概要
今回は、SIVGAから登場した有線イヤホン「Lyrebird(ライアバード)」をレビューしていきます。

スペック・製品仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| ブランド | SIVGA |
| 製品名 | Lyrebird(琴鳥) |
| 形式 | インナーイヤー型有線イヤホン |
| ドライバー構成 | 4種類・クアッドドライバー |
| 低域 | 10mmポリマー複合振動板ダイナミック型 |
| 中域 | バランスドアーマチュア(BA) |
| 高域 | マイクロ平面駆動型 |
| 超高域 | 9.2mm積層型ピエゾセラミック |
| 再生周波数帯域 | 20Hz~20kHz |
| 感度 | 108dB ±3dB(1kHz) |
| インピーダンス | 14Ω ±15%(1kHz) |
| 全高調波歪率 | 1%以下(1kHz) |
| 筐体素材 | 航空機グレードアルミ合金 |
| フェイスプレート | スタビライズドウッド(天然木) |
| ケーブル | 3素材ハイブリッド編み込みケーブル |
| ケーブル導体 | 古河OCC・銀メッキ銅・金銀メッキ銅 |
| ケーブル長 | 約1.2m ±10cm |
| コネクター | 0.78mm 2Pin |
| プラグ | 4.4mmバランス |
| ケーブル着脱 | 対応 |
| イヤーフック | オーバーイヤー型 |
| 参考価格 | 27,800円(税込) |
ドライバー構成には、10mmダイナミックドライバー、バランスド・アーマチュアドライバー、マイクロ平面駆動型ドライバー、9.2mm積層型ピエゾセラミックドライバーを採用。帯域ごとに異なる4種類のドライバーを搭載した、豪華なクアッドドライバー構成となっています。
内容物

- イヤホン本体
- イヤホンケーブル
- シリコンイヤーピース2種類・計7ペア
- イヤーピース専用収納ケース
- キャリングケース
- 説明書類
イヤーピースは、さらさらとした質感のタイプと、吸着力の高いタイプの2種類が付属します。
それぞれ装着感やフィット感の異なるイヤーピースを試せるため、自分の耳に合ったものを選びやすくなっています。
また、イヤーピース専用の薄型収納ケースも付属。イヤーピースをまとめて保管できるため、紛失や汚れを防ぎやすいのも嬉しいポイントです。
外観・デザイン
Lyrebirdの大きな特徴は、フェイスプレートに天然木を使用したスタビライズドウッドを採用していることです。
天然木ならではの木目や色合いを楽しめるため、同じ製品でも一つひとつ異なる表情を持っています。個体ごとに異なるデザインを楽しめるのは、天然素材ならではの魅力といえるでしょう。
フェイスプレートにはシルバーの縁取りが施され、ブランドロゴと組み合わせることで高級感のある仕上がりになっています。
筐体には高剛性アルミ合金を採用。天然木のフェイスプレートと金属製筐体を組み合わせた構造は、デザイン性だけでなく、質感の面でも魅力的です。
一般的な樹脂筐体と天然木フェイスプレートの組み合わせとは異なり、金属筐体を採用することで、より上質な印象に仕上がっています。

2Pinコネクター部分は少しくぼんだ形状になっています。特殊な形状ではないため、基本的には一般的な0.78mm 2Pinケーブルとの互換性があると思われますが、ケーブルによっては筐体と干渉する可能性もあるため注意が必要です。
付属ケーブル
付属ケーブルには、古河OCC、銀メッキ銅、エナメル金銀メッキ銅という3種類の導体を組み合わせたハイブリッド編み込み構造を採用しています。

複数の導体を組み合わせた豪華な仕様で、ケーブル自体の作りもしっかりしています。
柔らかさについては極端にしなやかなタイプではありませんが、取り回しは良好で、日常的な使用でも大きな不満は感じにくい印象です。
プラグやコネクターのスリーブ部分には金属素材を採用。見た目の高級感だけでなく、堅牢性にも配慮されています。
さらに、負荷がかかりやすいプラグとケーブルの接続部分にはスプリングによる保護が施されており、耐久性を意識した作りになっています。
なお、プラグは4.4mmバランス接続のみとなっているため、使用するには4.4mmバランス出力に対応したDAPやDACアンプなどが必要です。
キャリングケース

レザー調のキャリングケースも付属しています。
落ち着いた質感で高級感があり、Lyrebird本体やケーブルを収納するのにちょうどよいサイズ感です。
無駄のない収納設計で、イヤホンを持ち運ぶ際にも便利です。付属品に至るまでデザインや質感にこだわりが感じられます。
装着感


