Anker Soundcore Liberty 4 Pro レビュー Liberty 4/Liberty 4 NCと徹底比較

イヤホン
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概要

今回はAnker Soundcoreシリーズから新たに発売された完全ワイヤレスイヤホン最上位モデル『Liberty 4 Pro』をレビューしていきます。


Soundcoreシリーズの顔である爆売れワイヤレスイヤホン『Liberty 4』の正統後継モデルと言える製品かと思われます。

これまでに発売された『Liberty 4』『Liberty 4 NC』から何が違うのか、比較しながら見ていきます。

スペック・製品仕様

スペックSoundcore Liberty 4 ProSoundcore Liberty 4Soundcore Liberty 4 NC
価格¥19,990¥14,990¥12,990
ノイズキャンセリングウルトラノイズキャンセリング 3.5ノイズキャンセリング 2.0ノイズキャンセリング 3.0
対応コーデックSBC / AAC / LDACSBC / AAC / LDACSBC / AAC / LDAC
ドライバーA.C.A.A 4.0 (10.5mmダイナミック + 4.6mmダイナミック)A.C.A.A 3.0 (9.2mmダイナミック + 6mmダイナミック)11mm ダイナミック
3Dオーディオ✔️
(固定/ヘッドトラッキング)
・音楽モード
・ポッドキャストモード
・ムービーモード
・ゲームモード
✔️
(固定/ヘッドトラッキング)
・音楽モード
・ムービーモード
✔️
固定
再生可能時間10時間 / 40時間9時間 / 28時間10時間 / 50時間
短時間充電5分で4時間15分で3時間10分で4時間
充電ケースのスクリーン✔️
イヤホン本体のコントロールスワイプ + 感圧センサー感圧センサー感圧センサー
マルチポイント接続✔️✔️✔️
ヘルスモニタリング✔️
イヤーチップのサイズ6サイズ4サイズ5サイズ
通信方式Bluetooth 5.3Bluetooth 5.3Bluetooth 5.3

内容物

  • イヤホン+充電ケース
  • 充電ケーブル
  • イヤーピース6組(1組装着済み)
  • 説明書
  • 保証書

外観

左からLiberty 4 / Liberty 4 Pro / Liberty 4 NC

ケースはスクエア型。これまで同様指紋の目立ちにくいマット仕上げ。
系譜の過去2機種と比べるとケースは一周り大きい。

Liberty 4と同じくケース蓋はスライド式。Liberty 4 NCのみボタンにより開く仕様。

今作の大きな追加要素として、充電ケースにスクリーンと操作部が搭載され、充電ケースでモード切替やノイキャン強度の調整ができるようになった。

スクリーン自体がタッチパネルになっている訳ではなく、ケース前面部にある操作部をスワイプ・タップする事でコントロールする。

専用アプリから切り替えられる機能を追加可能。

イヤホン本体は定番のスティックタイプ。
サイズ感・形状は大体同じ。

イヤホン本体片側の重さ(実測値)
Liberty 45.8g
Liberty 4 Pro5.4g
Liberty 4 NC5.2g

他の2機種と異なるのはコントロール方法。
他2機種はロゴマーク部分に感圧センサーがある一般的な仕様だが、今作はスティック部分の前側面に感圧センサーが搭載されている。更に、つまむ操作、スライド操作の2種類に対応。

