概要
今回は、EarFunから登場したワイヤレスヘッドホン「EarFun Wave Pro X」をレビューしていきます。

EarFun Wave Pro Xは、充実した機能や音質を備えながら、手頃な価格帯を実現した「EarFun Wave Pro」の上位後継モデルと言える注目の製品です。付属品も充実しており、音質だけでなく使い勝手や携帯性にもこだわりが感じられます。
比較対象として取り上げるのは、同じ価格帯で高いコストパフォーマンスを誇る「QCY H6 Ultra」です。どちらも魅力的な製品だけに、購入を検討している方は迷うところではないでしょうか。
今回は両機種を比較しながら、デザイン、装着感、音質、ノイズキャンセリング性能、専用アプリの使い勝手などをチェックしていきます。
スペック・製品仕様
内容物
パッケージには、以下のものが同梱されています。

- ヘッドホン本体
- 充電用USBケーブル
- 有線接続用オーディオケーブル
- キャリングケース
- 説明書などの書類
特に注目したいのが、キャリングケースが付属している点です。

前作のWave Proで好評だったセミハードケースが、本モデルにも採用されています。巾着タイプとは異なり、ある程度の強度があるため、バッグの中でヘッドホンを保護しながら持ち運びたい方にはうれしい仕様です。
また、ケース内にはケーブル収納スペースが設けられており、面ファスナーでケーブルをまとめられるようになっています。細かな部分まで使い勝手に配慮されているのは好印象です。
外観・デザイン

高級感のあるアルミプレートと、質感にこだわったイヤーパッドが特徴。
EarFun Wave Pro Xは、左右のハウジングにCDパターン加工を施したアルミプレートを採用しています。光の当たり方によって表情が変わり、価格以上の高級感を演出しています。
全体的にシンプルなデザインですが、アルミプレートがアクセントになっており、安っぽさを感じさせない仕上がりです。
ハウジングと操作ボタン

本体には、電源ボタン、音量ボタン、ノイズキャンセリング関連の操作ボタン、有線接続用のオーディオ端子、USB-Cポートなどが配置されています。
イヤーカップは内側に約90度回転可能。折りたたみにも対応しコンパクトに収納できます。スライダーは引き出し式で、頭の大きさに合わせて調整可能です。


イヤーパッドは十分な厚みがあり、表面はプロテインレザーと思われる素材で仕上げられています。ヘッドバンドのクッションも厚みと弾力があり、表面はナイロン素材で覆われています。触り心地がよく、傷も目立ちにくそうな印象です。


QCY H6 Ultraとのデザイン比較

QCY H6 Ultraも価格以上の高級感がありますが、両機種ではデザインの方向性が少し異なります。
- EarFun Wave Pro X: アルミプレートの存在感が強く、デザインのアクセントになっている。
- QCY H6 Ultra: アームやスライダーにも金属素材が使われており、全体的に素材感の統一された仕上がり。
個人的には、素材の統一感や堅牢さという点ではQCY H6 Ultraに魅力を感じました。一方、EarFun Wave Pro Xも十分に高級感があり、最終的には好みで選んでよいと思います。
カラー展開については、レビュー制作時点ではEarFun Wave Pro Xがブラックのみ、QCY H6 Ultraがブラック・ホワイト・オレンジの3色展開となっており、QCY H6 Ultraには選択肢があります。EarFun Wave Pro Xは先行展示会等ではホワイトも展示されていたようですが、現時点では今後のカラー追加については不明です。
装着感

