概要
こんにちは、あらげです。
今回は、国内オーディオブランド「JPRiDE」から発売されている完全ワイヤレスイヤホン「model i ANC MK2 – QUEST」をレビューしていきます。
以前レビューしたプロレベルのサウンドチューニングが行える完全ワイヤレスイヤホン「model i ANC」の後継モデルとして発売され人気を博していますが、今回専用アプリに大幅なアップデートが実施され、注目の新機能が複数追加されました。

今回はそんな新機能を中心に製品・アプリの特徴や機能、実際に使ってみた感想について綴っていくので、ご興味がありましたら是非最後までご覧ください。
スペック製品仕様
| 項目 | スペック |
|---|---|
| モデル名 | JPRiDE QUEST |
| ドライバ構成 | 11mm + 6mm デュアル・ダイナミックドライバ |
| 型式 | カナル(耳栓)型 |
| 対応コーデック | SBC / AAC |
| 連続再生時間 | 約 8 時間 |
| 充電ケースからの充電回数 | 約 3.5 回(合計最大 約 36 時間) |
| 防水等級 | IPX4 等級 |
| 対応プロファイル | HFP / A2DP / AVRCP / SPP |
| 寸法・重量 | イヤホン:約 5g(片側) / ケース:約 33.4g |
内容物


- イヤホン本体+充電ケース
- イヤーピース5サイズ・各1組(1組装着済み)
- 充電ケーブル
- 説明書類
外観・デザイン
充電ケースは、平たい楕円形に近いデザインです。

ケース前面にはインジケーターを搭載。フタには指を掛けやすいよう大きめのくぼみが設けられており、開閉しやすいデザインになっています。

フタを開けると90度以上開いた状態で保持され、イヤホン本体もケースからせり出すような形になっているため、取り出しやすさも十分です。

ケース背面には充電用のUSB Type-Cポートを搭載しています。

ケース内部の手前側にはペアリングリセットボタンを配置しています。

充電ケースのサイズ感は前モデルとほぼ同じですが、若干薄くなっています。

前モデルでは充電ケースやイヤホン本体の一部が光沢仕上げでしたが、iANC Mark 2 QUESTではイヤホン本体・充電ケースともにマットな質感に変更されています。

そのため、全体的に落ち着いた印象に仕上がっています。
イヤホン本体は、いわゆるスティック型のデザイン。

ブランドロゴ部分がタッチセンサーになっており、各種操作をタッチで行えます。
専用アプリについて
※今回、「SOUNDMake Slash 4.0」という大型アップデートが行われるという事で今回事前に正式リリース前のβ版を先行で試させていただきました。その為、正式リリース後のアプリとはUIや仕様が異なる場合がございます。
主な機能
このワイヤレスイヤホンの大きな特徴が、専用アプリによる「サウンドメイク」です。
アプリは大きく分けて「サウンドメイクタブ」と「QUESTタブ」を中心とした構成になっています。

サウンドメイクタブ
「モデル」(EQプリセット)
サウンドメイクタブのモデル項目では、あらかじめ用意されたEQプリセットをワンタップで切り替えられます。

プリセットだけでもかなり充実しており、細かなEQ調整をしなくても十分に音の違いを楽しめます。
さらに、選択したプリセットをベースに、自分で細かなチューニングを加えることも可能です。
「サウンドメイク」(カスタムEQ)
今回のアップデートで特に大きく進化したのが、サウンドメイク機能(カスタムEQ)のUIです。
従来は10バンド式の調整バーを使い、フィルタータイプや各周波数の調整などを細かく設定する必要がありました。
一方、新しいサウンドメイク画面では、各周波数の波形を指で直接操作できるようになっています。


画面上の波形を指で動かすと、下側にある調整部分も連動して動きます。
つまり、
- 波形を指で直接操作する
- 下部のノブを操作する
という2通りの方法でEQを調整できます。
従来よりも直感的に操作できるようになっており、EQに詳しくない人でも扱いやすくなっています。
因みに、右上のレガシーチェックボックスをタップすると従来のサウンドメイクUIに切り替える事も可能です。
ドローモード※新要素
さらにユニークなのが「ドローモード」です。