もう一つ大きく異なるのがノズルの形状。
前2機種が楕円形、スクエア型の独自のノズル形状だったのに対し、
今作は丸形・短めの一般的なTWS仕様。

前2機種に比べ、別売りイヤーピースとの互換性が高く様々なイヤーピースを合わせる事ができる点から、音質や装着感等カスタマイズしやすい点が嬉しい。

専用アプリについて

専用アプリ左側のタブではANCの強度調整の他、飛行機モードや風切り音低減もある。

飛行機モードは気圧に対してノイズキャンセリングを最適化してくれる。
飛行機での移動が多い人には嬉しい機能。

真ん中のタブではサウンドに関係する機能が集約されている。

3Ⅾオーディオは音楽モードとヘッドトラッキングモードの2種類から選択可能。

お好み診断はいくつか用意されているサウンドスタイルの2択から好きな方を選択していき好みのチューニングにするという物。

オーディオイコライザーでは設定済みのプリセットと自分で調整可能なカスタムイコライザーが設けられている。

20種類以上のプリセットから好きな5種をカスタマイズ可能。

右側のタブでは主にコントロールカスタマイズが可能。
スライド操作は変更不可。

着用時以外の操作を無効化する操作ロック機能もある。

詳細設定ではその他の各種機能について設定する事ができる。
説明が必要なものについて触れていく。

EASY CHATは会話時に音声ボリュームを下げ声を聞き取りやすくするというもの。

サウンド補正は音漏れによる特定の周波数の現象を補正する機能。
密閉型なので正直耳で感じ取れる変化はほぼ無いが、気になる人はONにしておくと良いだろう。

サウンドモードではLDACへの切替が可能。初回のLDACの適用はアプリからしかできないので注意。

マルチポイント設定では接続している端末を可視化して個々に管理できるので便利。

充電ケースの設定ではスクリーン上で操作する機能を追加・削除する事ができる。

専用アプリを開かなくても3Ⅾオーディオやイヤホンを探す機能を適用できるのは思っているより便利。意外なところだとカメラのリモートシャッター操作も可能。

また、ケースに表記する言語は3言語から選択可能。

イヤホンを探す機能ではイヤホン単体とケースそれぞれから音を鳴らす事ができる。

使用した感想

装着した見た目・装着感

個人差はあるだろうが窮屈さ・圧迫感は感じず軽やかな装着感。

装着した見た目にほぼ差は無いので他の2種は割愛。

音質について

AndroidにてLDAC接続で使用した感想。

音質の傾向(LDAC接続、デフォルト時)
Liberty 4ワイヤレスイヤホンの水準としては悪くないが他の2機種と比べると音の粒子が荒く高域がシャリつきやや耳に刺さる印象。サウンドステージは普通
Liberty 4 NC解像度は高く、原音に忠実でナチュラルなバランスとサウンド。ダイナミックドライバー単発の良さが出ているか。サウンドステージは普通。
Liberty 4 Pro解像度が非常に高く、高域から低域までとても見通しが良い。高域・中域は音のきめが細かく解像度は高いが刺さらない。低域は深く沈み込む上質で心地よい低音。サウンドステージは横が普通、縦が広め。

最上位モデルという事で良くなっているだろうな、とは思っていたが予想以上だった。
過去の2機種より頭一つ抜けている。

他ブランドの3万~4万クラスと聞き比べても劣っているようには感じない。現状のワイヤレスイヤホン全体の中でもかなりレベルは高いのではないだろうか。専用アプリの音質カスタマイズ方法も複数あるのでより自分好みにする事ができる。

主な機能について

アクティブノイズキャンセリングはとても強力で、
ウルトラノイズキャンセリング3.5と謳っているだけあって他2機種より明らかに強い。
(3機種最大効力時)

他2機種はノイキャン適用時のホワイトノイズがやや気になるが、
ホワイトノイズやノイキャン適用時の違和感も少なく質が高い。
ノイキャンは2万未満だったら断トツの効力と質じゃないだろうか。
SONYのWF-1000XM5と聞き比べてみたが、ノイキャン効力自体にそこまで差は無いように感じた。
(WF-1000XM5は物理遮音性に特化したイヤーピースなのでその分上回っている印象。)

マルチポイント機能はAndroid2台に同時接続して試してみた。
まず接続の時点で便利になったことがある。イヤホンを耳に装着した状態で両方のセンサー部を3秒長押しするとペアリングモードに切り替わる。過去2作は専用アプリを開いて新しいデバイスを接続する必要があったが、その手間が無くなった。

切り替えレスポンスはめちゃくちゃ早く、ほぼタイムラグ無く切替可能。
今まで試してきたワイヤレスイヤホンの中では間違いなく断トツで早い。
更に先発デバイスの音声を手動で停止せずとも後発デバイスの音声を再生すれば自動で切り替わる優秀マルチポイント。デバイスと環境にもよるだろうが接続も安定している。
アプリから個別にONOFFできるのも良い。最高。