装着感については、個人的にEarFun Wave Pro Xが非常に優れていると感じました。
イヤーパッドとヘッドバンドのクッションは、どちらも厚みと弾力がしっかりしています。柔らかさだけでなく、適度な反発力もあるため、頭部に自然にフィットします。
特に好印象だったのが、側圧のバランスです。
ヘッドホンは側圧が強すぎると長時間の使用で耳や頭が痛くなりやすく、反対に弱すぎると装着中にズレやすくなります。
EarFun Wave Pro Xは、強すぎず弱すぎない絶妙な側圧に調整されている印象です。頭をしっかりホールドしながらも、圧迫感を覚えにくく、快適に装着できました。
一方、QCY H6 Ultraはやや側圧が強めです。その分、頭部をしっかり固定できるため、安定感を重視する方には向いていると思います。
まとめると、次のような違いがあります。
- EarFun Wave Pro X: 圧迫感が少なく、快適性を重視した装着感。
- QCY H6 Ultra: やや強めの側圧で、しっかりホールドする装着感。
装着時の快適さを重視するなら、個人的にはEarFun Wave Pro Xをおすすめします。反対に、装着時の安定感を優先したい方にはQCY H6 Ultraも有力な選択肢です。
音質
動画版ではバイノーラルマイクを用いたバーチャル試聴比較も行っています↓
実際に聴き比べてみると、両機種は音の傾向が異なっており、それぞれに個性があります。
低音域
EarFun Wave Pro Xは、深さと広がりのある低音が特徴です。
低音の厚みがしっかりと感じられ、単に音が強く鳴るだけではなく、音楽の中に広がる低音の空間まで感じ取れます。迫力を求める方にも満足度の高いサウンドだと思います。
中音域
中音域は、全体のサウンドに自然に溶け込むようなバランスです。
特定の帯域だけが過度に主張する印象はなく、低音から高音までのつながりも自然です。ボーカルや楽器の音を含め、全体としてまとまりのあるサウンドに仕上がっています。
高音域
高音域は伸びやかで、広がりを感じられる音です。
鋭くパキッとした高音というよりも、滑らかで耳当たりがよく、自然に伸びていくタイプだと感じました。刺激の強い高音が苦手な方にも聴きやすい傾向です。
音場の広さ
個人的に最も印象的だったのは、音場の広さです。
左右方向だけでなく、上下方向にも広がりを感じられ、音が頭の中に密集するような感覚が比較的少なくなっています。
QCY H6 Ultraも音場の広さが印象的なモデルでしたが、EarFun Wave Pro Xはそれを上回る広がりを感じました。
一方、QCY H6 Ultraは解像感が高く、より忠実で輪郭のはっきりしたサウンドという印象です。特に中音域は、EarFun Wave Pro Xよりも明瞭に感じられました。
それぞれの音の傾向を整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | EarFun Wave Pro X | QCY H6 Ultra |
|---|---|---|
| 低音域 | 深みと厚み、空間的な広がり | 比較的バランスの取れた印象 |
| 中音域 | 自然で全体に溶け込む | 輪郭がはっきりして明瞭 |
| 高音域 | 滑らかで耳当たりがよい | 解像感を重視した印象 |
| 音場 | 特に広く、上下左右に広がる | 広さと明瞭さを両立 |
| サウンド傾向 | 自然な広がりを重視 | 解像感とバランスを重視 |
どちらが優れているかは、好みや聴く音楽によっても変わってくるでしょう。
EarFun Wave Pro Xは、自然な音の広がりや滑らかな高音を楽しみたい方に向いています。一方、QCY H6 Ultraは、音の輪郭や解像感を重視する方におすすめです。
通話音質
通話音質についても、両機種のマイクで録音した音声を比較しました。
結論としては、どちらもワイヤレスヘッドホンとして非常に優秀な部類に入ると感じました。大きな差はありませんが、個人的にはQCY H6 Ultraのほうが、声の聞き取りやすさでわずかに優れている印象です。
なお、EarFun Wave Pro Xは合計8基、QCY H6 Ultraは合計10基のマイクを搭載しているとされています。ただし、マイクの数だけで通話性能が決まるわけではなく、マイクの配置や信号処理なども重要です。
いずれにしても、EarFun Wave Pro Xの通話音質は十分に優秀で、通話用途でも安心して使える性能だと感じました。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)
EarFun Wave Pro Xは、ANCを有効にすることで周囲の環境音が大きく抑えられることを実感できました。ノイズキャンセリング性能は非常に優秀です。
QCY H6 Ultraとの比較では、大きな差は感じませんでした。ただし、周囲の音が抑えられた際の静寂感については、QCY H6 Ultraのほうがごくわずかに強い印象です。
一方、外音取り込みについては、EarFun Wave Pro Xのほうが周囲の音を広く、クリアに取り込めているように感じました。
ノイズキャンセリング性能では両機種とも高い水準にあり、外音取り込みの自然さを重視するならEarFun Wave Pro Xにも十分な魅力があります。
専用アプリと便利な機能
EarFun Wave Pro Xは、専用アプリからさまざまな設定を変更できます。

