Haylou S40 レビュー 圧倒的クオリティなのに価格設定を間違えている価格破壊ワイヤレスヘッドホン

ヘッドホン
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概要

今回はHAYLOUより新しく発売となるワイヤレスヘッドホン『HAYLOU S40』をレビューしていきます。

提供:HAYLOU

以前レビューした同ブランド発売のワイヤレスヘッドホン『S30』の後継モデルと思われるナンバリング製品で、S30の時点で過去にレビューした1万円以下のワイヤレスヘッドホンの中でも個人的に音質・品質の点で断トツの性能で度肝を抜かれたダークホースでした。資料を見た限りではそこから更に大幅な進化を遂げている様なのでかなり楽しみです。

製品の特徴・機能・実際に使用して良かった点・気になった点等を語っていくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。

製品の主な特徴

次世代ノイズキャンセリング:5マイク+多層構造により、最大 -50dBの広帯域ANC を実現。

空間オーディオ対応:6軸センサーで頭の動きに合わせた 360°ダイナミックサウンド を提供。

長時間再生:最大 90時間再生(ANC使用時45時間)、10分充電で5時間再生可能。

ハイレゾ対応:チタンコート振動板+LDAC対応で、Hi-Res/Hi-Res Wireless認証取得。

デュアル接続:無線・有線の両モードに対応。脱着式eスポーツグレードマイク搭載。

快適な装着性:折りたたみ式、角度調整可能、肌に優しいイヤークッション。

アプリ連携:専用アプリでEQ設定やANC切替などカスタマイズ可能。

※公式資料参考

スペック・製品仕様

項目Haylou S40Haylou S30
ヘッドホンカラーブラック/ホワイトブラック/ホワイト
BluetoothバージョンBluetooth 6.0Bluetooth 5.4
ドライバー構成40mm + 20mm ダイナミックドライバー40mm ダイナミックドライバー
対応コーデックSBC/AAC/LDACSBC/AAC
ハイレゾ認証ハイレゾオーディオ / ハイレゾワイヤレスハイレゾオーディオ
最大再生時間(ANCオフ)90時80時間
アクティブノイズキャンセリング最大 -50 dB最大 -43 dB
専用アプリ対応対応
空間オーディオ対応非対応
低遅延モード対応対応
マイク本体マイク+外付けヘッドセットマイク付属本体マイク(国外は外付けヘッドセットマイク付属ver有)
AUX接続(有線接続)USB-C3.5mm
販売価格(税込)7,989円(予定)
発売から1カ月間せール価格で6,391円
8,900円

カラーはブラックとホワイトの2色を展開。

搭載ドライバーは40mm+20mmダイナミックドライバーのデュアルドライバー形式に強化されています。

そして前作の音質がとても良かっただけにAACまでだったのが悔やまれましたが、今作はついにLDACに対応。これは音質が突出している本シリーズにおいて嬉しい進化です。ハイレゾワイヤレスも認証済みです。

最大再生時間は約90時間とロングバッテリーで、S30よりも強化されています。

前作心許なかったアクティブノイズキャンセリング機能は最大 -50 dBと公式資料の数値上は前作よりも上昇しているようです。実際の効力においては後ほど言及します。

そして今回進化した要素の中でも目玉と言える、『空間オーディオ』に新たに対応。
しかも1万円未満の製品にありがちな疑似的に音場を拡張させる「空間オーディオ風」では無く、6軸センサーを採用したヘッドトラッキング対応のちゃんと『空間オーディオ』と言える機能のようです。こちらの使用感についても後ほど言及します。

そして本体マイクの他、外付けのヘッドセットマイクが付属しており取り付ける事でヘッドセットとしても使用可能です。前作にもヘッドセットマイクが付属するバージョンは存在しましたが、国内では付属しないバージョンしか販売されていなかったので新しく追加された要素と言って良いでしょう。

前作同様有線接続にも対応していますが、今作は3.5mm端子は非搭載でUSB-Cで接続する形式になります。近年イヤホンジャック非搭載のスマートフォンが増えてきたので、それに伴う変更だと思われますが、ここは使用デバイスにより好みが分かれそうです。

そしてスペックだけ見てもこれだけ進化しているにも関わらず、Amazonでの販売予定価格は7,989円と前作から据置でもなく、何故か約1000円安く展開されるようです。(流石にS40発売時にS30の価格改定はありそうですが)

しかも発売から1カ月間は特別価格で20%OFFの6,391円で展開されるとの事。
いや、価格設定間違えていませんか?

