概要
今回はワイヤレスイヤホン、ヘッドホン、スマートウォッチ等を中心に展開するテックブランドHaylouより発売の完全ワイヤレスイヤホン『Mori Pro』をレビューしていきます。
提供:Haylou

製品の特徴やスペック、実際に使用してみて良かった点・気になった点等を語っていくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。
製品の主な特徴
ハイブリッドANC搭載:フィードフォワード+フィードバック方式で最大-43dBのノイズを低減。電車やカフェなど幅広い環境で効果的。
高音質再生:歪みを抑え、クリアでダイナミックなサウンドを実現。
通話性能:6マイクによる通話時ノイズキャンセリングで相手に声を明瞭に届ける。
風切り音対策:屋外使用時の風音を軽減。
低遅延モード:70msの低遅延で動画視聴やゲームに最適。
快適な装着感:人間工学設計と圧力バランス機能で長時間でも疲れにくい。
バッテリー性能:最大23時間再生(イヤホン単体5時間+ケース併用)。
アプリ対応:ANC切替、外音取り込み、EQ、操作カスタマイズが可能。
ボタン操作:タップや長押しで音楽操作やANC切替に対応、アプリで変更も可能。
※公式資料参考
スペック・製品仕様
項目 | 内容 |
---|---|
連続再生時間 | イヤホン:約5時間(ANCオフ・音量50%時)充電ケース:約23時間(ケース込総使用時間)※再生する音楽の種類により変動 |
本体充電時間 | イヤホン:約1.5時間充電ケース:約2時間 |
ドライバー構成 | メーカー情報なし |
対応コーデック | SBC / AAC |
Bluetoothバージョン | 5.4 |
防水 | メーカー情報なし |
対応プロファイル | A2DP / AVRCP / HFP / HSP |
再生周波数帯域 | 20Hz~20kHz |
重量 | 4g(片耳)39g(ケース込) |
付属品 | ・充電ケース・充電ケーブル・イヤーキャップ |
内容物

- イヤホン本体+充電ケース
- 充電ケーブル
- イヤーピース3組(一組装着済み)
- 説明書
以上になります。

付属のイヤーピースはシリコン製で軸の形は楕円形です。
外観


充電ケースは平たい楕円形、シェルはベースがマット仕上げで、ワントーンでありながら光沢でラインや装飾のメリハリをつけていておしゃれです。ケース背面に充電ポートを搭載。充電ポート周りは窪んでいるので自前の充電ケーブルだと差し込めない場合が考えられます。

製品のイメージ画像を見たときは耳掛け式オープンイヤーイヤホンの充電ケースみたいで大きそうだなと思っていたのですが、実際手にしてみると結構コンパクトでした。

充電ケース蓋を開けるとこんな感じ。
蓋は約90度開いて固定されます。
ケースは平たく、指を入れるスペースが十分に設けられているので取り出しやすいです。
ケース内中央部にペアリングリセットボタンを搭載。

やや分かりづらいかもしれませんが、ケース下部手前側にイヤホンの状態等を確認できるLEDインジケータを搭載。

イヤホン本体は定番のスティックタイプ。ベースシェルはマット仕上げで、スティック部分は同系色のメタリックカラーで安価ながらチープさを感じさせないデザインです。
スティック部分上部がセンサー部になっていて、タップでコントロールします。
ケースもそうですが、デザインや色使いが上品でセンスが良いと思います。


ノズルは短め楕円形で一般的な丸形イヤーピースとの互換性はありません。

100円玉とのサイズ感比較。本体ケース共にコンパクトです。

ブラックとホワイトの2色展開です。
白飛びしてしまっていますがホワイト充電ケースもブラック同様の装飾が施されています。


イヤホン片側約4g、ケース込みでも40g未満とイヤホン・ケース共に軽量な傾向にあるスティックタイプの中でも軽量です。
専用アプリについて



専用アプリは大きく分けて『ステート』『サウンド』『設定』の3つのタブに分かれています。
・ステート:充電残量の確認、ノイキャンモードの切り替え等の操作が可能です。
・サウンド:デフォルトを含む6種類のイコライザプリセットを選ぶことで音質傾向を変えることができます。
・設定:タップ操作に好きな操作を割り当てられるコントロールカスタマイズの他、イヤホン探索、タッチ操作無効、ファームウェアアップデート等の設定が可能です。


アプリ下側の『音楽』タブでは雨音や風の音、鳥のさえずりといった環境音を再生できる所謂『ホワイトノイズ』機能を利用可能です。ちょっとしたチルタイムや仮眠時に活用できます。
『発見』タブでは同ブランドが展開しているワイヤレスイヤホン・ヘッドホン各製品の説明書が確認できます。英語ですが。Googleレンズやその他翻訳アプリ・機能を使えば特に問題ないかと思います。
使用した感想
装着感について