主な機能は以下のとおりです。
- ANCモードの切り替えと調整
- 外音取り込みモードの切り替え
- ゲームモードのオン・オフ
- イコライザーの設定
- 本体ボタンの操作割り当て
- マルチポイント接続の管理
- Bluetoothコーデックの切り替え
- 通話時のマイクミュート設定
- 自動電源オフの設定
- ファームウェアのアップデートや初期化
特に便利なのが、イコライザー機能の充実度です。
プリセットから好みの音質を選べるだけでなく、カスタムイコライザーやパーソナライズ機能、さらに細かな調整が可能なパラメトリックイコライザーも用意されています。


一般的なイコライザーでは物足りない方でも、自分好みの音を追い込みやすい仕様です。
また、再生画面を開きながらのイコライザー調整もできるため、設定を変更した際の音の変化も確認しやすくなっています。

マルチポイント機能は複数のデバイスを管理しやすく、実際にAndroid端末2台で試したところ、接続先の切り替えも比較的スムーズでした。ただし、再生中のデバイスに別のデバイスから割り込む動作には対応しておらず、切り替えに約1秒ほどかかる印象でした。接続環境によって結果は異なる可能性があります。また、通信の安定性の観点から公式の注意書きでは非推奨となっていますが一応LDACとマルチポイントは併用可能でした。

ゲームモードについては、計測時の遅延がAAC接続で約70〜80ms、LE Audio接続時で約40〜50ms程度でした。動画鑑賞では特に違和感なく楽しめましたが、遅延にシビアなゲームをプレイする場合は、有線接続を検討するとよいでしょう。
なお、USBオーディオ機能を利用する際は、デフォルトでONになっているUSB Audio設定によって接続機器側からヘッドホンへ給電されるため、スマートフォンやタブレットで使用する際は注意が必要です。

そのほか、Bluetoothが切断された場合だけでなく、接続状態を維持したまま一定時間が経過した場合にも電源をオフにできるタイマー機能が搭載されています。使い忘れによるバッテリー消費を防ぎやすい点も便利です。

総評

EarFun Wave Pro Xは、音質、装着感、ノイズキャンセリング、専用アプリの機能、そして付属品の充実度まで、総合的に完成度の高いワイヤレスヘッドホンだと感じました。
特に印象的だったのは、自然で広がりのあるサウンドと、圧迫感を覚えにくい装着感です。長時間の音楽鑑賞でも快適に使いやすく、音場の広さを重視する方には魅力的な選択肢になるでしょう。
また、細かな音質調整が可能なイコライザーや、ANC、マルチポイント、ゲームモードなどの機能も充実しています。セミハードケースまで付属するため、持ち運びや保管のしやすさという点でも好印象です。
QCY H6 Ultraとどちらを選ぶべき?

両機種は価格帯が近く、コストパフォーマンスの高さという点では甲乙つけがたい存在です。ただし、それぞれに明確な違いがあります。
EarFun Wave Pro Xがおすすめな人
- 装着時の圧迫感が少ないヘッドホンを探している
- 音場の広さや自然な音の広がりを重視したい
- 滑らかで聴き疲れしにくい高音が好み
- セミハードケース付きで持ち運びたい
- LDACやLC3などの対応コーデックを活用したい
QCY H6 Ultraがおすすめな人
- 音の輪郭や解像感を重視したい
- やや強めの側圧による安定した装着感が好み
- 素材の統一感や金属パーツの質感を重視したい
- カラーバリエーションを選びたい
- 複数のデバイスを同時に扱う機会が多い
両機種とも、価格に対して非常に高い性能を備えています。音質についても専用アプリのイコライザーで調整できるため、最終的には装着感やデザイン、対応コーデック、付属品などが選択の決め手になりそうです。
1万円台を中心にワイヤレスヘッドホンを探している方にとって、EarFun Wave Pro Xはぜひ検討してほしいモデルのひとつです。特に、快適な装着感と広い音場、充実した機能を重視する方にはおすすめできる一台だと感じました。
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