ドローモードを選択するとグラフが表示され、そのグラフ上に指で好きな波形を描くことができます。
その後「フィット」を実行すると、描いた波形をそのままイコライザーとして生成してくれます。
周波数の細かな数値が分からなくても、低域・中域・高域の位置関係さえ理解していれば、自分がイメージした音のバランスに近づけることができます。
例えば、まず低音を強調した波形を描き、その後さらに細かな調整を加える、といった使い方も可能です。
EQに詳しくない人でも直感的に音作りができる一方、EQに慣れている人にとっても、まず大まかな音を作ってから細かく追い込むという使い方ができます。
ABスナップショット※新要素


「ABスナップショット」という機能も搭載されています。
作業途中のEQ設定をA・Bとしてそれぞれ一時保存し、どちらの音が好みに合っているか比較しながら音作りを進めることができます。
さらに、リファレンス用のEQプリセットを含む最大4つのタブに割り当てて、比較しながら調整することも可能です。
音の違いを確認しながら追い込めるため、細かなチューニングをしたいユーザーには便利な機能です。
DJ-MIXモード※新要素

「DJ-MIXモード」では、2つのEQプリセットを選択し、それらをミックスしたEQを作成できます。
2つのEQの比重を調整したり、カットやゲインの調整を行ったりすることも可能です。
単純にプリセットを切り替えるだけではなく、2つの音作りを組み合わせられるのが特徴です。
キメラモード※新要素

「キメラモード」では、最大5つまでのプリセットを組み合わせてEQを作成できます。
「サウンドメイク」「DJ-MIXモード」「キメラモード」で作成したEQは保存でき、MY-EQから切り替えたり、再調整したりすることも可能です。
さらに、作成したEQをクラウドへアップロードして共有することもできます。
逆に、クラウド上にアップロードされている他のユーザーが作成したEQをダウンロードして使用することもできます。
ドライブ機能

「ドライブ」は、単純に音量を上げるのではなく、ヘッドホンアンプのように音をよりエネルギッシュに、音圧を上げるための機能です。
通常のワイヤレスイヤホンではあまり見られないタイプの音質調整機能で、サウンドメイクイヤホンならではの特徴と言えます。
QUESTモード
サウンドメイク機能とは別に、モデル名にもなっている「QUESTモード」も用意されています。

QUESTモードでは、項目を一つずつ追加・削除しながら、自分の好みの音を探求していくような形で音を作り上げていきます。
QUESTモードで作成したEQは、QUESTモード内に保存してタップで切り替えられるほか、サウンドメイク画面からさらに調整することも可能です。
操作性・初心者への配慮
ここまで紹介したように、アプリ新バージョンには非常に多くの機能が搭載されています。
そのため、EQやオーディオに詳しくない人にとっては、最初は少し難しく感じる可能性があります。

でも安心してください。各モードや機能の画面上部には「再生」ボタンや「?」ボタンが用意されています。
再生ボタンからは音声付きのチュートリアルを確認でき、初心者にも分かりやすく機能を解説してくれます。

