概要
今回はサウンドピーツより発売のワイヤレスヘッドホン『SOUNDPEATS SpacePro』をレビューしていきます。
提供:SOUNDPEATS
以前同ブランドから発売された『SOUNDPEATS Space』の上位モデルにあたる製品かと思われます。
競合他社の同価格帯ワイヤレスヘッドホンと比較しながら製品の特徴・機能・使用した感想について語っていくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。

発売日:2025年7月7日 発売価格:8,980円 (税込)
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SOUNDPEATSとは
SOUNDPEATS(サウンドピーツ)は、2010年に中国・深センで設立されたイヤホン専門ブランドです。高音質・高機能・低価格を特徴とし、LDACやANC対応モデルも展開。世界30か国以上で販売され、日本でもコスパの良いワイヤレスイヤホンブランドとして人気です。
製品の主な特徴
圧倒的な音場と表現力を実現するデュアルドライバー構成
Space Proは、SOUNDPEATS初の「同軸デュアルダイナミックドライバー」を採用。
- 40mmドライバーが中低音域、10mmドライバーが高音域をそれぞれ担当し、分離感のあるクリアなサウンドを実現。
- 振動板には、高強度かつ高音質特性をもつPEEK(40mm)とPET(10mm)を使用し、歪みの少ないナチュラルな音質を追求しています。
- 音の細部までしっかり表現し、臨場感のあるリスニング体験を提供します。
有線/無線どちらでもハイレゾ対応、LDACで高音質
- Bluetooth接続時でも、ハイレゾ相当の情報量を持つLDACコーデックに対応。最大約3倍(SBC比)の音楽データを伝送できます。
- 有線接続時(3.5mmジャック)でもハイレゾ音源の再生が可能。
- ストリーミングでもファイル再生でも、原音に近い高解像度のサウンドを楽しめます。
- 日本オーディオ協会のハイレゾ・ハイレゾワイヤレス認証を取得済み。
最大-47dBの強力ANC + 外音取り込みモード
- 最大-47dBのアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載。航空機のエンジン音や街中の雑音も大幅にカットし、静寂の中で音楽に没頭できます。
- トランスペアレントモードでは周囲の音を自然に取り込み、安全性と快適さを両立。
- シーンに応じて使い分けが可能で、通勤・通学からカフェ、旅行まで幅広く活躍します。
最大151時間再生 & 急速充電対応
- フル充電で最大151時間連続再生(ANCオフ・AAC接続・音量60%の場合)。
- 通勤や通学はもちろん、出張や旅行でも安心のスタミナ性能。
- 忙しいときも安心、5分の充電で最大4時間再生できる急速充電にも対応。
まるで「雲に包まれる」快適な装着感
- プロテインレザー+メモリーフォームのイヤーパッドにより、長時間でも耳が痛くなりにくく、快適に装着可能。
- ヘッドバンドは圧力を均等に分散する構造で、頭頂部への負担も軽減。
- 折りたたみ可能な設計でコンパクトに収納でき、持ち運びにも便利です。
マルチポイント & 有線接続対応で使い勝手◎
- マルチポイント対応により、スマートフォンとPCなど、2台のデバイスに同時接続が可能。
→ たとえば、PCで音楽再生中にスマホへ着信が来ても自動で切り替え。 - 3.5mmオーディオ端子搭載で、ワイヤレス/有線の両方に対応。バッテリー切れでも安心です。
スペック・製品仕様
項目 | SOUNDPEATS Space Pro | EarFun Tune Pro | QCY H3 Pro |
---|---|---|---|
発売価格(税込) | 8,980円 | 8,990円 | 7,990円 |
カラー | ブラック / ベージュ | ブラック / ホワイト | ブラック / ホワイト |
タイプ | ワイヤレス(オーバーイヤー型) | ワイヤレス(オーバーイヤー型) | ワイヤレス(オーバーイヤー型) |
操作方法 | 物理ボタン | 物理ボタン | 物理ボタン |
ドライバー | 40mm(PEEK)+ 10mm(PET)同軸デュアル DD | 40mm(PET複合膜)+10mm(LCP)同軸デュアル DD | 40mmDD |
対応コーデック | SBC /AAC / LDAC | SBC / AAC | SBC / AAC / LDAC |
Bluetoothバージョン | 5.4 | 5.4 | 5.4 |
連続再生時間(ANCオフ) | 約151時間 | 約120時間 | 約55時間 |
連続再生時間(ANCオン) | 約58時間 | 約80時間 | 約40時間 |
急速充電 | 対応(5分充電=最大4時間) | 対応(10分充電=最大15時間) | 対応(10分充電=最大5時間) |
充電時間 | 約2.5時間 | 約2時間 | 約2時間 |
充電端子 | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C |
ANC(公式表記) | 対応(最大 -47dB) AUX、USB接続時対応 | 対応(最大 -45dB) AUX、USB接続時対応 | 対応(最大 -50dB) AUX、USB接続時対応 |
通話用ノイキャン(ENC) | 対応 | 対応 | 対応 |
マルチポイント | 対応 | 対応 | 対応 |
ゲームモード | 対応 | 対応 | 対応 |
空間オーディオ | 対応(ムービーモード) | 対応(シアターモード) | 対応 |
アプリ対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
重量(公式表記) | 約282g | 約268g | 約231g |
ハイレゾ認証 | 有線・無線対応 | 有線対応 | 有線・無線対応 |
付属品 | 充電ケーブル、AUXケーブル、取説、収納袋 | 充電ケーブル、AUXケーブル、取説 | 充電ケーブル、AUXケーブル、取説 |
内容物