内容物

  • ヘッドホン本体
  • 充電ケーブル
  • 外付けヘッドセットマイク
  • 説明書

付属の充電ケーブルはC to Cなので充電するにはCポートを搭載した充電器やPC等が別途必要な点に注意です。

外観

ヘッドホンの形式は耳を完全に覆うオーバーイヤー型。

スライダーによりサイズ調節に対応。クリック感で固定するタイプ。
かなり分厚く耐久性もありそうです。

約90度回転可能なロール軸を搭載し、折り畳みにも対応で携帯性も良し。

ブラックのカラーリングとしてはハウジングはやや青みがかっていてどちらかと言えばダークグレーに近い印象です。ハウジングの面にはブランドロゴの頭文字であるHがデザインとしてプリントされています。この面は後述しますがタップ操作のコントロールでも使用します。

イヤーパッドやヘッドバンドのクッションカバーにはプロテインレザーが採用されており、質感、肌触り共にとても良いです。イヤーパッドは競合他社ヘッドホンの平均的な厚みに比べ1.3~4倍程ありしっかりしています。

物理ボタンや接続部は全て右側ハウジングに集約されています。

コントロールについて

操作はハウジングの物理ボタンに加え、前作に引き続きハウジング自体のタッチコントロールにも対応しておりタッチ操作では着信応答や楽曲の再生/停止、クイック会話モード等を操作可能です。

本体そのままでも通話は可能ですが、付属の外部マイクを接続する事でより高い感度のマイクで通話やボイスチャットが可能でヘッドセットとして使用可能です。付属の外部マイクは自在アームで好きな角度に向きを変えられる為より確実に相手に声を届ける事ができます。(撮影後に気付きましたが写真ではマイクの向きが逆になっています。本来は写真でこちら側に向いている方が口元に向く仕様です。)

USB-Cポートは充電兼有線接続にも対応。ゲーム等をより低遅延で楽しみたい時等は有線接続で使用する事ができます。有線接続時にANCや外音取込機能も使用可能です。

前作とのデザイン比較。
サイズ感はほぼ一緒ですがヘッドバンドやイヤーパッド等の一部部品を除き新規パーツと思われます。細かい変化ですがアームの根本が細くなったのと、ヘッドバンドの端が丸みを帯びたデザインになり、写真ではやや伝わりづらいですがアームのカラーもハウジングと同色からマットメタリックな同系色に変更されています。ブランドロゴも大幅に変更され、文字というよりデザイン、という印象が強くなった印象です。

1万円以下の製品の多くはどうしても素材感に価格帯相応のチープさが出てしまいますが、質感・デザイン共にハイエンドクラスのワイヤレスヘッドホンと遜色ない上質な仕上がりです。

専用アプリについて

専用アプリでは大きく分けて『ステート』『サウンド』『設定』の3つのタブに機能が分かれています。

『ステート』ではノイキャンやゲームモード、空間オーディオ等のモードが切替可能です。
ノイキャンは強度調節も可能。

『サウンド』では設定済みのイコライザープリセットで音質傾向を変更可能。更に今作はサウンドマーケットという機能にも対応しており、こちらでも音質傾向の変更が可能です。イコライザープリセットとは区別されていますが、用途はほぼ同じです。項目欄にまだ余白がある事から、今後ファームウェアアップデート等で追加されそうな雰囲気を感じます(勝手な憶測ですが)。

『設定』では主にヘッドホン探索機能、ファームウェアアップデートが使用可能です。
ヘッドホン探索機能はヘッドホンからアラーム音を鳴らす事ができます。ワイヤレスイヤホンと違って紛失しづらいので恩恵はそこまでないかもしれませんが一応対応しています。
画面にはGoogleの文字も表示されておりGoogleマップ表示に対応していそうな雰囲気ですが私の使用環境では地図は表示されませんでした。今後対応予定なのかもしれません。

低遅延モード、マルチポイント、空間オーディオはLDACと併用不可です。
現状殆どのワイヤレスイヤホン・ヘッドホンは同様なので致し方なしかと思います。

そして今回目玉の空間オーディオ機能は、疑似的な空間拡張イコライザーでは無く、6軸センサーを採用しヘッドトラッキングにも対応したちゃんとした空間オーディオ機能です。ヘッドトラッキングに対応した空間オーディオ機能を一万円未満で実現している機種はかなり貴重ではないでしょうか。

『ダイナミック』がヘッドトラッキング有、『スタティック』がヘッドトラッキング無しの空間拡張機能です。それぞれ『音楽』『運動』『映画』と用途に合わせた3つの異なるモードを使用可能です。

その他、アプリ下側の『音楽』タブではチルタイムや仮眠時用の環境音を再生できるホワイトノイズ機能を使用可能です。『発見』タブでは同ブランド各製品の英語版説明書が確認可能。『マイアカウント』では主にヘルプや最新ファームウェアアップデートの確認等が可能です。

