)
ANC(ノイキャン)
専用アプリ
マルチポイント(LDAC併用可)〇(LDAC併用可)〇(LDAC併用可)
ゲームモード
立体音響モード〇(疑似拡張)〇(疑似拡張)〇(疑似拡張)
装着検出
防水性能(本体)IPX5IPX5IPX5IPX5IP55
通常価格6,980円7,480円9,980円15,380円13,990円

搭載ドライバーは11m+6mmのデュアルダイナミックドライバー。スティックタイプでデュアルドライバー、しかもDD2基という珍しい構成は他にAnkerのLiberty4・Liberty4Pro等がありますがいずれも1万円以上のモデルなので1万円未満だとかなりレアです。よりバランスの良いサウンドを目指した構成なのだそう。コーデックはSBC、AACの他LDACにも対応。

単体最大9時間、ケース込みで最大45時間とロングバッテリーです。
N70と異なる点の1つとして、ワイヤレス充電には非対応となっていますが、
10分で約2時間の再生が可能な急速充電に対応している為、充電を忘れていても朝のちょっとした時間で賄う事ができます。

その他はN70と同等の機能に対応しており、価格が倍近くする競合他社の最新モデルには搭載されていない立体音響モードにも対応しているので。映画や動画等の動画コンテンツ等もより高い臨場感で楽しむ事ができます。

防水規格はIPX5となっており、雨や汗程度は気にせずに使用する事ができます。(イヤホン本体のみ)

競合他社のフラッグシップモデルと機能的には同等、部分的にはそれ以上の性能を備えながら価格は通常価格で7,480円と約2分の1程の価格を実現しており、N70共々スペックや機能からすると非常に高いコストパフォーマンスであると言えます。

内容物

  • イヤホン本体+充電ケース
  • 充電ケーブル
  • イヤーピース5サイズ各1組(1組装着済み)
  • 説明書

付属のイヤーピースはシリコン製で装着済みの物も併せて5サイズも付属しているので他ブランドだと合うサイズが無いという人も安心です。柔らかく滑らかで質感も良いです。

外観

充電ケースは丸みを帯びたフォルムで上蓋は鏡面仕上げ、下側シェルはマット仕上げで質感にメリハリのあるデザイン。
個人的には傷や汚れが目立ちにくいマット仕上げが好きですが、こちらはこちらで高級感があってかっこいいですね。下側シェル前面にインジケーター搭載。

ケース下部には充電ポートとペアリングリセットボタンが搭載されています。

左:N70 右:N60

蓋を開けるとこんな感じ。MeloBuds Proのようにイヤホン本体が完全に露出するデザインが採用され、本体を手前側に倒すだけで簡単に取り出すことが出来、取出しやすさはN70より格段にアップしています。

イヤホン本体は定番のスティックタイプ。N70ではスティック部分にブランドロゴのプリントがありましたが今作は特にプリントも無くシンプルなデザイン。スティック部分上部がセンサー部になっています。

左:N70 右:N60

同じように見えて比べてみると形状が結構異なります。ノズルは楕円形で、上下に突起が付いており専用設計のイヤーピースが外れにくいデザインになっています。

イヤホン本体片側約5.2g、ケース込み47.8gと軽量です。

専用アプリについて

・主な操作タブは3項目

『ステータス』タブではイヤホン本体と充電ケースの充電残量が確認可能。
『サウンド』タブではイコライザーやノイキャンモードの設定、オーディオバランス調整を行う事ができます。
『設定』タブではコントロールカスタマイズやその他詳細設定が可能です。

・サウンド

イコライザーはデフォルトを除く設定済みの基本的なプリセット5種と自分で細かく調整可能な『カスタムEQ』に加え、聴覚テストで自分に最適化する『パーソナライズEQ』、『空間オーディオ(疑似空間拡張)』、おそらく音質重視と思われる『マスタークオリティ』等、バラエティに富んだ充実の内容となっています。