- ヘッドホン本体×1
- Type-C充電ケーブル×1 (C to C)
- AUXオーディオケーブル×1 (3.5mm to 3.5mm)
- 日本語取扱説明書×1
- アプリガイドカード×1
- 収納袋×1
収納袋が付属しているので携帯や保管しやすい点が良いですね。
外観について


ヘッドホンの形式は耳を完全に覆うオーバーイヤー型。
筐体やヘッドバンドはマットブラックで落ち着きがあり、イヤーパッドやヘッドバンドのクッション部分はグレーのツートンカラーです。(ホワイトはカラーリングが異なります。)


ハウジングのプレートやヘッドバンド上部はレザー調の質感で上位モデルらしい高級感のある仕上がりになっています。特徴的なブランドロゴマークも同系色で縁取りするのみで悪目立ちせず、デザインへの配慮が伺えます。

ヘッドバンド左側面にのみ控えめにブランドロゴがあしらってあります。


左側ハウジングにはモード切替ボタン、USB-Cポート
右側ハウジングにはボリュームボタン、電源ボタン、AUX端子(3.5mm)が搭載されています。
因みに、AUXでの有線接続の他USBオーディオにも対応しているので手持ちのスマホにイヤホンジャックが無くてもUSB接続で有線接続する事が可能です。また、AUX及びUSBでの有線接続時にもANCや外音取込機能を使用する事ができます。
コントロールは全て物理ボタン式で、モード切替ボタンが左側に分かれているので誤操作が起きにくい点も良いですね。

更にコントロールは基本操作の他、電源ボタンやANCボタンからゲームモードやムービーモードも適用可能なので、モード切替に関してはアプリ要らずで全て本体のみで行う事ができます。これは個人的に嬉しいポイントです。


イヤーパッドは柔軟性と通気性に優れたプロテインレザーと柔らかなメモリーフォームを採用。
ヘッドバンドもイヤーパッドと同様のプロテインレザーが採用されているものと思われます。

ロール軸有で約90度回転可能。


また、折り畳みにも対応しているので持ち運びに便利です。


スライダーは特に目盛りはありませんがクリック感で調整するタイプです。
二重構造で強度もありそうです。
専用アプリについて



専用アプリホームタブでは、ノイキャンモードの切り替えや、マルチポイント、ゲームモード、ムービーモードへの切替が可能です。マルチポイント機能を使用する際は専用アプリからトグルスイッチでONにしないと使用できないので注意です。
イコライザータブでは聴力テストで個人に合わせたイコライザー設定を作成する適応型EQ、設定済みでお手軽に音質傾向を変えられるプリセット、自分で細かく調整可能なカスタムEQの三種類から選んで使用する事ができます。
個人タブではデジタルでの取り扱い説明書の確認や問い合わせ、公式ウェブショップへのアクセス等が可能です。

ホームタブのその他の機能ではファームウェアアップデートの他、
音声ガイダンスの言語選択や通知音の音量調整が可能です。
使用した感想
装着感について
側圧はしっかりめで安定しますが、低反発のメモリーフォームと肌触りの良いプロテインレザー製のイヤーパッドにより圧迫感は感じにくく快適です。装着したまま2、3時間作業しましたが特に重く感じたり痛くなったりはしませんでした。オーバーイヤー型としては比較的軽い~標準的な重さだと思います。
音質について
AndroidにてLDAC接続で使用した感想です。
音質傾向としては中高域の伸びが良く、空間の広がりや空気感を感じられるサウンド傾向で、ボーカルが近く、サウンドステージは広めで臨場感あるサウンドです。低域はノーマルモードだとやや控えめですが、ANCをオンにすると低域がグンと出てアタック感や立体感が増します。
他のヘッドホンと比べて音の余韻を感じやすいので、ライブ音源やクラシック、ジャズ、映画等空気感が活きるコンテンツとの相性が特に良いと思いました。
AUX接続、USB接続でも聴いてみましたが音質傾向は大きくは変わらず、良い音だと思いました。
主な機能について
ANCについて
低周波、中周波を中心に減衰してくれて、個人的には十分音楽や動画に没入できるぐらいには効力を混じる事ができました。高周波はうっすらと聞こえますがコンテンツ再生中はほぼ気にならない程度です。同価格帯では比較的強力な方だと思いました。
外音取込機能はややホワイトノイズはありますが、十分に外の音を取り込んでくれて、近くのアナウンスや環境音を聞き取るには十分です。
マルチポイント機能について
Android2台に同時接続して試してみました。
先発デバイス再生中に後発デバイスを割り込めるタイプで、切替レスポンスは約2秒前後。
特に問題無く切替、使用する事ができました。
ゲームモードについて
ゲームモードOFF・ONの状態で動画・ゲームにて比較してみました。
OFFの状態でも動画鑑賞なら殆ど気にならないレベルで、ONの状態なら快適に動画鑑賞が可能です。
ゲームではOFFの状態だとやり慣れているアクションゲームやFPS等では少し気になるかもしれません。
ONの状態だとカジュアルに楽しむぐらいなら全然気になりません。eスポーツ用途で使用するなら遅延のほぼ無い有線接続の方が良いでしょう。
ムービーモードについて
元々立体的で広めなサウンドステージですが、より広く、音の定位が立体的に感じられるようになります。ムービーモードという名が付いているだけあって映画との相性は抜群です。音楽でも通常とは違ったサウンドステージ、立体感を楽しめます。
競合他社同価格帯製品との比較