使用した感想

装着感について

イヤーパッドの表面はプロテインレザーを採用しており、クッション材もかなり厚みがある為肌触りはとても良く、長時間装着しても耳周りが痛くなりません。側圧は人により多少差はあると思いますが成人男性である私は丁度良く、軽く頭を動かしたぐらいではずれませんし、圧迫感も厚いイヤーパッドにより感じないので快適です。ただし、プロテインレザーは通気性があまりよくない為長時間装着していると熱がややこもりやすいです。長時間連続して使用する場合は適度に外して熱を逃がした方が良いでしょう。

重さは実測値で約288gとオーバーイヤー型としては平均的ですが、オーバーイヤー型自体ヘッドホンの中ではやや重めな形式なので数時間連続して着用していると重みでやや疲れが出てきます。通気性の面もありますし、適度に首にかけて休憩を取ると良いでしょう。

音質について

AndroidにてLDACで使用した感想です。
バランスとしては中高域が少し出ていて低域は主張しすぎず全体を支えてくれる印象。競合ブランドの同価格帯は中高域がパキッとしている傾向が強い印象がありますが、S40は解像感はありながらも刺さらず耳当たりの良い滑らかで艶のある中高域で、低音はアタック感はそこまで強くありませんがしっかりと深度のある立体的な低音で、低域から中高域まで全体的に質感や空気感の高いサウンドです。サウンドステージは横がやや広め、縦はかなり広い印象を受けました。

S30の時点で競合同価格帯とは一線を画す音質でしたが、今作は中高域の鮮やかさと空気感が更にブラッシュアップされている印象です。1万円以下から出る音じゃないんですよね。ハイエンドクラスの深みを感じる上質なサウンドのそれで、各々の好みはあるにしろ私は過去試してきた1万円以下のワイヤレスヘッドホンで断トツで音が良いと感じました。

通話音質について

内蔵マイクと外部マイクそれぞれから録音した音声を聞き比べてみました。
内蔵マイクの時点でかなりクリアで自然な音声で聞き取りやすく、音質は良いと感じました。
外部マイクは声をより強調して拾えており、各文字の輪郭がくっきりとして相手が「何を言ったか」がはっきりとわかり認識のしやすさがかなり向上しているように感じます。感度がかなり良く小声でしゃべってもそれなりのボリュームで拾う為口元に近すぎると声のボリュームによっては音割れします。声が大きくなるゲーム中等は口元から少し離した方が良いかもしれません。

内部マイクは普段使い用、外部マイクは聞き取りやすさ重視の業務上の通話や瞬間的に認識する必要のあるゲーム内でのボイスチャット等におすすめです。

主な機能について

アクティブノイズキャンセリング機能について

近くで鳴っている騒音や高周波には弱いですが、空調の音のような「空間全体になんとなく感じられる環境音」を中心に減衰してくれる印象です。強力とは言えませんがノイキャン搭載ワイヤレスヘッドホンとしては普通かなといった印象を受けました。とはいえS30はほぼ変化が感じられない程ノイキャンが弱かったので、シリーズとしてはノイキャン効力は明確に向上しています。

・空間オーディオ機能について

スタティックは通常時と変わらず音が聞こえてくる方向が固定されない状態でサウンドの臨場感を高めてくれる印象です。ダイナミックは音が聞こえてくる方向が固定され、例えば正面を向いた状態から頭を左に向けると頭の動きに合わせ右耳側に音の聞こえてくる方向が移動します。所謂ヘッドトラッキングと言われるものです。このヘッドトラッキングのクオリティが素晴らしく、映画では映画館で鑑賞しているかのような、ライブ音源ではライブ会場にいるような音の広がりや移動が自然かつ滑らかでかなり高い没入感を得る事ができます。コンテンツに合わせて没入感の高い方式を選べるのがとても良いです。そもそも空気感の表現に優れたサウンドなので相乗効果と言えるかもしれませんが過去試してきたヘッドトラッキング機能の中でもかなりクオリティが高いと思いました。

・クイック会話モードについて

ハウジングを長押ししている間外音取込モードが適用されているような状態になります。
アプリや物理ボタンでモードを切り替える必要が無く、指を離せば瞬時に元のボリュームとモードに戻るので、名前の通り瞬間的に相手の声やアナウンス等を聞き取りたい時に便利です。他ブランドの1万円以下では中々見かけず、使えるシチュエーションも多い実用性の高い機能です。

マルチポイント機能について

Android2台に同時接続して試してみました。先発デバイス再生中に後発デバイスを割り込めるタイプで、切替レスポンスは約2秒程度でした。S30は割り込みできないタイプだったので、利便性が向上したと言えます。