イヤホン本体は、4種類のドライバーを搭載した多ドラ構成ながら、比較的コンパクトで薄型にまとまっています。
片側の重量は実測で約6g。アルミ合金筐体を採用していることを考えると、意外にも軽量です。
筐体が薄型かつコンパクトなため、耳への収まりが良く、内側のシェルが耳に自然にフィットする感覚があります。
イヤーピース、内側のシェル、イヤーフックの3点でしっかりと固定されるため、装着時の安定感も良好です。
また、筐体が耳から大きく飛び出さない形状になっているため、見た目もすっきりしています。
耳との隙間も比較的少なく、遮音性も高めです。外部の音が入り込みにくく、音楽に集中しやすい装着感となっています。
実際に装着した状態を改めて確認してみても、天然木の色合いや金属部分の質感など、全体的なデザインの完成度が非常に高いと感じます。
音質
動画版では、バイノーラルマイクで録音した音声を使用したバーチャル試聴比較も行っています↓
※バーチャル試聴は録音環境や再生機器によって聞こえ方が変わるため、実際の音質を完全に再現するものではありません。音の傾向を比較する参考としてご視聴ください。
比較対象には、価格帯の近い「EPZ P40」と「BQEYZ Winter」を用意。すべて4.4mmバランス接続で、3機種を切り替えながらサウンドの違いを比較しています。
それぞれの音の質感には明確な違いがあり、Lyrebirdのサウンド傾向も分かりやすく表れていました。
全体的なサウンド傾向
Lyrebirdの最大の特徴は、暖かみのある豊かなサウンドです。
全体的に暖色系の音作りで、音に厚みや量感があり、空間の広がりや立体感も感じられます。
特に低音域の存在感が強く、深みのある低音から滑らかに伸びる高音まで、全体的に角の取れた聴きやすいサウンドに仕上がっています。
一方で、単純に柔らかいだけではなく、細かな音のディテールや空気感まで表現できるのも魅力です。
低音域
低音域はかなり深みがあり、力強さと量感を兼ね備えています。
アタック感の強いミッドベースに加えて、人工的な強調感の少ない自然な響きを持つサブベースが特徴的です。
特にサブベースの深い沈み込みによって、低音の量感だけでなく、音場全体の立体感や奥行きも感じられます。
低音にしっかりとした厚みがありながら、不自然に膨らみすぎる印象ではなく、自然な響きで空間を満たしてくれるようなサウンドです。
中音域
中音域は、ボーカルの細かなニュアンスや声の質感を丁寧に表現してくれます。
声に含まれる細かな成分やディテールまでしっかりと描写できる一方で、音の輪郭は柔らかく、自然に広がっていくような印象です。
ボーカルの位置は比較的近めで、音楽に対する没入感も高く感じられます。
また、単純な音の立体感だけでなく、音が存在する空間の空気感や、そこを流れる熱量まで感じさせるような表現力も魅力です。
ボーカルを中心とした楽曲では、声の生々しさや息遣いなども楽しめるサウンドだと思います。
高音域
高音域は非常に滑らかで、伸びやかさのあるサウンドです。
刺激感や耳に刺さるような鋭さはほとんどなく、優しく自然に広がっていくような聴き心地に仕上がっています。
高音の伸びはしっかりと確保されており、柔らかい音作りでありながら、物足りなさを感じにくいのも特徴です。
全体的に角の取れた滑らかな高音なので、長時間のリスニングでも聴き疲れしにくいタイプだと感じました。
音場・空間表現
音場は、上下方向に比較的広く、左右方向にもやや広がりを感じられる印象です。
ボーカルは比較的近い位置に定位しますが、その周囲に広がる楽器や音の響きによって、立体的な空間が形成されています。
特に優れていると感じたのが、空気感の表現です。
単純に音が左右や前後に広がるだけではなく、音が存在する空間の雰囲気や、空気の流れまで感じさせるような表現力があります。
音場の広さだけでなく、空間の質感まで楽しめるイヤホンです。
相性の良い楽曲
個人的にLyrebirdでぜひ聴いてほしい楽曲が、Billie Eilishの「bad guy」です。
この楽曲は、深みと立体感を感じられる力強い低音に加え、左右から耳元で囁かれるようなウィスパーボイスが特徴的です。
Lyrebirdの持つ低音の量感や空間表現、ボーカルの生々しさと非常に相性が良く、楽曲の魅力を存分に楽しめます。
特に、左右に広がるボーカルの表現や、低音の迫力が組み合わさることで、思わずゾクゾクするような気持ち良さがあります。
音の特性的には、邦楽よりも低音の存在感や音の伸びを多用する洋楽との相性が特に良いと感じました。洋楽を中心に楽しむ方には、Lyrebirdの魅力がより伝わりやすいと思います。
もちろん邦楽との相性も悪くありません。レトロなシティポップやライブ音源なども、暖かみのあるサウンドで気持ち良く楽しめます。
ただし、全体的に暖色系で量感のあるサウンドなので、好みは比較的はっきり分かれると思います。
輪郭がくっきりとした硬質な音や、寒色系のシャープなサウンドを好む方には、少し方向性が異なるかもしれません。
反対に、低音の量感や空気感、ボーカルの生々しさを重視する方には、非常に魅力的なイヤホンだと思います。
総評

SIVGA Lyrebirdは、暖かみのある豊かなサウンドと、天然木×金属筐体による高いデザイン性を兼ね備えた有線イヤホンです。
10mmダイナミックドライバー、バランスド・アーマチュアドライバー、マイクロ平面駆動型ドライバー、9.2mm積層型ピエゾセラミックドライバーという4種類のドライバーを組み合わせた豪華な構成も特徴的です。
音質面では、深みと量感のある低音、細かなディテールを表現する中音域、滑らかで伸びやかな高音域が魅力。特に空間の立体感や空気感の表現力に優れており、音楽の雰囲気まで楽しめるサウンドに仕上がっています。
さらに、天然木を使用したフェイスプレートやアルミ合金筐体による高いビルドクオリティ、質感の良い付属ケーブルやキャリングケースなど、製品全体の完成度も非常に高いと感じました。
装着感についても、比較的コンパクトで薄型の筐体によって耳への収まりが良く、安定感のある仕上がりです。
暖色系のサウンドが好みの方には、ぜひおすすめしたい有線イヤホンです。
音質だけでなく、デザインやビルドクオリティ、付属品の品質まで含めたトータルの満足度が非常に高いモデルだと思います。