空間オーディオは音楽モード(固定)とヘッドトラッキング2種類に加え、音楽モード、ポッドキャストモード、ムービーモード、ゲームモードとあるのでコンテンツによって使い分けられるのが嬉しい。

空間オーディオ内のゲームモードでは遅延を抑える事ができるのだが、そもそも通常時が一般的なワイヤレスイヤホンのゲームモードより低遅延で、遅延テスト動画でも肉眼では全く遅延が感じられない。
よってゲームモードにしても遅延の差はわからないのだが、ここまで低遅延なら遅延にシビアな音ゲーやFPSでも問題無く使えるのではないだろうか。

新しく搭載された充電ケースの操作部&スクリーンは、一部機能においてスマホを取り出してアプリを開く必要が無くなったのでかなり使い勝手は良くなり利便性が増したと言える。

恐らくJBⅬのワイヤレスイヤホンを意識してのスクリーン採用だろう。
これからはワイヤレスイヤホンと充電ケースだけで操作が完結する時代か。

気になった点

・LDACで空間オーディオを使用できない

他2機種はLDACと併用できるのだが今作はLDACとの併用不可。
空間オーディオにするといずれも解像度は落ちるので音質的にLDACである必要は無いと言えば無いのだが、例えば音楽をLDACで聴いていて、そのまま映像コンテンツを見るのに空間オーディオにしようとするとLDACから他のコーデックに切り替える手間が発生する。

・空間オーディオ内のモード切替がわかりづらい。

空間オーディオを選択すると固定/ヘッドトラッキングの2択が表示されるのだが、
実はこれ以外にもモードが隠されていて、音楽モードと表示されている部分をタップすると

音楽モードの他ポッドキャストモード、ムービーモード、ゲームモードという4種類のモード選択が可能。他の3種類があるという事を知っていればいじっているうちに見つけられるが、
あまり詳しく調べないで購入した人はこの隠しコマンドのようなモード切替に気付けず使い続ける人も出てくるのではないだろうか。

固定/ヘッドトラッキング項目が出てきた時点で音楽モードの横に小さく他のモードを表示する等UIの改善が必要だと思う。充電ケースのスクリーンから空間オーディオを適用した際は3種類の選択肢がしっかり表示されるので、充電ケースから適用する方がわかりやすいだろう。

総評

他の2機種と比較して、音質面でも機能面でも全体的に大幅な強化見受けられ、
Liberty4の系譜ではあるものの、ちょっと良くなりましたと言うレベルでは無く、
完全新作と言っていいレベルのグレードアップだと思う。

これがまだLiberty4ならLiberty5はどうなってしまうのだろう。

3機種の中では最も価格が高いが、それでも2万円未満で、価格差以上の費用対効果が確実にある。

上位モデルだけあって全体的なグレードアップは果たしているが全てにおいて前2機種より上位互換かと言われるとそうではなく、他の2機種にも差別化できる点はある。

初代Liberty4にはヘルスモニタリング機能が搭載されている。これはNCにも今作にも無い機能で、
心拍数やストレス値をモニタリングして効率的に運動・健康管理する事ができる。なのでランニングやワークアウト等定期的に運動する習慣が人はスマートウォッチのように健康管理もできるLiberty4の方が適していると言えます。まぁスマートウォッチがあれば必要ないのですが、心拍数モニタリングが目的であればスマートウォッチを身に着ける事無くイヤホンだけで音楽を聴きながら管理できるのは魅力的ではないだろうか。

Liberty4NCは3機種の中で最も安価で、最も合計再生時間が長く、ノイキャン効力も2番目に強いので、使用する用途やシチュエーションが限られている人にとっては最もコスパの良い選択肢となるでしょう。

よって、基本的には今作Liberty 4 Proが最も音質・機能・使い勝手が良くおすすめの選択肢ですが、
使用する用途や価格によってLiberty4やLiberty4NCの方が合っている場合も考えられます。

自分がワイヤレスイヤホンに求める性能や、使用するシチュエーションによって選ぶと良いでしょう。

レビュー動画

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