耳の中に密着するシェル部分は装着時の安定感や遮音性の観点からあえて大きめに作られていて、装着時はやや圧迫感を感じますが装着しているうちに慣れてきて気にならなくなります。長時間装着しても特に痛くなったりはしませんでしたが、同様のスティックタイプと比較してもシェル部分はやや大きめなので、耳の小さな方だと圧迫感・窮屈感を感じる可能性が高いです。重さは約4gとスティックタイプの中でも軽量なので軽やかで、数時間着用しても重さによる疲れはほぼありません。
音質について
AndroidにてAAÇ接続で使用した感想です。
全体の傾向としては低域が強めで空気感が高く感じられるサウンドといった印象です。低域は量感があり、アタック感や沈み込みも感じる強力な低音です。中高域は明瞭でありながら音の輪郭が丸く緻密なので刺さらず耳当たりが良いです。
低域がかなり出て量感もあるバランスにはなっていますが中高域も埋もれる事なく存在感がありうまくチューニングされているなという印象です。低音、重低音好きな人におすすめしたいサウンドです。バランスにやや癖はあるものの音質自体は同価格帯の中でもかなり良い部類だと感じました。
通話音質について
イヤホンのマイクで声を録音してみましたが可もなく不可もなくといった印象です。
特別クリアな訳ではありませんが、ボリュームや聞き取りやすさは十分で通話用途には問題無しかと思います。
主な機能について
・ノイキャンについて
最近の1万円以下ワイヤレスイヤホンのノイキャン水準で考えると強力とは言えませんが、十分に実用性はあると思います。例えば近くで鳴っている騒音、高周波に関しては減衰しきれない印象ですが、空調の音や店内の環境音・話し声等その空間でなんとなく聞こえてくるぐらいの音であれば綺麗に減衰してくれます。ノイキャン適用時の違和感やホワイトノイズは限りなく少なく質は高いので、外での騒音をノイキャンというよりは、例えばカフェや職場等で仕事や勉強に集中するのにとても適していると思いました。
外音取り込み機能も自然で取り込み量が多く質が高いと思います。
・低遅延モードについて
遅延テストアプリにて10回計測した平均値から有線イヤホンで10回計測した平均値を引く方法で計測したところ約67msと概ね公式の表記通りで比較的優秀な方だと思います。動画は特に気にならずに楽しめますし、ゲームもカジュアルに遊ぶ程度であれば特に気にせずに楽しめます。コントロールカスタマイズでイヤホン操作に割当可能なのでイヤホンのタップ操作でオンにできる点も良いと思いました。
良かった点・気になった点
良かった点
・軽量コンパクトで取り出しやすい設計

充電ケースは平たい形状なので本体を取り出しやすく収納・取り出しがストレスフリーな点は良いですね。結構あるんですよ、機能や性能が良いのに取り出しにくいワイヤレスイヤホンって。どんなに機能や性能が良くても取り出しにくいだけで台無しですから意外と重要なんですよね。それに個人的には安定して置けるのも良いと思いました。充電ケース込で40g未満と非常に軽量で握れるぐらいコンパクトなので荷物として嵩張らない点も良いですね。
・音質
通常価格は6500円とワイヤレスイヤホンとしてはかなりお手頃ですが、解像度も高く音質は1万円以下の中でもかなり良い部類だと感じました。デフォルトでもかなり低音強めのバランスなので、合わない人はイコライザーを活用しましょう。
・質の高いノイキャン
強度こそそんなに強くありませんが、適用時の違和感やホワイトノイズの少なさは質が高く長時間使っていられる質の高いノイキャンだと思います。ノイキャン適用時の違和感が苦手な方や、勉強や作業に集中したい方等におすすめです。
気になった点
・本体シェルは大きめ

装着時の安定感を高めたり、遮音性の観点からあえてシェル全体が耳の中にしっかりフィットするように設計されているので、装着時は成人男性でおそらく平均サイズと思われる私の耳でもやや圧迫感を感じます。着けているうちに慣れて気にならなくはなるのですが、耳の小さな方だと窮屈に感じる可能性が高いです。
・インジケーターが見づらい

充電ケースにはイヤホンの状態などをLEDで示すインジケーターが搭載されていますが、さりげないデザインで光量も弱い為最初はしばらく存在に気が付かないぐらいでした。写真はできるだけわかりやすく撮影しましたが、肉眼だともっとわかりづらいです。
・マルチポイント非対応
商品ページや説明書のどこにもマルチポイントについて記載がなく、実際にAndroid2台で試してみましたが同時接続できずどうやらマルチポイントには非対応のようです。最近では競合同価格帯でも殆どの製品がマルチポイントに対応しており、スマホやタブレット複数持ちも当たり前になってきているのでここは惜しいですね。普段からデバイスを複数扱う想定の人にはおすすめしません。
・長時間の連続使用には不向き
単体5時間、ケース込みで23時間と最近のカナル型ワイヤレスイヤホンの水準で考えると短さが目立ちます。1日1、2時間通勤・通学時に使う程度であれば特に気にならないレベルかと思いますが、作業用やゲームなど長時間の使用には向かないと思います。
総評

Haylou Mori Pro は、低価格帯ながらも高音質と快適な機能性を兼ね備えた完全ワイヤレスイヤホンです。低域を強調した迫力あるサウンドは音楽を楽しむのに十分で、ノイズキャンセリングや外音取り込みも質が高く、カフェや職場などでの集中用途にも向いています。専用アプリでEQや操作のカスタマイズも可能で、日常使いに必要な機能は一通り揃っています。一方で、連続再生時間は最長5時間と短めであり、長時間使用する人にはやや物足りない仕様です。また、本体シェルがやや大きいため耳の小さい人には圧迫感が出る可能性があります。さらに、競合機種では標準的になりつつあるマルチポイント非対応も惜しい点です。
こんな人におすすめ
- 迫力ある低音サウンドを楽しみたい方
- 質の高いANC搭載イヤホンを探している方
- 通勤・通学など1〜2時間程度の短時間利用が中心の方
- 初めて完全ワイヤレスイヤホンを試してみたい方