ノイキャンモードは5種類用意されており、状況や好みに応じて使い分ける事ができます。
『室内』『通勤』『騒がしい』の3項目はそれぞれ3段階で効力を調整可能です。

外音取り込みも効力調整が可能。少し見づらいですが、外音取り込み内に『ボーカル強調』モードも搭載されています。

オーディオバランスでは左右のバランスを自由に調整可能です。
左右で聴力に差がある方や、使っているうちに片方だけ音が小さくなった、なんて場合にも対応可能。

コントロールカスタマイズでは1回~3回、長押しと好きな操作を割り当てる事が可能ですがデフォルトでは1回タップが無効になっている為必要に応じて設定しましょう。
ゲームモードも本体操作に割り当てられるのでゲーム用途で頻繁に使う人には便利です。

コントロールカスタマイズ以外にも沢山の機能が搭載されています。
『イヤホンを探す』機能ではイヤホン本体からアラーム音を鳴らすだけでなく、最後に接続が切れた場所を地図表示してくれるので紛失した際に格段に見つけやすくなります。Googleマップベースの立体的な地図で非常に見やすいです。

装着検出設定では装着検出のオンオフだけでなく、感度調節や装着検出時にノイキャンもオンにするか、等も設定可能です。

片耳/両耳で停止/再生を適用させるか等かなり細かく設定できます。

その他、『フィット検出機能』『ビープ音量調整』『接続解除後の自動電源OFF』『風切り音検出』、タッチ操作を無効化する『スリープモード』等、盛り沢山の機能が搭載されています。

マルチポイント、LDACの適用もこのタブから行います。N70に引き続きLDACとマルチポイントは併用可能なのが嬉しいポイント。

『他の設定』項目では初期化や本体情報の確認等が行えます。

それと、アプリUIに表示されている音符マークをタップする事でQCYアプリ上でも再生中の音楽コントロールが可能です。イヤホン側で細かい設定をするのにいちいち音楽アプリとイヤホンアプリを開いたり閉じたりするのは面倒なのでこれも地味ですが嬉しい機能です。

使用した感想

装着感について

耳の中に入れるシェル部分はやや大きめですが、ねじ込むというより耳道周りの形状に合わせて蓋をするようなイメージで圧迫感は特に感じませんでした。本体は軽量なので長時間装着し続けても疲れにくく、安定性も高いです。

シェルがやや大きめなN70よりも見た目のサイズ感が大きく見えたので装着感が不安でしたが、実際に装着してみるN70よりも圧迫感が少なく、窮屈な印象は受けませんでした。耳の中に接触する内側シェルの微妙な形状の違いにより改善されているのかもしれません。とはいってもスティックタイプの中ではシェルが大きめではあるので人によっては窮屈に感じる可能性はありそうです。

音質について

↓動画内でバーチャル試聴比較が可能です。

AndroidにてLDAC接続で使用した感想です。
輪郭が鋭く高域が刺さり気味だったN70に比べ全体のバランスが整い、解像感はありながらも輪郭は丸みがあり刺さらない、自然かつクリアで聴き疲れしにくいサウンドに仕上がっています。
サウンドステージは縦横共に特別広くも狭くもなく標準的で、良い意味でサウンドの全体像が捉えられ、全帯域のまとまりが感じられます。

音楽ジャンルやコンテンツ問わず何にでも合うオールラウンダーです。
他社の音質特化モデルと比較しても癖が少なく万人におすすめできるサウンドで、
おそらく『苦手』と感じる人は最も少ないのではないかなと思います。
かといってのっぺりしてるとか、薄いというマイナス要素は一つも無く、
全てが非常に高水準でまとまった素晴らしいチューニングだと思います。


『自然さ』『聴きやすさ』という観点ではN70や他ブランドの競合モデルよりも優れていると感じました。バランスが良いサウンドが好き、という人におすすめです。癖が無いのでとりあえず選んでも好みで失敗する事は無いと思います。