・ゲームモード(低遅延モード)について

テスト環境:Bluetooth5.2、AAC接続

ゲームモードをONにして遅延テストアプリにて10回測定した平均値から有線接続で10回測定した平均値を引く方法で測定したところ遅延は約220msと低遅延モードとしてはかなり遅い結果となりました。試しに低遅延モードでも計測してみましたがほぼ同じです。つまり、低遅延モードといいつつほぼ効果がありません。ただし、私のテスト環境はBluetooth5.2なので、Bluetooth6.0での結果は異なる可能性があります。といっても、現時点でBluetooth6.0対応のスマホは数機種のみとかなり限られている為Bluetooth6.0を使用できる人はまだ少ないと思いますが。

通常時がそもそも低遅延でONにしてもあまり変わらない事はありますが、通常時がそこそこ遅くてONにしてもほぼ変わらない事は珍しいですね。S30でも低遅延モードを使用してみましたがS30ではモードONによる明らかな遅延減衰が確認できました。個体差による不具合でしょうか。

大手動画アプリやサブスクでは大体遅延が自動補正される為特に気になりませんでしたが、FPSや音ゲーでの使用は厳しいと思います。ただし、有線接続に対応しているので有線接続すればFPSや音ゲーも低遅延で楽しむ事が出来ます。ゲーム目的での使用時は素直に有線接続しましょう。

良かった点・気になった点

良かった点

・造りがしっかりしていて質感も良い

競合同価格帯のワイヤレスヘッドホンを複数レビューしてきた感想としては、機能性や音はどんなに良くても素材や質感はチープさが出てしまう機種が多く、1万円以下という価格帯であればそれがごく普通というか、消費者側もある程度は割り切ってる部分だと思いますが、S40は素材や質感にまでこだわっていて数万円するハイエンドモデルとも遜色ないクオリティです。物自体が小さいイヤホンであればそこまで気にならないけど、ある程度大きくて目立つヘッドホンでは見た目や質感も気にする人も多いのではないでしょうか。そんな人にもおすすめしたい、1万円以下で断トツのビルドクオリティです。

・音質が良い

もちろん人により感じ方は異なるのであくまで私個人の感想ですが、サウンドピーツやEarFun、QCYといった人気コスパブランド同価格帯の競合のワイヤレスヘッドホンと比較しても明らかにレベルの違う音を鳴らしているように感じました。全てのワイヤレスイヤホンを試した訳ではないのであくまで私が試してきたワイヤレスヘッドホンの中でですが、こちらも現状個人的に断トツの音質です。

・空間オーディオ、ヘッドトラッキング対応

S30はアプリ含め機能が少ない点が競合と比較して見劣りする部分でしたが、今回新たに空間オーディオに対応しました。それもよくある空間オーディオもどきじゃなく、6軸センサー採用のヘッドラッキングにも対応したちゃんとした空間オーディオです。この価格帯でヘッドトラッキング対応がそもそも貴重ですし、そのヘッドトラッキングのクオリティも非常に高く満足感が高いです。これは競合とも差別化できる大きなポイントです。

・物理ボタンだけじゃなくタッチ操作にも対応

これまで試してきた同価格帯の競合のワイヤレスヘッドホンにはハウジングのタップによるコントロールに対応したモデルは他にありませんでした。ハウジングタッチによるコントロールはミドルクラス~ハイエンドモデルに搭載される事が多くそれを1万円以下で実現しているのが凄いです。特にクイック会話モードは実用性が高くかなり重宝します。

気になった点

・低遅延モードについて

Bluetooth6.0で試せていないので遅延数値自体については何とも言えませんが、ONにしてもほぼ変わらないというのは機能としての存在意義がありません。たまたま私の個体だけ低遅延モードが機能しないだけといった不具合ならまだ良いのですが。もし実際に使用して全く異なる結果になったという方がいれば是非コメントお待ちしております。

総評

HAYLOU S40は、1万円未満の価格帯ながらも高音質・高機能・高品質を兼ね備えたワイヤレスヘッドホンです。
デュアルドライバーとLDAC対応による豊かな音質、ヘッドトラッキング対応の空間オーディオ、最大90時間のロングバッテリーなど、前モデルから大幅に進化しています。さらに質感や造り込みも優れており、価格以上の満足感を得られる製品です。
一方で、低遅延モードの効果が薄い点が気になりましたが、有線接続も可能なのであまり大きな欠点ではないと言えます。

こんな人におすすめ

  • 音質を重視する人:1万円以下とは思えない艶やかで立体感のあるサウンドを楽しみたい方。
  • 映画やライブを臨場感たっぷりに楽しみたい人:ヘッドトラッキング対応の空間オーディオで高い没入感を得たい方。
  • デザインや質感にもこだわる人:価格帯以上の高級感を求める方。
  • 長時間使用する人:最大90時間のバッテリーで頻繁な充電を避けたい方。
  • 通話やボイスチャットを多用する人:外付けマイクによるクリアな音声通話を求める方。
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