また、「?」ボタンを押すとポップアップ形式のガイドツアーが表示されます。

このように初心者向けのフォローも充実しているため、機能に慣れるまで多少時間はかかるものの、最終的には幅広いユーザーが楽しめるように作られています。
装着感

イヤホン本体は実測で片側約5gと軽量です。
スティック型のデザインということもあり、装着時は非常に軽やかな印象です。
装着すると耳にねじ込むというよりは耳道周りを塞ぐような感覚で圧迫感も少なく、スティック型で支点が多いので安定感も高めです。
長時間の使用でも負担になりにくい装着感です。
音質
基本的な音質
↓動画版ではバイノーラルマイクを用いたバーチャル試聴比較も行っています
デフォルトチューニングは、比較的フラット寄りの印象です。
特定の帯域だけが極端に強調されているというより、サウンドメイクイヤホンらしく、ここから自分好みの音へ作り込んでいくことを前提としたチューニングに感じられます。
もちろん、低域を深く沈み込むような音にしたり、中域を強調したりと、EQ次第でさまざまな音を作ることができます。
つまり、イヤホンそのものの音質だけで評価するというより、自分でどこまで好みの音に作り込めるかが、この製品の大きなポイントです。
例えば低域を強化したチューニングや、中域を強調したチューニングなどは、ほんの一例に過ぎません。
EQを調整することで、さまざまな方向の音を作ることができます。
通話音質
続いて、イヤホンのマイクから録音した音声を確認しました。
通話ノイキャンの影響かやや加工感のある音声ではありますが音量や解像感について大きな問題はなく、十分に通話できるレベルの音質だと感じました。
ノイズキャンセリング性能
サウンドメイクがメインのイヤホンではありますが、実際に使用してみると、ノイズキャンセリングは想像していた以上にしっかりと効果を実感できました。
もちろん、周囲の音を完全に消してしまうほどの強力な性能ではありません。
しかし、屋内でのエアコンなどの空調音であればきれいに低減してくれます。
屋外でも周囲の音が小さくなり、うっすら聞こえる程度まで低減される印象です。
また、ノイズキャンセリング特有の違和感がほとんどありませんでした。
一般的なANCイヤホンでは、ノイズキャンセリング使用時に耳が塞がれたような閉塞感を覚えることがありますが、QUESTではそうした不快感をほとんど感じませんでした。
ノイズキャンセリング使用時の違和感が苦手な人でも比較的使いやすいと思います。
外音取り込み
外音取り込み機能も自然な仕上がりです。
イヤホンを装着していないときに近い、かなり自然な感覚で周囲の音を聞くことができます。
低遅延モード
低遅延モードも搭載されています。
専用アプリを使用して簡易的に遅延を測定したところ、AAC接続時では、
- 低遅延モードOFF:約130ms前後
- 低遅延モードON:約40ms前後
という結果になりました。※正確性を保証するものではありません
低遅延モードをONにすることで、遅延が大幅に抑えられています。
動画視聴ではほとんど違和感なく楽しめますし、カジュアルにゲームをプレイする程度であれば、十分実用的な低遅延性能だと感じました。
気になった点
機能面・音質面ともに充実したQUESTですが、明確な弱点もあります。
それがマルチポイント接続に非対応であることです。
マルチポイントは、2台のデバイスに同時接続できる機能です。
最近の完全ワイヤレスイヤホンでは搭載されていることが多い機能ですが、本製品には搭載されていません。
そのため、スマートフォンとPCなど、複数のデバイスを頻繁に切り替えて使用する人は注意が必要です。
総評
JPRiDE model i ANC MK2 – QUESTは、自分好みの音をとことん追求したい人に向けたサウンドメイクイヤホンです。
細かなEQ調整ができるワイヤレスイヤホン自体は他にもありますが、本製品はサウンドメイクに関する機能の充実度が非常に高くなっています。
特に今回のアプリアップデートによって、
- 直感的に操作できるカスタムEQ
- ドローモード
- ABスナップショット
- DJミックスモード
- キメラモード
など、音作りを楽しむための機能が大幅に強化されました。
従来のようにEQの数値を一つずつ細かく調整するだけではなく、波形を指で直接動かしたり、グラフに音のイメージを描いたり、複数のプリセットを組み合わせたりと、さまざまな方法で音を作ることができます。
そのため、EQに詳しくない人でも直感的に音作りを始められます。
一方で、搭載されている機能が非常に多く、専門的な用語も登場するため、すべてを使いこなそうとすると少し難しく感じる部分もあります。
ただ、チュートリアルやガイド機能も充実しているため、少しずつ触りながら覚えていけば問題ありません。
そして、このイヤホンの大きな魅力は、購入後に「音が好みじゃなかった」と感じた場合でも、自分で音を作り直せることです。
一般的な完全ワイヤレスイヤホンでは、基本的にメーカーが設定したチューニングをベースに使用することになります。
しかしJPRiDE model i ANC MK2 – QUESTなら、EQを調整することで、自分の好みに合わせて音を大きく変えることができます。
「せっかく高いイヤホンを買ったのに音が好みじゃなかった」という失敗を避けやすいのは、本製品ならではの魅力だと思います。
特に、
- 自分好みの音をとことん追求したい
- EQを使って細かく音作りを楽しみたい
- プロレベルのチューニングシステムを体験してみたい
- イヤホンを単なる音楽再生機器ではなく、音作りそのものを楽しむツールとして使いたい
という人には、非常に面白い製品です。
「音を聴く」だけではなく、「自分で音を作る」ことまで楽しめるのが、JPRiDE model i ANC MK2 – QUESTの最大の特徴と言えるでしょう。
JPRiDE公式ストアで見る↓