余談ですが前作N70はファームウェアアップデートで高域の刺さりを抑制するイコライザプリセットが追加されていました。N70の刺さりが気になると感じていた方はこちらでかなり改善されます。

主な機能について

・ノイキャン(ANC)について ↑上記動画内でバーチャル体験可能です

効力は1万円以上する競合ブランドのフラッグシップモデル~ミドルクラスに並ぶ強力さで、ハイエンドクラスにも迫る減衰力です。屋外でも音楽や動画に没入するのに十分な効力だと感じました。また、ノイキャン適用時の閉塞感や違和感がほぼ無く、ANCが苦手、という人でも使いやすいと思います。ノイキャン適用時特有のホワイトノイズも無く、屋内だとかなり静寂に近い、効力だけでなく質も高いノイキャンが好印象です。違和感の無さ、効力、質のバランスがとても良く、1万円未満でもノイキャンを重視したい、という人におすすめです。外音取り込みもかなり違和感の少ない、耳で聞く音に近い自然さで優秀だと思います。

・マルチポイントについて

Android2台に同時接続して試してみました。
先発デバイス再生中に後発デバイスを割り込めるタイプで、切替レスポンスも約1~2秒程度と優秀です。使用中特に不安定になる事も無く、問題無く使用できました。

・ゲームモードについて

遅延テストアプリを用いてオン時の遅延の10回計測平均値から有線イヤホン使用時の10回計測平均値を引く方法で簡易計測したところ約72msという結果になりました。ゲーム用途ではeスポーツ用途だと厳しいかと思いますがカジュアルに遊ぶ分には十分楽しめます。動画も特に遅延は気にならずに楽しめました。

・空間オーディオについて

本機能は空間オーディオと名前が付いていますが、厳密には『空間オーディオ』と定義されるヘッドトラッキング等を搭載した物ではなく、サウンドステージを広げ、定位感を立体的にする事で疑似的に臨場感・没入感を上げてくれる機能です。ボーカルは通常時より近くなり、サウンドステージもより広がり臨場感、立体感のあるサウンドが楽しめます。この手の機能は適用中に加工感のある音声になってしまうものが多いですが映画の台詞中も自然で、違和感無く抜群の臨場感で映画を楽しめました。動画はもちろんのこと音楽でも違ったアプローチで楽しめます。イヤホン自体のチューニングバランスの良さ、癖の少なさが吉と出ているような気がします。

気になった点

・通話音質はややこもり気味
通話ノイキャンの影響もあるかもしれませんが、同価格帯の製品複数と比較して声がややこもり気味に聞こえました。聞き取れはしますが個人的にクリアとは言い難いな~といった印象。通話用途中心で使うなら他にもっと良い選択肢がありそうです。

総評

QCY MeloBuds N60は、1万円未満とは思えない完成度を実現した完全ワイヤレスイヤホンです。
デュアルダイナミックドライバーによる癖の少ない自然でバランスの良い音質を軸に、高品質なANC、LDAC対応、マルチポイント併用可、充実したアプリ機能まで揃っており、総合力は非常に高水準です。

特に音質面では、刺激の強さがあったN70よりも聴きやすさを重視したチューニングとなっており、長時間でも疲れにくい点が印象的です。
ANCの効力と質も同価格帯ではトップクラスで、「安いから妥協している」と感じる場面はほぼありません。

一方で、通話音質はややこもり気味なため、通話メイン用途には不向きです。

こんな人におすすめ

  • 音質のクセが少なく、失敗しにくいイヤホンを探している人
  • 1万円以下で音質・ノイキャン・機能性を重視したい人
  • 音楽・動画・映画など幅広く楽しみたいオールラウンダー志向の人
  • LDAC+マルチポイントを同時に使いたいAndroidユーザー
  • 自然でバランスの良いサウンドが好みの人

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