競合ブランドから発売されている同価格帯のワイヤレスヘッドホン『EarFun Tune Pro』『QCY H3 Pro』と比較して各項目の個人的な順位を付けてみました。
項目カテゴリ (個人の見解です) | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
音質 | EarFun Tune Pro | SOUNDPEATS SpacePro | QCY H3 Pro |
ノイズキャンセリング性能 | SOUNDPEATS SpacePro | EarFun Tune Pro | QCY H3 Pro |
装着感・フィット感 | QCY H3 Pro | SOUNDPEATS SpacePro EarFun Tune Pro | – |
連続再生時間 | SOUNDPEATS SpacePro | EarFun Tune Pro | QCY H3 Pro |
Bluetooth安定性 / マルチポイント | SOUNDPEATS SpacePro | EarFun Tune Pro | QCY H3 Pro |
通話品質 | ほぼ差無し | ||
操作性 | EarFun Tune Pro | SOUNDPEATS SpacePro | QCY H3 Pro |
携帯性・軽さ | QCY H3 Pro | EarFun Tune Pro | SOUNDPEATS SpacePro |
充電性能 | EarFun Tune Pro | SOUNDPEATS SpacePro | QCY H3 Pro |
アプリ機能 | QCY H3 Pro | EarFun Tune Pro | SOUNDPEATS SpacePro |
音の遅延 | ほぼ差無し | ||
デザイン・質感 | SOUNDPEATS SpacePro | EarFun Tune Pro | QCY H3 Pro |
付属品の充実度 | SOUNDPEATS SpacePro | EarFun Tune Pro QCY H3 Pro | – |
音質に関しては順位付けに相当悩みました。というのも、SOUNDPEATS SpaceProは空気感が感じられるリッチなサウンド、EarFun Tune Proはシャキッと明瞭感のある明るめなサウンド、QCY H3 Proはバランスが良く自然な優等生なサウンドといった具合に、それぞれチューニングの方向性が違って感じるからです。どれも価格帯を考慮すると高水準なのは間違いないのですが、最終的には個人的な好みでEarFun Tune Proを1位としました。なので、2位だから、3位だから音質が劣っている、という訳ではなく、あくまで個人的な好みで順位をつけるならといった具合です。
気になった点
・ムービーモードについて
適用するにはどうやら専用アプリの「マルチポイント」をONにしてコーデックを切り替える必要があるようです。スマホ側でBluetoothコーデックをSBCやAACに変更してもアプリ側では認識されていないようで使用できない状態のままでした。(もしかしたら機種により挙動が異なる可能性もありますが)
ムービーモードを使用するのにマルチポイントをONにしよう、という発想には初見では至らないのでここは少しややこしいなと思いました。
・コントロールカスタマイズには非対応
今回比較した競合他社の2種は専用アプリでのコントロールカスタマイズに対応していますが、SOUNDPEATS SpaceProは非対応となっています。ただ、その代わりというようにデフォルトのボタン操作でほぼ全てのコントロールが可能なので慣れれば不便は無いと思います。
総評

ドライバー構成やLDAC対応、マルチポイント、ゲームモード、ムービーモード、圧倒的なロングバッテリー、有線接続、折り畳み対応、高級感のあるレザー調デザインと、音質・機能・デザインと全て高水準で、とても1万円未満とは思えないコストパフォーマンスだと思いました。
特に競合が性能や機能に重点を置く中で、それに加え質感や高級感にまでこだわったのは一つ差別化できるポイントかと思います。特にイヤホンより大きなヘッドホンでは主張の強いデザインは悪目立ちしますから、今作では同系色でさりげなくうまく落とし込んであるなという印象を受けました。
音質・機能・デザインと抜け目のない異次元コスパのおすすめヘッドホンです。1万円以下で音質や機能だけでなくデザインや質感にもこだわりたい、という方におすすめです。
SOUNDPEATS SpacePro
Amazon期間限定クーポンコード:SPSPACEP711
クーポンの有効期限: 開始日2025/07/08 0:01JST 終了日2025/07/14 23:59JST
EarFun Tune Pro
QCY H3 Pro